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皮膚科専門医更新のために学会の抄録をとっておこう

デルマ侍です。皮膚科専門医試験を無事合格できて、専門医の資格を更新するときのお話。

こんな疑問を解決できればと思います。

合格したはいいけど、5年後の更新の時までに取っておく書類とかある?
専門医試験受験の時の書類準備大変だった・・・更新はどうなんだろう

合格したらすぐに更新にむけての準備も万端にしておきたい。

この記事では、これから本格的に更新の準備を始めていく方むけに、新制度での更新についてお話します。

それでは見ていきましょう。

あらかじめ長期スパンで準備しておいたほうがいいもの

先に結論

優先順位が高いもの

・学会報告の抄録コピー
・共通講習の受講証明書(あれば)

できれば

・筆頭論文コピー
・症例報告のための症例リストアップ(IDなどの記録)

見ていきます。

初めて更新するときは症例レポートがいる

皮膚科専門医の更新では、診療実績の証明が初回更新時必須 とされています。

またレポート書くのかよ・・・と億劫になりそうですが、

新制度での更新は2022年からなので、まだ書式は公開されていません。そんなに大変なものでないといいのですが・・・

学会HPからは以下。

5 年間に診療した症例について診療日、病名、検査、治療法、転帰、問題点、診療施設名、責任者氏名(印)などを記載した症例報告を 10 症例分提出する。入院、外来は問わないが、疾患名は偏らないよう配慮すること。皮膚科専門医研修カリキュラムに記載された 35 領域のうち複数の領域にわたる必要がある。

外来オンリーでもよいのですね。かつ、ここの文言だけを読み取れば、「疾患名は偏らないように」ですが、「年度を偏らないように」とは書いていません。更新の書類をだす年度に所属している勤務先での症例をどばーっと10症例書いてもいけるのではないでしょうか。更新でしくじった人は、今まで聞いたこともありません。更新で症例報告を求める理由は、落とす目的ではなく、「きちんと診療を継続しているかの確認」だと思うので、多少このあたりはゆるいと思いますね。さすがに。更新のために症例のリストアップをまめにしておく必要があるかどうか・・・必ずしも必要ではないと自分は思います。

皮膚科専門医研修カリキュラムの35領域ってなに

皮膚科専門医研修カリキュラムとは、専門医を目指すものが学ぶべき項目を一覧に提示しカリキュラムとして日本専門医機構の名のもとに発行されているものです。

(1) 湿疹・皮膚炎 (2) 紅皮症 (3) 蕁麻疹 (4) 痒疹 (5) 瘙痒症 (6) 薬疹
(7) 血管・リンパ管の疾患 (8) 紅斑症 (9) 角化症 (10) 炎症性角化症と膿疱症
(11) 水疱症(12) 膠原病および類症(13) 代謝異常症
(14) 軟部組織(皮下脂肪組織・筋肉)疾患 (15) 肉芽腫症
(16) 太陽光線による皮膚障害(17) 物理・化学的皮膚障害 (18) 皮膚潰瘍
(19) 褥瘡(20) 色素異常症(21) 母斑と母斑症(22) その他の遺伝性皮膚疾患
(23) 上皮性腫瘍・神経系腫瘍(24) 間葉系腫瘍(25) リンパ腫と類症
(26) メラノサイト系腫瘍(27) ウイルス感染症(28) 細菌感染症
(29) 真菌感染症(30) 抗酸菌感染症(31) 性感染症(STI)
(32) 動物性皮膚症・寄生虫症  (33) 付属器疾患(汗器官・脂腺・毛髪・爪)
(34) 粘膜疾患 (35) 全身疾患に伴う皮膚症状

学会認定の旧制度で出している、専門医試験受験申請のレポートよりは疾患も幅広いので、どうにかなりそうですね。

集める単位は50単位

図23

初回更新では、症例報告10症例=5単位が必須となってきます。

また専門医共通講習で最小3単位も必須なので、8単位は決められてしまい、

初回更新者は残り42単位を学会参加したり、論文を書いたりで集める必要があります。

専門医共通講習

3つは必ず5年間のうちに1単位以上受けないといけません。

医療安全(必修項目:5 年間に 1 単位以上) 
感染対策(必修項目:5 年間に 1 単位以上) 
医療倫理(必修項目:5 年間に 1 単位以上)

この講習は、皮膚科の総会、支部大会、または大学病院や総合病院の院内研修会でも実施されています。
皮膚科以外の場で参加した場合は、勤務先などからもらえる紙の「受講証明書」を更新の時に提出しないといけないので、捨てないよう、まとめておきます。
皮膚科の学会で受講した場合も、現地参加のときは聴講すればOKだったり、ウェブ参加の時は後日のイーラーニングでテストを受けないといけなかったりと、いろいろありますので、よく確認しておきます。

 学術業績・診療以外の活動実績

学会発表は 筆頭発表者:1 単位 共同発表者:1 単位 (2nd author に限る) 

で単位がとれます!専門医取得後に行った、1stと2ndの発表は、抄録をしっかりとっておきましょう(あとから日皮会誌JSTAGEでもとれますが)

論文作成は 筆頭著者:2単位  全共著者:1単位

で単位がとれます!論文のコピー提出が必要です。論文は直前でもおそらくさくっとコピーは手に入るかと思いますが、共著論文が多い先生や、学会聴講単位がぎりぎりになってしまう先生は漏れがないように、リストアップしておくといいですね。

学会発表の筆頭発表者と論文の筆頭著者としての取得単位は、最大20単位まで取得できる。

学会になかなか参加できない場合は、ここが稼ぎどころかもしれません。

残りの単位は、学会や地方会に参加して、単位を稼ぎます。今はWebで参加できるので、ありがたいですよね。

集めておく書類の再確認

優先順位が高いもの

・学会報告の抄録コピー
・共通講習の受講証明書(あれば)

学会報告の冊子は、にっぴかいしの抄録でも大丈夫ですが、できるなら原本が安心ですよね、自分もなんとなくそう思っています。捨ててしまうとなかなか取り戻せません。自分が発表したものや2ndのものはコピーをとっておきます。

院内での共通講習を受講した場合の受講証明書も捨てずに。こちらは再発行できません。

できれば

・筆頭論文コピー
・症例報告のための症例リストアップ(IDなどの記録)

できれば、にしたのは、論文のコピーは割と簡単に直前に集められるかと思ったので。開業医さんなど、勤務先によってはアクセスしづらい場合もあるかと思うのでその場合は掲載された時など、前もって集めておきます。

合格してから更新までの5年間の症例のリストもあった方がよさそうですが、更新の年度付近になんとかすれば耐えそうな気もします。

長期的に、初めから念頭において忘れないでおいた方がいいのは、発表の抄録と受講証明書くらいでよさそう。

おわりに

いかがでしたか。皮膚科専門医の更新について、イメージがわいてスッキリした方が一人でもいらっしゃれば嬉しいです。

更新は5年ごとに行われるのですが、

専門医試験を受験して合格した年度をX年とすると、専門医資格はこの年から有効なのですが、更新のカウントはX+1年4月からになります。

更新の書類を出すのはX+5年に書類を出して、

X+6年目の4月に更新となります。

わかりづらいので記事にしました。

noteの目次つくりました。

ブログもやっています〜

よろしくおねがいします。デルマ侍。

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