営業苦手な人ほど、教える技術を学べ

あなたは営業が得意ですか?それとも苦手ですか?

内閣官房日本経済再生総合事務局による「フリーランス実態調査結果(令和2年5月)」における、フリーランスの悩みNo.1は「収入が少ない、安定しない」だそうです。裏返せば、「営業が苦手で仕事を見つけられない」ということ。クラウドソーシングやクリエイター専門のスカウトサイトなどが花盛りの状況を見ても分かるように、クリエイターという人種は、営業が苦手な人が多いのです。デザイナーやイラストレーター、ライター、カメラマンなどクリエイターは、言って見れば職人。自分の仕事に誇りを持ち、黙々と仕事に取り組むのが好きな反面、どちらかというと人見知りで人付き合いも苦手な気質の持ち主。そんな職人気質も、営業スキルの低さにつながっている気がします。

私も御多分に洩れず、職人気質が強く営業経験などなかったため、フリーランスは無理!と考えていました。それなのになぜ?フリーランスになったかというと、語るもバカバカしい理由です。それは単純に社長になりたかったから!です。ねっ、くだらないでしょ!?


独立してからも相変わらず営業の仕方がわからない私は、どうすれば仕事をもらえるのか?営業マンの知人にやり方を聞いたり、セミナーに行ったり、本を何冊も読んだりして学びました。そして無謀にも、飛び込み営業に行ってみたり、いわゆる得意先周りをしてみたり、時にはメール営業をしてみたり、またランディングページを作ったりと、、まあ、あらゆる営業手法を試してみました。しかし、結局、全くといっていいほど成果も得られず、すぐに諦めてしまうを続けていました。

その結果、いよいよ営業=苦手という意識が自分の中にできあがっていきました。

典型的な営業苦手なフリーランスの私に、仕事がやってくるはずもありません。とうとう食えなくなってしまい、やむなくバイトをすることにしました。しかしすでに50歳を超えた私をデザイナー、まして編集者として雇ってくれる企業は皆無です。そこで不本意ながら(と言っては大変失礼なのですが)、講師業を始めました。なぜいきなり講師?と思われましたよね?実は、サラリーマン時代、後輩にデザインを教えたり、副業で企業の広報担当者にデザインを教えた経験から、教えるのは好きでした。バイトとはいえ、クリエイターとして企業に雇ってもらうのは難しい、ならば教える仕事をしてみよう、と考えたのです。そして先ずは、趣味で身につけた太極拳の教室を始めました。教える体験を積み、その後、シニアにスマホの操作を教える講師のバイトもはじめました。

最初は仕方なく始めた講師業ですが、教えているうちにどんどんおもしろくなっていきます。「どうしたら、もっとわかりやすく教えられるのか?」「どうしたら、もっと上達してもらえるのだろうか?」。日々、教える技術について考えていました。幸い、デザインができる私は、自然としゃべりをおぎなう図や表を使って説明ができました。その結果、わかりやすい講師と言われるようになり、行列ができる教室になったのです。もし今あなたが、パッとしないデザイナーやイラストレーターだとしたら、教える仕事はオススメです。

そしてある日、私は気づきます。「営業って要するに、相手の課題解決のために、私の商品やサービスをわかりやすく伝えることじゃないのか?」と。すると、今まであんなに苦手意識のあった営業が、一気に得意に変わったのです。

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