新研修医が本当に知っておくべき臨床の常識100

割引あり

1.患者から見たら研修医も医者。
2.先輩より先に帰るときは「お疲れ様です」じゃなくて「お先に失礼します」。
3.引き継ぎは医者同士でやり取りが基本。
4.紹介状の返事は速やかに。退院サマリーは2週間以内に。
5.検査データは暗記するもの。一緒に回診しながら「今朝のカリウム幾つだった?」と聞かれて答えられるように(無理ならメモ取る)。
6.プレゼンは結論を最初に。場合によってショートプレゼンからロングプレゼンまで使い分けろ。
7.指示、オーダーがないと看護師は動けない。
8.前日の夕方○時まで(病院ごとのルール)に指示があれば、看護師は勝手に拾ってくれる。当日や夜オーダーを出すときは、①電子カルテ操作、②指示簿、③担当またはリーダー看護師に口頭指示。
9.カルテは毎日書かないと病院評価とかでめんどくさいこと言われるので毎日書く。
10.定期内服薬の処方日は揃えましょう。この薬は火曜日に切れてこの薬は木曜日に切れるとかクソめんどくさい。
11.どんな症状、状態も常に薬剤性の可能性を念頭に。
12.絶食患者には補液2,000mL/日前後を。体格によって増減。
13.急性期はリンゲル液が基本。ただしリンゲル液2000mLを入れ続けるとそのうちカリウム下がってくる。
14.超急性期(ICUや緊急入院直後、処置や手術の翌日)は毎日、急性期(入院翌日〜数日、電解質質補正中、抗菌薬変更後など)は2,3日に1回くらいの採血フォローが標準的。
15.入院時には胸部レントゲンと心電図くらいはルーチンで撮ってもいいかも。
16.長期絶食患者にいきなり食事を入れるとrefeeding症候群に。
17.ウェルニッケ脳症を疑ったらビタミンB1 ×10Aを点滴に。採血結果は外注で当時には結果出ない。過剰投与より補充せず糖分投与のほうが怖い。
18.せん妄には原因がある。「どうするか?」の前に「なぜか?」を必ず考える。とはいえ、仕方ないことも多いので薬を使うことが多い。Ex)セレネース®︎0.5〜1A+生食50mLを30分で投与。
19.DNARとは、Do Not Attempt Resuscitationの略。心肺停止時に蘇生行為を行わないのであって、積極的に治療を行わないという意味ではない。
20.DNARの方針であることはカルテに必ず記載すること。記載がないなら心肺蘇生をしないと後ろ指を指される可能性がある。
21.感染症診療の3原則:病原微生物、感染部位、抗菌薬、+宿主を考える。
22.発熱=感染症ではない。
23.発熱患者には″fever work up″=採血、尿検査、胸部レントゲン。
23.感染症の身体診察は″top to bottoms″=頭からつま先まで。身体所見をゴリゴリに取る。見落としがちなのは関節、足趾の潰瘍、脊椎叩打痛。
24.抗菌薬はたいてい粉製剤。生食か5%ブドウ糖50-100mLと一緒にオーダーする。
25. 抗菌薬投与前には必ず培養を。血液培養は2セットが基本。
26.抗菌薬は2回選ぶ。治療開始時empiric therapyと原因菌・感受性判明後のde-escalation。
27.抗菌薬の投与期間は臓器による。肺炎なら1週間、尿路感染なら2週間など。
28.効果判定には2-3日かかる。解熱、症状の改善が一番大事。
29.抗菌薬以外の治療の必要は?胆嚢炎の外科的切除、膿瘍のドレナージなど。
31.GPC菌血症は陰性確認が必要。IEに注意。
32.IE疑ったら血液培養3セット。
33.髄膜炎、IEは抗菌薬の量が違うので注意。
34.抗菌薬暴露歴があれば耐性菌を考慮。
35.入院中の発熱は″7D″を想起。Drug、CDI、Device、pseuDogout(偽痛風)、DVT(血腫の吸収熱)、Decubitus(褥瘡)、Deep absess(深部膿瘍)。
36.抗菌薬投与中に熱が再燃して腹痛と下痢。というのがc.difficileの典型例。治療は経口VCM、点滴MNZ。
37.電解質異常は補液、薬剤性を第一に考慮。その次に内分泌疾患。
38.カリウム異常は不整脈、ナトリウム異常は神経症状をきたす。
39高カリウム血症は腎不全と薬剤性がほとんど。すぐに補正していい。カルチコール→GI療法(インスリン1:グルコース10-20)→フロセミドやカリウム吸着。
40.低カリウムは背景に低マグネシウムがあるかも。先にMgを補正しないとなかなか上がらない。
41.ナトリウムは急性と慢性を評価。急性ならさっさと補正していいけど慢性はゆっくり補正。
42.重症の電解質異常は補正前の尿中電解質が見たい。特にNa。
43.透析患者はシャント肢の採血、血圧測定禁。
44.非透析患者の緊急透析にはブラッドアクセスカテーテルを使う。
45.高血糖を減らすことより低血糖を避けることが大事。
46.健常者でも血糖が180mg/dLくらいを超えると尿糖+になる。
47.全身管理としての血糖は150-250くらいであればまあ許容範囲。
48.ハードアウトカムが証明された血糖降下薬はメトホルミン、GLP-1作動薬、SGLT2阻害薬だけ。
49.メトホルミンは造影剤を使う時は要注意。副作用の乳酸アシドーシス。院内のルールが決まっていることが多いけど、腎機能に応じて撮影前休薬、重要なのはむしろ造影剤使用48時間の休薬。
50.食事が取れるかわからない糖尿病患者にはヒューマリンR(半減期が6時間の即効型インスリン)のスライディングスケール:「〇〇〜〇〇の時、ヒューマリンR○単位」のような指示のこと だいたい病院ごとに表がある。食後の急峻な血糖上昇には対応できないのでベストな方法ではない。
51.強化インスリン療法:持効型1日1回と超速攻型を食事に合わせて3回の1日4回打ちがもっとも”ちゃんとした”血糖管理。
52.時効型インスリンを適切量にしてから超速攻型インスリンの量を増やしていくのが基本。
53.責任インスリン:例えば昼食前血糖は朝食前投与のインスリン量の過不足を反映。夕食前血糖は昼食前投与のインスリン、眠前血糖は夕食前投与のインスリン。朝食前血糖は空腹時血糖、つまり時効型インスリンの投与量を反映。
54.急性心不全のForester分類にはSwan-Ganzが必須:重症例でなければあまりやらない。”Clinical Scenario”と”Noria/Stevenson分類”で評価することが多い。
55.とはいえ…救急外来に来る急性心不全はACSの可能性は?と考えつつ、酸素投与、フロセミド静注することが多い。
56.左室駆出率EFが落ちてるのがHFrEF(へふれふ)、落ちてないのがHFpEF(へふぺふ)。その間のHFmrEFとかいろいろあるけど一旦気にするな。
57.慢性心不全(HFrEF)に予後改善データがある薬は”fantastic 4”=βブロッカー、MRA、ARNI、SGLT2阻害薬。
58.fantastic4に加えてループ利尿薬は心不全治療薬の超メイン薬。フロセミド(ラシックス®︎)は点滴と内服、アゾセミド(ダイアート®︎)は内服。トラセミド(ルプラック®︎)はまあいらん。
59.急性期には腸管浮腫で内服薬の効果が微妙なので点滴→内服に切り替えていく。フロセミド20mg=アゾセミド30mgがだいたい同じ効果の薬効。内服フロセミドは吸収されるのが20~80%くらいで信用ならない。

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