説得の技術をRPGっぽくしてみた 第四話【状態異常編】

この世界には、状態異常を引き起こす霧の様なものがたちこめ、渦巻いている…そのおぞましい霧の事を人々はこう呼び、恐れるようになった…その名は…

センニューカーン

勇者 はその原因を断ち切るために
立ち上がったのであった❗

人は皆それぞれの色眼鏡を通して世界を見ています。
客観的事実だけを見つめ、冷静に真実を見定め続けるということは不可能なのですが、この事を前提に世界を見るように心掛けないと、色眼鏡はより曇り、現実とはかけ離れた歪んだ世界を真実と信じてしまうのです。
それにより、他人との認識のずれや、心当たりのない不満を向けられたり、さらには疎外感などを感じ、影響力は低下し、上手くいかない不満から更に眼鏡が曇ってゆく…

こうして状態異常の病状は悪化していくのです

その危険を防ぐために、我々は人が陥りやすい状態異常を知り、それに蝕まれていないのかを逐一確認する必要があります。

自分は正しい

そう信じている人こそ気を付けなければならない状態異常の種類を、一つ一つ解説していこうと思います。

もう一度言いますが誰にも起こります、

無能、有能関係なしです
重要なのは逐一確認出来ているかどうか

状態異常の種類と病状を理解することは、自分のみならず、相手の病状も理解し、適切に説明、説得できるようになるでしょう。

状態異常が起こる原因として、人間に組み込まれた本能というものが大きく関わっているので、そのことを前提にこれから紹介する状態異常に対する理解を深めていってもらえればと思います

前提として

人は【考える】という本当の労働を避けるという性質がある…ということを覚えておきましょう

これには他の動物も同じで、例えば

七面鳥の親はひなの鳴き声がする

という一つの事実に基づき、それがヒナであるのかどうか認識します

例え天敵であるイタチの剥製から機械で鳴き声を鳴かせてみても親鳥はイタチを胸に抱き込むのです。

愚かに見えるでしょうか?しかしこの機能は

多くの場面では正常に作用する的確で迅速な対処

に繋がるのです。

現実世界は情報が多く、全てを考慮し、判断を下すだけの容量も時間もありません

なので、判断基準を信憑性の高い一つの要素に搾ることで、生存確率をあげていったのです

こういう思考の近道のことを

判断のヒューリスティック

と呼びます

これと相反するのが

コントロールされた反応

といい、これを持ち得たのが人間で、それにより、地上の支配者となりました。

そんな人間でも、目まぐるしく移り変わる情報過多の現代社会で、度々適切な判断をスピード感を持って求められる時代を向かえています…豊富な処理能力をもつ人の頭脳でさえ

思考の近道

を利用しなければいけなくなってしまってきているのです。

これが色眼鏡の正体で、人の持つ優先性の高い要素程真実であると錯覚しやすくなります。
多くの場面で正しくても、特定の場面では大きく間違えている…そのことによってあなたに対する評価や、信頼度は、大きく損なわれます。それを避けるため、紹介していく状態異常の数々を胸に刻み、生活していきましょう。

それでは一つずつ紹介していきましょう

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