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アクセシビリティやっていき活動報告2024

この記事は以下のアドベントカレンダーの12月11日の記事です。

株式会社ハタフルでフロントエンドエンジニアを、同社の運営するWebデザイナー養成スクール「ハタフルアカデミー」では講師を務めている yshimizu と申します。

今年は「何かをやっていく」というよりも、色んなイベントに顔を出す一年でした。

ちゃんとそれぞれレポート記事を書きたかったんですが、執筆が全然追い付いていないのでダイジェストで振り返っていきます。

ウェブアクセシビリティLT&交流会

ウェブアクセシビリティのDiscordサーバーに参加しているのですが、今年6月よりオンラインのLT&交流会が開かれるようになりました。ちょうど3日後の12月14日(土)に第5回が開催されます。
第1回に参加してみて、「せっかくだしLTやってみようかな」と第2回ではLT枠で出ました。

アクセシビリティの社内勉強会を開いて約4年。社員の入れ替わりはあれど、みんな私のアクセシビリティへの興味関心を温かく見守ってくれているのが不思議だったので、社内アンケートを取ってみることに。

結果的に新しく入社したメンバーもみんな肯定的でした。あとは「仕事としてどう取り入れていくか、やっていくか」が浸透すれば自信をもって「弊社、アクセシビリティ頑張ってます!」が言えるのかなと思います。

実際の発表資料は以下になります。

またどこかのタイミングで私(あるいは弊社)の取り組みとかが発表できたらいいですね。

アクセシビリティやるぞ!LT祭り ~ 名古屋出張編 ~

どのLTも良かったのですが、全部書いてるとここだけで1,000字を超えてしまうので(実際レポート記事を書きかけていたので間違いありません)、2つだけピックアップします。

アクセシビリティチェックを後回しにしないためのツールを作ってる
山本伶さま(@ymrl)/freee株式会社

チェック体制はおろか確認手順の整備もできていない弊社にとって、「Accessibility Visualizer」は結構いいツールなのでは?と思い、チームのみんなに紹介・拡張機能をインストールしてもらいました。

今のところ活用しているのはyshimizuだけかもしれませんが、「どうやってチェック方法を整えようかな……」と悩んでいた身としては、「これ起動して、ここを見ておけばいいから」と雑に言えば良くなったので気が楽になりました。次は雑に言えるように使い方や確認するべきポイントを整理していかなくちゃですね。

アクセシビリティとの出会いと最近の改善事例について
江崎宗瑠さま (@ex_SOUL)/株式会社SmartHR

個人的に一番じーんとしたLTです。

使いやすさを上げる じゃなかった
使えるようにするだった

アクセシビリティに関心を寄せて数年経ちますが、改めてガツンと心に来ました。

アクセシビリティはアクセシビリティを知るところから始まる

思い返せば、弊社のみんなもアカデミー事業で接する生徒さんも「アクセシビリティを知る→重要性や身近なアクセシビリティに気づく→自分も何かしようと考える、やれそうなことをやってみる」というステップを踏んでいます。

実装など技術的な面は相変わらず自信がない私ですが、アクセシビリティについての話をする・すぐに始められる小さな改善方法を提案することはアクションとして間違っていないんだなと勇気がもらえました。

アクセシビリティカンファレンス名古屋

これも全セッションの感想を書いていると1,000字を軽く超える(実際書きかけのレポート記事でも3セッション目の感想時点でそのぐらい行っている)ので、簡単に総括だけ。

どのセッションも情熱的で、「すごい、私も頑張ろう」という気持ちになりました。いろんな人が、いろんなプロダクトやサービスを通じてアクセシビリティに取り組んでいる。私自身が悩んでいる・感じている壁も、みんな同じように悩んで、ぶち当たって、乗り越えて先へ進んでいる。その事実だけで大きなパワーをもらえました。

また、先述のウェブアクセシビリティのDiscordサーバーでお話したことがある方や、LT&交流会に参加されていた方々と実際にお会いできたのも嬉しかったです。

アクセシビリティカンファレンス福岡 前夜祭

スポンサー含め全6本のLTがあり、どれも楽しく興味深くお話を聞いていました。「おっ」と思ったものをピックアップします。

ヌーラボ・ウェブサイト課の一年間の取り組みをふり返る
楠 欣士さま(@4noki10)/株式会社ヌーラボ

残念ながら私は昨年のアクセシビリティカンファレンス福岡2023には参加できていなかったのですが、そこから一年間でやってきた改善を紹介するという内容でした。

60件以上の改善を行ったというのもすごいのですが、3ヶ月ごとにレポートを公開しているのもすごいです。「ささいなことでも勇気をもって発信し続ける」という姿勢を大事にしているとのこと。

ほかにもイベント登壇や会社ブログの執筆など、精力的で素敵な活動をされていて「私も頑張ろう!」という気持ちになりました。ちょうど先日、弊社のクリエイティブチームでも「会社のブログで発信していきたいね」という話があがっていたので、定期的・継続的に何か報告できればと思います。

dandanさま(@idea_no_moto)/チャリチャリ株式会社 の発表

(発表タイトルやスライドが見つけられなかったので、見つかり次第追記します)

シェアサイクル「Charichari」のアプリデザインに関する発表でした。文字サイズ拡大で表示が崩れるのは、あるあるですね……。
貸し出す自転車そのものについても、小さな力でサドルの調節ができるレバーに切り替えているなど、Webに限らないアクセシビリティの話が興味深かったです。

個人的に一番考えさせられたのは「アクセシビリティを上げればサービスは向上するの? どこまでやればいいの?」というお悩みの部分でした。

自転車を貸し出すサービスなのに、自転車を運転できない人・運転させられない人をユーザーとして考慮しなくてはいけないのかという問いですね。
私としては「優先度は下がるだろうけれど、やるべきだろうなあ」と思ったのですが、ちょっとだけ納得してしまう部分もあり……。
モヤモヤとしていたところで、こちらのポストが流れてきました。

「そうだよな、そうだよね」と思い直すことができました。
今は同じ問いを投げかけられても自信をもって「やるべきです」と返せると思います。

アクセシビリティカンファレンス福岡2024

前夜祭で実行委員長のゆうてんさんが「ハンマーで殴られるような衝撃を受けてほしい」とおっしゃっていましたが、本当に……本当に衝撃的な一日でした。
どれも相互に作用していたというか、すべてを通してワンセットのセッションでした。これからアーカイブ見る方は順番に見ることを強くお勧めします。

とくに印象に残ったセッションをピックアップします。

障害は乗り越えられるべき課題なのか?
田中みゆきさま

恐らく全参加者が衝撃を受けたであろう、カンファレンス最初のセッションです。

いま見直しても結構胸に来ますね……。

そしてちょうど、前日の「アクセシビリティを上げればサービスは向上するの? どこまでやればいいの?」という問いに対する「やるべきです」というアンサーが確固たるものになりました。

グッサリと鋭く深く突き刺さったセッションでしたが、同時に「やっていくぞ」という気持ちを改めて確認できました。また、このセッションがあったからこそ、このあとのセッションも問題意識をもって聴けたと思います。

お恥ずかしながら著書「誰のためのアクセシビリティ?」は未読でして、合わせて読まねばな……と思っています。幸運なことに懇親会のくじが当たり、御本をお迎えしたので、この冬読んで社内にも共有したく思います。

選挙のアクセシビリティ
野田純生さま

カンファレンス最後のセッションで、終始楽しい雰囲気――だったのですが、田中さんのセッションを踏まえて聴いたことで、ちょくちょくみぞおちに重めの拳が入るようでした。

「読めないPDF」の読み上げを聞いて、会場では「あぁ……」という残念がる声が漏れ出ていたのですが、「ただのガッカリ」ではなく「当然あるべき権利が蔑ろにされている嘆きと憤り」の色も含まれていたと思います。

つぎはどうする

というわけで、たくさんの刺激を受けた一年でした。
次は当然、「還元と発信」に向けてアクションをしていきたく思います。

さすがに「来年(2025年)カンファレンスやります!」とかは難しいので(イベント主催のノウもハウもないですし)、まずは自分の手が届く範囲、社内や弊社スクール事業周りのコミュニティで小さく勉強会を開催しようと思います。
また、知識の裏付けをするという意味でも資格の取得に挑戦したく思います。DAAのBasicレベルとか。色彩検定UC級も気になってます。

「福島にもアクセシビリティやってるひと、いるよ! やれるよ!」「遠いところから福島までようこそ!」と言えたらいいですね。2~3年後ぐらいには実現したいものです。

それまでに県内~東北地方内で仲間が増えるよう、引き続きできる範囲でやっていき活動を続けていきます!
(県内~東北地方内で一緒にやっていきたい方、連絡ください!)

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