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アマチュア野球観戦記① ~人生初のパーフェクト~

 こんにちは、アオジュンと申します。
今年から自身が観戦したアマチュア野球の試合を振り返るnoteを上げていけたらと思っています。毎回とはいきませんが印象に残った試合は自身の振り返りも含めてアウトプットしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。


1.中京大学vs名城大学

開幕戦から衝撃試合 人生初の完全試合を目撃

 愛知大学野球連盟春季リーグ戦の開幕戦は秋の王者名城大学と秋に入れ替え戦を耐えた中京大学の一戦でした。
 名城大学の先発は4年生の岩井天斗投手(享栄)。昨年ソフトバンク2位指名の岩井俊介投手(京都翔英)・DeNA2位指名の松本凌人投手(神戸国際大付属)と共に投手陣を牽引した岩井投手が4年生・ドラフト候補として迎える最初の試合でした。
 対する中京大学は昨秋からエース格となっている3年生の髙木快大投手(栄徳)が先発、両者エース対決の見ごたえある投手戦が繰り広げられる予感がしました。
 その予感は的中し両者5回まで無失点ピッチングを繰り広げ、岩井投手はこの日最速152キロを計測するなど気合が入っており、髙木投手は5回を終えパーフェクトで球数54球の文字通り完璧な内容でした。

虎の子の1点を先制し歓喜に沸く中京大学ナイン


 6回以降も白熱の投手戦が繰り広げられましたが、均衡が破れたのは8回表。先頭打者がヒットで出塁し送りバントを決め得点圏から中京大学1番加藤麗桜選手(3年・新潟明訓)の値千金のタイムリーヒットが飛び出し中京大学が先制。
 試合がいよいよ動き出すも髙木投手は至って冷静でパーフェクトピッチングを継続し24人連続で名城大打線を抑えます。

完全試合達成の中京大学・髙木快大投手

   そして最終回、この試合もう一山ふた山があると思いきや先頭をショートゴロ、続く代打攻勢もファーストゴロ・三振に抑えゲームセット。    
   なんと愛知大学野球連盟59年ぶりとなる完全試合達成となりました。私自身プロ・アマ含めて完全試合はおろかノーヒットノーランすら目撃したことが無かったのでとても興奮しました。 
   改めて中京大学・髙木快大投手おめでとうございます! 

中京大学 髙木 快大 投手

94球マダックスの完全試合はお見事

 ピックアップ選手は勿論髙木快大投手。人生初のパーフェクトゲームに立ち会わせてくれた髙木投手には感謝しかありません。
 この日は2回までに球数28球を要する投球でしたが、3回~6回の4イニングはすべて1桁の球数で抑えるアメイジングピッチでした。試合時間は1時間49分、この数字は大学野球の公式戦では異例の時間だと思います。相手の岩井投手の好投もあっての髙木投手の投球でもありました。
 94球マダックスでの完全試合達成、改めておめでとうございます!

名城大学 岩井 天斗 投手

惜しくも敗戦投手にはなったが好投を見せた名城大・岩井投手

 完全試合に隠れてしまいましたが、この投手の存在も忘れてはいけません。名城大学の岩井天斗投手もナイスピッチングでした。
 この日は9回を投げて1失点。髙木投手と同様に無四球の投球でした。唯一悔やまれるのが8回のタイムリーでしょうか。1アウト2塁のピンチからレフトファールフライに抑えた後の初球を捉えられ先制を許す一打となりました。
 しかし岩井投手も髙木投手を上回る7奪三振など内容も良く非常に見応えのある投手戦を繰り広げてくれました。岩井投手もお疲れ様でした。

2.中部大学vs愛知東邦大学

愛大連1部リーグ戦では初のコールド適用試合となった一戦

 開幕戦から完全試合となった愛知大学野球連盟春季リーグ戦の幕開けでパロマ瑞穂スタジアムも興奮が冷めやらぬ中行われたのが昨年の春季リーグ戦チャンピオンの中部大学と昨年より1部に昇格し熱戦を繰り広げた秋季2位の愛知東邦大学の一戦。
 中部大学の先発は昨年スーパー1年生として愛大連をざわつかせた津波英太郎投手(2年・四日市中央工業)、愛知東邦大学の先発はなんと開幕戦から1年生の森楓真投手(1年・市立岐阜商)が大抜擢されました。
 試合は2回に中部大学が2点を先制すると、4回に先発の森投手が制球を乱し守備の面でも不味いプレーが続くなどこの回3点を取られ愛知東邦大学が不利な形で試合が進み、7回表を終了して9-0と中部大学が9点リードしていました。
 愛大連1部リーグ戦の規定ではコールドゲームに関する規定が無かったものの、どうやら今季からコールドゲームが導入され愛知東邦大学は7回裏の攻撃で3点を取らないとコールドゲームになってしまう展開となっていました。
 しかしランナーを出すも併殺打などでチャンスを潰し7回終了。この時点で7点以上の差が付いたためコールドゲーム成立で中部大学が先勝しました。

中部大学 清水 智裕 捕手

愛大連を代表する強打のスラッガー・清水智裕選手

 昨年の中部大学優勝の立役者であり、24年ドラフト候補でもある中部大学の清水智裕選手。大学リーグ戦通算9HRの長距離砲の打撃に期待がかかりました。この日は序盤からなかなか当たりが出なかったものの、第3打席では今季リーグ戦初ヒットをレフト前に運びます。ノーヒットで終わるのと1本出て終わるのでは大きく違いますので、次戦以降の清水選手に期待です。

愛知東邦大学 森 楓真 投手

1年生で開幕投手の大役を務めた森投手

 愛知東邦大学の1年生開幕投手を務めた森投手。いきなりの大役に緊張があったのか4回は3者連続四球を与え、そのランナーが結果的に全員帰ってきてしまうなど経験不足・若さが出てしまった内容だったと思います。
 まだ1年生なのでこれから経験を積んで大きく成長して欲しいなと思う選手でした、森投手頑張れ。

3.愛知工業大学vs愛知学院大学

開幕戦を見事ものにした愛知工業大学

 そして第3試合、いよいよ侍ジャパントップチームに選出された愛知工業大学の中村優斗投手(4年・諫早農林)が出てきました。
 今季よりスコアボードが改修されスピードガンも設置されたこともあり、侍ジャパンで157キロを計測した中村投手がどこまで記録を伸ばせるのか、とても注目の一戦となりました。愛知学院大学は河野優作投手(3年・創志学園)が先発しました。
 初回愛知工業大学は先頭がツーベースで出塁すると4番俊足が持ち味の宮川怜選手(4年・星城)のサードゴロが相手サードの失策を誘い相手のミスに乗じる形で愛知工業大学が先制。
 その裏、中村投手は初回から157キロの自己最速タイを記録するなどトップギアの投球を見せますが、愛知学院大学1番の1年生ルーキーにファウルで粘られ10球を費やし四球を与えてしまいます。
 しかしその後はしっかりと抑え、愛知学院大学4番の末田龍佑選手(4年・大分商)からは今季初の奪三振を奪いました。
 その後愛知工業大学の打線が湿ってしまいあと一本が出ない攻撃で試合が進んでいきますが、中村投手は組み立てを変えてから相手打線に的を絞らなせない投球を見せ5回被安打1無失点8奪三振の好投を見せていました。
 そして本領発揮してきたのは7回以降でした。6回は球数5球と打ち取るスタイルで0に抑えた中村投手でしたが、7回以降は豹変し従来の中村投手である奪三振マシーンと化しました。
 7回は死球でランナーを出すも3者連続奪三振、8回は振り逃げのランナーを背負うも持ち味のストレート連発で相手にバントをさせない気迫の投球、初回ファウルで粘られた先頭打者の田中辰空選手(1年・花咲徳栄)には3球連続155キロ超えのストレートで3球三振。あのストレートに関しては本日1番のボールだったと思います。本当にマウンドに仁王立ちで構える絶対的支配者、そんなような雰囲気さえ漂う強烈な投球でした。
 最終的に7回以降8奪三振でフィニッシュするなど9回を投げて被安打2奪三振16の驚異的な投球で愛知学院大学をシャットアウトする完封勝利でした。

愛知学院大学 中村 優斗 投手

16奪三振の驚異的な投球を見せた中村投手

 今日の主役は言わずもがな中村投手でしょう。近年打者のレベルが上がってきている中での16奪三振は非常に魅力的な内容かと思われます。ストレートの最速は157キロを計測し、150キロ以上のボールは45球以上記録するなど、えげつない投球を見せ愛知学院大学を完全に制圧しました。
 これ以上センセーショナルな投球を見せることな無いかもしれないっといった凄まじく完璧な投球でした。
 序盤は対策をされてきたのか愛知学院大学の打線が中村投手のストレートをアジャストしており、1番の田中選手はファウルで粘って四球をもぎ取りましたが、その田中選手相手に4打席目には3球三振と圧倒的な制圧力を見せてくれました。
 私が現地で中村投手を見るのは通算で6回目でしたが、昨年ドラフト1位で指名された広島の常廣羽也斗投手(青山学院大学)と巨人ドラフト1位の西舘勇陽投手(中央大学)よりストレートに関しては中村投手の方が上だなと思いました。今年のドラフトがより楽しみになった試合でした。現時点では世代最強投手と言っても過言ではない気がします。

愛知学院大学 岡村 洸太郎 投手

好リリーフを見せた新2年生 将来性が非常に楽しみな投手

 惜しくも中村投手の前に惜敗してしまった愛知学院大学ですが、先発した河野投手は最速145キロのストレートと鋭く曲がるスライダーを軸に愛知工業大学打線を抑えていました。
 そしてびっくりしたのがリリーフで登板した岡村洸太郎投手(2年・創志学園)でした。先発の河野投手と同じ創志学園の出身による創志リレーが実現しましたが、左の変則気味に投げる河野投手と右の変則気味に投げる岡村のリレーをやられたらそう簡単には打てそうにもない独特の2人で、特に岡村投手はスリークォーター(ちょっとサイド気味)から力強いストレートを投げ込んでいるので、まるで昨年まで名城大学に居たDeNAの松本投手を彷彿とさせる投手でした。
 この2枚が万全な愛知学院大学は非常に面白く、今後の春季リーグ戦を楽しませてくれる存在の2人だと思いました。
 



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