見出し画像

ひとりでワルツは踊れない

※『セクシャルマイノリティ』について触れている文章があります。苦手な方は自衛よろしくお願いします。

今日誕生日を迎えた推し様に対するわたしの精一杯の愛をここに記させてください。莉犬くんに出会って、莉犬くんの書いた曲に出会って、すとぷりさんに出会った私の備忘録と化しそうな気はしなくもありませんが…。まあまあまあ、まあ。まあ!とりあえずまずは……………

…………………………スーーーーーーーーーーーゥッ

莉犬くん、お誕生日おめでとうございます!!!!!

莉犬くんの「歌ってみた」とは数年前には出会っていて、すごく感情表現が豊かで、可愛らしく、格好よく、力強く、柔らかく、暖かく、歌う人だなあっていう印象があった。何度も聴き返してこの人の伝えることを汲み取りたいと、そう思わせる力のある声と歌い方だった。

今年(2020)の初め頃、友達がカラオケで「よくできました◎」を歌っていて根っからのアイドルオタクであるわたしの心にぶっ刺さった。

「エッ何?!何この曲?!最高じゃない?!待って待って?!誰の曲?!なん?!」

ここで「莉犬くん」のオリジナル曲と初めて出会って、もうそこからはご存知の通り…特技は音速沼落ち☆世界最速で地底まで足突っ込む女!腹黒ブラック!(?)ことみつるさんの本領発揮して「すとぷり」さんにずぶずぶしていった。今考えると…と言ってもまだ3ヶ月とか4ヶ月?とかしか経ってなくてめちゃくちゃ笑う。何を知ったふうな口をきいてるんだと言われるかもしれないけど、この数ヶ月間、彼らを応援したい、これからもっと色んな景色を観てみたい、と思うには充分なくらいに色々なことがあったんじゃないかな。
莉犬くんの配信はいつ聴いてもあたたかくて。どこまでも実直で、それでいてまあるい言葉を紡ぐ彼がとても好きだなあ…と最初に聴いた時から今までずっと変わらずに感じている。誰が触れても傷つかないように最大限の配慮がされている言葉選び、誰でも出来ることじゃない。本当に莉犬くんの言葉はまんまるだなあって触れる度に思う、誰かに確実に伝わる言葉。伝えるべきところでしっかり伝えられる、これが私はどうしても話し下手で出来ないので本当に尊敬している。
普通に雑談になると年相応の屈託のない笑い声でこちらの憂鬱なんか吹っ飛ばしてくれる。限界社会人オタクなので、毎日毎日憂鬱な事しかない(夢がなくて申し訳ない)けど夜死にかけながら帰って来ても配信があれば楽しそうに笑う声で今日1日の嫌なことはとりあえずぶっ飛ぶ。あれ?今日ってもしかして休みだったのでは?疲労とは?ってなるので実質労働した分の時間まで返ってくるといっても過言ではない(過言です)。話すだけで誰かの何かを軽く出来るなんて本当に素敵だな…すごいな…。

歌は曲によって、本当に同じ人が歌ってらっしゃいま…す…?と困惑するほどに声を自由自在に操って私たちの心をぐらぐらと揺さぶる。可愛い歌も格好いい歌も、落ち着いた曲も弾けた曲も、コロコロと表情の変わる歌声が「歌が好きだ」と言っているようでどの曲も莉犬くんにとって大事な曲なんだなあとしっかりと伝わる。何度聴いても毎回毎回新しい発見がある。これから先、どんな曲を歌ってもきっと全部自分の歌のように歌い上げてしまうんだろうなあ。自分のモノにしてしまう(まるでオリジナルのように聞こえる)程にメロディーを聴き込んでアレンジしたり、歌詞を読み込んで感情を乗せたり、それに合わせた台詞を組み込んだり…並大抵じゃない努力の上に成り立ったそれであることを忘れずこれからもオリジナル曲もうたってみたも1曲1曲大事にしたいし、伝えようとしていること全部全部汲み取りたい……。

曲の話が出たので、ここで私が一番大好きで、莉犬くんを好きな理由…と言うとまた少し違うけど。何だ…この曲に出会ったから少し未来が明るくなったというか。わたしが莉犬くんについて語る上で絶対に絶対に欠かせない曲を紹介…いや紹介でもないけどとりあえずいわせてほしい。ここからは少し不快な気持ちになる方もいらっしゃるかもしれないので自衛のほどよろしくお願いします。自分語りしちゃうと思うので。

今日 2020.05.24 0:00にMVが公開された、

「Since 1998.」

莉犬くん自身が歌詞を書き下ろした曲。アルバムをサブスクで落として流し聴きしていて、この曲になった時レポート書く手が止まったのを今でも覚えてる。
私は、莉犬くんと同じ所謂「セクシャルマイノリティ」と分類される人間だ。性自認、性的嗜好共に女性。高校生の時に自覚して、近しい友達にカミングアウトした時に「私達もそういうふうに見られちょったってこと?そう言うのは気持ち悪いかな〜…」「あ〜…そうなんや、じゃあもう遊べんね…あたしそういう趣味ないし」と言われた。性的嗜好の自覚と共に、自分が「普通」じゃないこと、莉犬くんの曲を借りるならこのセクシャリティ自体が「障がい」であることも同時に自覚した。怖かった、「普通」から外れることが。それでもひと握り、気にせずに付き合ってくれる友達がいたから私は多分あの時生きられたんだと思う。それくらいどうした、と笑ってくれた人がいたから生きられたんだと思う。それでも、周りに彼氏が出来て、結婚して出産していく中で自分が人と違うことに強い焦りと悲しみを覚えたのを今でも覚えている。この「普通」を私は手に入れられない、でもしあわせになりたかった。
成人式の日、母にも打ち明けた。私の手を強く強く握って「普通に産んであげれんくてごめんね、ママの育て方が悪いせいでそんなにしてしまってごめんね、お願いやけん普通に幸せになってほしい、普通に生きてほしい。きっとそんなの思い違いよ、考え直してお願い。」と泣いた母を今もまだ忘れられないし多分ずっと忘れることは出来ないと思う、小さい声で「そんなの気持ち悪い」と呟かれたことも。その日からずっと、親を泣かせてまで自分の性的嗜好を優先すべきなのか、自分が自分らしくあるためにそこまで人を傷つけていいものか、考え続けたけどよくわからなかった。結論、「普通」に生きれば人を傷つけることも、人に傷つけられることもないかあ…となったので自分らしくあることをやめた。SNS上ではせめて、と思っていたので完全に殺したわけじゃなかったけど。
そんな時に出会ったこの曲は、全ての歌詞がドンピシャで。苦しかったと同時に、これは不謹慎かなあとは思うんだけど、嬉しかった。私と同じような人がいることが嬉しかったし、こんな風に歌にして強く生きている人がいることが嬉しかった。誇らしかった。

歌詞の中の15年前の彼と同様、多分、私も誰かに助けてほしかった。その「助け」がこの曲だったように思う。
「障害は越えていくもの」それを抱えていることをハンデに思わなくていい、ハンデだとしてもそれがどうした!越えていけばいい!背中を強く押された気がした。
「上手く笑えなくていい」隠して普通を振る舞う必要はない、自分らしくあればいい。自分自身を肯定してくれた気がした。
私には莉犬くんのように自分が変わるしかない、と強く前を向くことは、誰かに何かを与えられるような人になるのは難しいかもしれない。けど、自分らしく生きてもいいんだ、と思えた。この曲に出会えてからは少しずつではあるけど、自分が自分であることを許せるようになったし、自分のセクシャリティを「間違いではない」と認められるようになった。本当に、この曲のおかげで生きていられるような気がしている。
実体験を元に曲を書くことはきっとすごく大変で、難しいことだと思う。特に、思い出したくない言葉や、誰にも言いたくない出来事だってきっとこの中には含まれているに違いなくて。それを全て曝け出してくれた事には感謝よりほか何もない。

きっとこの歌詞を書いた時も、自身の生い立ちを語った1年前の動画を撮影した時も、アップした時も、1年経ってそれを見返した今日も、まだ「強がって」進んでいる途中なんじゃないかな。こんなの、完全に自分の中でいい思い出になることなんてないと思うから。その「強がり」で隠した部分が、いつか自分の「強み」に変わるまで、彼を支えていきたい。支えるなんて烏滸がましいことは重々承知で…それでも支えていきたい。まだ出会って数ヶ月の私にもこんな風に思わせてくれる莉犬くんは、本当に本当に本当に人を惹きつける力のある人だからこれから先もっともっとたくさんの人に出会って愛されて支えられて、誰かの生きる理由になって行くんだろうな。その中できっと心無い言葉をかけられることもあるだろうけど、それをかき消すくらいずっとずっと、大きな声で、好きだよ、って伝えて行ければいいなあと思う。

いつかの配信で莉犬くんが私たちリスナーにくれた言葉、「自分の好きな生き方をすればいいんじゃないかなあ。君も君らしく生きればいいと思う。俺のことを好きでいてくれる人が俺のことを理解してくれようとそばに居てくれるからそれでいい。色んな意見はあるだろうけど、自分の信念は曲げずに生きていきます。みんながみんならしくいれる世界であればいいなあって思うよ。」これがきっと莉犬くんの真ん中の熱い部分だと思っていて、そこに触れさせてくれたことがとても嬉しかった。「おれが莉犬くんでいるうちはそんな世界に近づけるように頑張っていきたいと思います。」続けたその声は力強くて、本当にかっこよかった。
21歳の莉犬くんのことは数える程しか知らない私なので、22歳になった莉犬くんのことはたくさんたくさん知っていきたいなあと。5月24日の誕生花『ヘリオトロープ』花言葉は『献身的な愛』『夢中』『熱望』。どの花言葉も莉犬くんを表すような素敵な言葉だ。彼が私たちリスナーに与えてくれる『献身的な愛』を同じくらいの熱量で返したい。『夢中』で追う夢を、『熱望』する大きなステージを、一緒に叶えたい。

ひとりでワルツは踊れないから、誰かの手を取って、誰かに手を差し伸べて、今日も楽しく軽やかに笑って生きていてね。いつか、生まれてきてよかったってあなたの口から聴きたいから毎年伝えよう。

お誕生日おめでとう、うまれてきてくれて、君が君でいてくれて、ありがとう。

2020.05.24