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「ヨーロッパ目打ち」を買う

これまでの革小物製作では、縫い穴に5㎜巾の菱目打ちを使っていた。
「ヨーロッパ目打ち」が存在することは知っていたけど、それほど興味もなかった。菱目打ちとの違いやメリットも知らなかったし、5㎜巾の菱目のピッチで満足していた。

その昔、蔵前の金物屋さんで購入。たしか1000円くらいだったと思う。
かれこれ5年くらい使ってる。(右の2つは2.5㎜巾。めったに使わない)
菱目打ち、5㎜巾を使った財布。

時々、縫い合わせている革が動いて、折角磨いたコバに僅かな段差が生じる、ということが起こる。これまではそんなに気になる部分ではなかったけど、ここ最近の中では傑作だと思えた試作も、見事にその罠に陥ったので、いよいよ何か間違えてるんじゃないかと考える。

コバの段差。最初の仕上がり時よりも動いている。

原因を考えた結果、縫い目のピッチが広すぎるのではないかと自分なりの考察。

てことで今よりピッチの小さい菱目打ちを新調するべく、インターネットで情報収集。調べていく中で、改めてヨーロッパ目打ちの仕上がりというものを知る。

HERMESの職人さんも御用達らしい。ケリーバッグが手縫いなのも驚き。
あと、目打ちは穴をあけるための道具ではないことは知らなかった。
なんなら菱錐の正しい使い方も知らなかったし、
もしかしたら道具を正しく使う仕事をしていないかもしれない。

とりあえず、ヨーロッパ目打ちめっちゃ良さそう。
裏地まで穴の大きさも均一だし、仕上がりも綺麗だし。ただ、これまで使ってた5㎜巾というのが中々見つからないなあ、大きいピッチでも3.85㎜とか3.38㎜とか。それは小さすぎるか?

思慮に耽った結果、僕が作る革小物はデザインの大きさに対して縫い目のピッチが大きいという判決を自ら下した。
さらに縫い糸に対して、今使っている菱目打ちは穴巾も大きすぎる。
と思った。多分そう、絶対そう。

軽い挫折感を味わいつつ、ヨーロッパ目打ちが自宅に届いた。

続きは後日に。


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