クラリオアレコン4の楽曲解説

自分が作った曲について、何を使ったとか何を考えて作ったとか、時間がたつと忘れてしまうので備忘録的に記録を残しておこうと思います。


今回の楽曲について

クラリオアレコン4

 クランとリオン【初心者向けDTM動画】のYoutubeチャンネルで実施された、楽曲のアレンジコンテスト(クラリオアレコン4)に応募した曲です。

 実際に作ったものはこんな感じです。イメージとしては90年代前半くらいまでのハードロック。これが好き、これしかできないとも言う。

参考にした曲

 頭の片隅でイメージしたのはアメリカのハードロックバンドのDanger Danger。1stアルバムのRock Americaとか、2ndアルバムのCrazy Nitesあたりの曲からリバーブとキーボードでキラキラさせる着想を得ています。
 積極的に聞き比べてリファレンスにした訳ではなくて、基本的には頭の中で鳴った音でミキシングまで済ませた後で、リバーブのかかり具合とかのヒントをもらった感じです。(この時代の曲ってものすごく深いリバーブがかかっていてびっくりします。)

曲のコード進行について

 今回はアレンジコンテストということで、曲の長さ、歌メロが指定されていました。コード進行については、元のコード進行が示されていましたが、メロディに合いさえすれば変更しても問題ありません。正直なところ、メロディに対してのコードのつけ方はイマイチわかっていないので、制約の少ないイントロから作ることにしました。
 基本的にギターありきの作成をしているため、まずはギターのフレーズからコード進行等も考えていきました。

最終的なコード進行

イントロ

 歌メロがCのキーなので、イントロもCのキーで考えました。
 とりあえずギターでCのパワーコードを押さえて適当に小指を動かしてできたフレーズを軸に、ルート音だけ動かしてコードチェンジする形でメインのリフを作りました。最後のF→Gのコードは次のフレーズへのつなぎです。

Aメロ

 最初は元のコード進行に合わせてブリッジミュートのバッキングにしようかと思っていましたが、イントロのリフのパターンが使えるのでは?と思ったので、リフのパターンを採用しました。
 コード進行については、同じコードでステイしてリフが乗っているのが好きなので、ずっとCコードでもいいかと思いましたが、単調になりすぎるので途中でAmにコードチェンジしています。

Bメロ

 元のコード進行のうち、後半のDm~Gまで登っていく部分は生かしたいと思ったので、前半の進行をちょっと変えることにしました。
 元々はFコードから始まるので、とりあえずDm7に置き換えてみました。ギターで5弦ルートのバレーコードを弾くとき、普通のマイナーコードだと押さえるのに全部の指を使いますが、マイナーセブンスにすると小指が空くので、適当に音を動かしているうちに、なんとなくDm7→Cの流れになりました。
 後半のDm~Gの部分についても、少しずつ音を動かしたかったので、マイナーセブンスのコードで登っていくことにしました。
 この部分は、元はDm→Em→F→Gの進行なので、7thのテンションを付けるのならDm7→Em7→FM7→Gと進むべきだとは思いましたが、FのコードをFm7にした時の響きが気に入ったので、Fm7にしました。
Fm7にすると3度のA♭、7度のE♭がスケール外の音になって、その部分の歌メロはAの音が鳴っているため、音がぶつかってしまいましたが、気に入ったコードの響きを優先して、音のぶつかりは無視しました笑
自分の曲だったら、メロディを変えていたと思います。

サビ

 サビについてはイントロのリフを使いたかったため、コード進行もそのままです。メインのリフは前の小節に食ってシンコペーションになっているのですが、メロディラインとの兼ね合いで入りの部分だけ拍を揃えています。
 サビ最後のF→Gのコードのあたりは他のコードのほうが合う気がしますが、これはこれで良いかなと思ったのでそのままです。

アウトロ

 アウトロは奇をてらわずイントロと同じにしました。

アレンジについて

 今回は基本的にコード進行を決めた時点でギターのアレンジもできていたため、ギターに合わせて音を加えていきました。ギターを抜いたデータがあるので貼っておきます。

ドラム

 ドラム音源はAddictive Drums2を使っています。Addictive drumsのリズムパターンからイメージに近いものを持ってきて、フレーズやベロシティが曲に合うように少し調整して使っています。
 基本的にはシンプルなドラムが好きなので、複雑なことはしていません。ハードロック、ヘヴィメタル系なので、ゴーストノートはあまり入れない、バスドラムをフレーズに合わせる、クラッシュシンバルを多めに叩いて派手にする、あたりのイメージで作りました。

ベース

 ベースは自分で弾いて……なくて、MODO BASS2を使っていて、自分でベースを弾きながら考えたフレーズを打ち込むという作業をしています。単純に上手な演奏になるのと、あとでフレーズを変えるのも容易なのが理由です。
 ベースに関してもシンプルなものが好きなので、基本的にルート音を弾いていて、Aメロはほんのりミュートしていたり、Bメロはバスドラムに合わせてちょっとフレーズを動かしたくらいです。

シンセサイザー類

 シンセの類は、リード、パッド、アルペジオの3つが入っています。ちょっとパッドの音が小さすぎた気がします。シンセの音づくりは得意ではないので、基本的にプリセットをそのまま使っていて、アタックやリリースを調整したくらいです。

  • リードはメインリフに近い音の動きをしてリフを支えるイメージ
    入っている場所:イントロ、サビ、アウトロ
    音源:Vintage Organs(Native Instruments)
       Avenger(Vengeance Sound)

  • パッドはメインリフのコード感の補足と、サビ前盛り上がり用
    入っている場所:イントロ、Bメロ後半、サビ、アウトロ
    音源:Avenger(Vengeance Sound)
       Usynth glam(Ujam)

  • アルペジオはBメロの味付け
    入っている場所:Bメロ
    音源:Avenger(Vengeance Sound)

ギターバッキング

 アンプシミュレータは、SoftubeのAmp roomを使用しています。確かMarshallのJMP2203をチューブスクリーマーでブーストして作った音色です。左右からギターがなっているのが好きなので、違うギター使って同じパターンを2回弾いて左右に振っています。

リードギター

 とりあえずメインのリフに合わせてCメジャースケール内でペロペロ弾いてみました。最終的にイントロは後半のみにハモリのギター、アウトロは最初からリードギターが入って、後半ハモらせました。イントロとアウトロのハモリ部分のフレーズは若干変えてあって、アウトロの方は綺麗にCの音で終わる流れにしてあります。
 最初はイントロの前半もリードを弾いていましたが、ちょっと大袈裟になり過ぎたので、後半のハモリだけにしてあります。
 リードギターは、BIAS FX2で音を作っています。マーシャル系アンプを2台並列にしてチューブスクリーマーでブーストした音です。BIAS FXのほうが、ちょっとゲインが高いのと音の密度が高い音が作りやすいので、リードの音が作りやすい気がします。

使ったプラグインエフェクト

各トラックにかけているもの

 基本的には各トラックにはEQとコンプレッサーをかけているくらいで、あとは音色によってほんのりサチュレーションをかけたりアナログコンソールのモデリングを通したりしたくらいです。EQはPulsar 8200を一番よく使いますが、Cubase内蔵EQも使っています。

こんな感じのプラグインを使いました

マスタートラックにかけたもの

 マスタートラックには、UADのStuder A800 Tape RecorderとOzone10をかけています。
 基本的に低音を盛り込みすぎない音づくりでミックスしているため、OzoneのAIマスタリングをすると、EQで低音域をものすごくブーストする設定になります。「気持ちはわかるんだけど違うんだよな…」とか思いながら上がりすぎた低音域のEQを下げました。

完成!

 楽しく作って楽しく完成させることができました!
 基本的に僕は自分が好きなものを作っているので、自分が作ったものは大抵大好きで何度も聞き返したりします。自分で作ったものが完成形として聴けるのが楽しいし、結果が見える形で残るのがものを作るということの魅力だと思います。

感想

 クランとリオンさんのYoutubeチャンネルで開催されるコンテストには、2023年3月のクラリミコンから参加しています。参加者皆で盛り上がれるのは楽しいなと単純に思うのと、自分があまり興味なかったジャンルの音を聞くことができるのが魅力です。
 大抵のコンテストにおいては上位の作品しか動画上で流されたりしないので上位を目指す必要があって、そうするならば作品のクオリティを上げつつ、流行りの要素を取り入れたり、審査員の好みを狙ったりするなどの工夫が必要です。
 クランとリオンさんのコンテストにおいては、全曲試聴会で短い時間ながら全員の作品が生放送で流されること、【初心者向けDTM動画】のチャンネルということもあり、主催者側がどんなジャンルでもどんなクオリティでも受け入れる態勢でいてくれること、聴く側もどんな作品でも良いところを見つけてくれる姿勢でいることで、安心して自分の好きなように作ることができるので、とてもありがたいなと思います。
 いろんなジャンルで参加できるコンテストで上位を目指すなら、視聴者層が狭いジャンルはそれだけで不利だけど、絶対に皆に聴いてもらえるとわかっているから無理に審査員受けを狙わずに好きに作る、という選択肢が出てきて、幅ひろい作品が提出されるコンテストになっているのでは、と思いました。

 そして、今度は楽曲のリミックスコンテストが開かれるんですって。参加しなきゃ!

なんかとても長い記事ができました。


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