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ピーター・ラフナーの余白に 補遺

本稿はピーター・ラフナーの余白に(2)で少し触れたテリー・ハートマンについて分かったことがあったので、補遺として記しておきます。

テリー・ハートマンに関してはピーター・ラフナーのBOXSETの中の"Drunkard's Lament"と "Fat City Jive"の作曲クレジット(共にTerry Hartmanの曲)で初めて知った。


暫くして、Discogsを見ていたら『Notes On A Cocktail Napkin』という未知のアルバムが掲載されていて、それがテリー・ハートマンがベトナム戦争に
徴兵される前にピーター・タフナーと記念に小数部作成されたアルバムであることがわかった。YouTubeに1曲挙がっていた”Broken Wings”という曲が
瑞々しく良い曲だったのでtwitterに貼ってつぶやいたのが、2020年の9月4日。

そして、今年(2022)の1月20日にtwitterアカウントのPeter Laughner氏(中の人がだれかは不明)からテリー・ハートマンが去年(2021)の晩夏に癌で亡くなったと教えてくた。享年72歳。RIP

Handsome Productionsの記事のリンクhttp://www.handsomeproductions.com/terryhartman.htmでハートマンの活動履歴を漸く知った次第。それから個人的に『Notes On A Cocktail Napkin』を聴かせてもらう僥倖に与り、ハートマンについて何か書き残しておく必要を感じ、この記事の執筆?に至った次第です。

まずテリー・ハートマンの略歴を前掲Handsome Productionsの記事を参考に紹介してみます。生年は享年72歳ということなので1949年(かな?)、オハイオ州フェアビュー・パーク出身。緑豊かな郊外の寝室で愛用のギターを弾きながら、音楽に夢中になってのどかな青春時代を過ごし、ビートルズやブリティッシュ・インヴェイジョン、さらにはロックンロール以前の音楽まで聴きあさり、早くからフォークやカントリーブルース、そしてそのルーツに興味を抱いていた。幼なじみのダン・クック(Dan Cook)と一緒に、ラジオから流れるヒット曲を聴きながら、庭の小屋でギターを弾くのが日課だった、とのこと。
それから程なくして二人はフェアビューのウエストゲートモールにあるレコード店で働くピーター・ラフナーと出会い、本気で音楽をやることになり、徴兵前に『Notes On A Cocktail Napkin』を録るところまで友情を育む。ハートマンは帰国後もラフナーと音楽仲間、酒友としてつき合うも、ラフナーは夭逝してしまう。

その後、1977年にダン・クックとダンの弟クリスとともに、ハートマンはThe Backdoor Menを正式に立ち上げた。ハートマンとクックは全く違った作風だったが、100曲以上のオリジナル曲と選りすぐりのカヴァー曲をアレンジし、クリーブランドのさまざまな場所で演奏したという。他のバンドがThe Backdoor Menの曲をカヴァーするほど評判をよんだらしい。

1980年から81年にかけて、ギタリストのケビン・キーラー、マイク・ドシー、ドラマーのデイヴィッド・フリードマンとテリー・アンド・ザ・トルネードを結成。その後もNapoleon in Rags等のバンドで順調に活動を続けるも、息子のトニーが成長する過程でボーイスカウトの指導者となり、トニーと一緒に素晴らしい友達をつくり、充実した日々を送ったようだ。

そして昔の友人Frank Secichと組んだバンドがThe Deadbeat Poetsである。このバンドでハートマンのソングライターとしての才能が完全に開花した。

Frank Secichは近年再評価の高い70’sオハイオのパワー・ポップバンドBlue Ashのベーシスト、作曲家。後にStiv Batorsのバンドに参加することでDavid Quintonと共に記憶している人も多いでしょう。(傑作『Disconnected』の収録曲 Evil Boy、A Million Miles Away、Ready Any Time、The Last Year、I Wanna Forget You (Just The Way You Are)はFrank Secichの作曲)

それとFrank Secichはパワー・ポップファンなら周知のThe Infidelsにプロデュースとギター、曲提供で参加もしている人です。

The Infidels ”A Thousand Years Ago”(Frank Secich)


The Infidels ”Everywhere I Go”(Frank Secich)

さらにThe Deadbeat PoetsはThe InfidelsのPete Drivere(ギター)とJohn Koury(ドラムス)も参加しています。

ここでThe Deadbeat Poetsのメンバーそれぞれの作曲した曲を貼っておきます。()内が作曲者です。

The Deadbeat Poets "Johnny Sincere"(Frank Secich)

The Deadbeat Poets "Who's Hieronymus Bosch?(Terry Hartman)

The Deadbeat Poets "The Truth About Flying Saucers"(Terry Hartman)

The Deadbeat Poets "Lezbo Hotel"(Terry Hartman)

The Deadbeat Poets "Getting Over You"(Pete Drivere)

それから話が前後しますがテリー・ハートマンはデッド・ボーイズのJimmy ZeroとJohnny Blitzと組んでグレッグ・ショウのBOMP!の為に
7inch(「Man with the X-Ray Eyes」b/w「Down with the Lonely Boys」)の録音も行ったようですが、残念ながらお蔵入りになったようです。発掘祈ります。但し、後にDeadbeat Poetsのアルバムで同曲を披露してます。

The Deadbeat Poets "The Man with X-Ray Eyes"(Terry Hartman)

The Deadbeat Poets "Down with the Lonely Boys"(Terry Hartman)

長くなりましたが、テリー・ハートマンの活動遍歴はだいたい掴めたかと思います。

『Notes On A Cocktail Napkin』に関してはThe Handsome StoreからCDRで販売されてます。
そしてなんとTerry Hartman and The Backdoor Menの1979年のライヴ盤(CDR)もThe Handsome Storeから出てるようです。要チェック!
詳細はhttp://www.handsomeproductions.com/store.htm

『Notes On A Cocktail Napkin』には当時17歳のピーター・ラフナーが唄っている曲やテリー・ハートマンの素晴らしい曲、歌声が詰まってます。
ラフナーのファンは勿論、テキサスのVirgin Insanityが好きな方は嵌る筈です。是非聴いてみてください!

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