![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/12845755/rectangle_large_type_2_7a8558d35a0544bfa13bc4f20aff3b7e.jpeg?width=1200)
子供のじゅくじゅくが治らない❗
子供のジュクジュクした皮膚が治らない!と、この時期にはよく皮膚科に来られます。
このじゅくじゅくした皮膚。
本当に普通の擦り傷だったり、引っかき傷でしょうか??
まわりに広がり始めていたら、『とびひ』の可能性があります!
『とびひ』なら早めに医療機関で治療しましょう。
『とびひ』って何?
とびひは、正式名称は伝染性膿痂疹といいます。湿疹に合併していることも多いのですが、その場合は膿痂疹性湿疹ともいわれます。
黄色ブドウ球菌もしくは溶血性連鎖球菌(化膿性連鎖球菌ともいいます)が傷ついた皮膚についたことが、原因になります。
つまり、バイキンがついたことが原因なんですね。
ただ、このバイキン、皮膚の表面によくいる常在菌になります。おそらく健康な人だと何も起こさないのですが、免疫力が十分ではない人がかかると病原性が出てくるようです。(健康な人では皮膚の化膿性疾患を起こす程度で、重篤な症状は起こさないと記載されています。実際に、『とびひ』になる方は、10歳くらいまでのお子さんが非常に多くて、大人の方はあまりならないです。)
バイキンが原因なのですが、その中でも『とびひ』に関しては、このバイキンが産生する毒素が原因となります。
そう、この毒素 表皮剥奪毒素ETが原因なんです。この表皮剥奪毒素ETによって皮膚の表面が溶けて剥けるんです。なので、『とびひ』特有のジュクジュクした皮膚になっちゃうんです。
どんどん毒素がでると、どんどん皮膚が溶けて剥がされて、ジュクジュクして広がっていきます。
『とびひ』は何科にかかればいいの?
『とびひ』は一般的に子供がかかる病気になります。大人は絶対にかからないというわけではありませんが、絶対的に数が少ないです。
イメージで言うと、この時期(6月〜8月)は1日のうち、10人くらいは子供の『とびひ』をみます。大人の『とびひ』はこの時期(6月〜8月)でも月に数名いるかどうかです。
そのため、じゅくじゅくして治らない皮膚の『とびひ』を疑う場合は、子供なら小児科もしくは皮膚科、大人なら皮膚科をかかるのが良いと思います。
『とびひ』って感染るの?
はい!
感染ります!!
接触感染します。
『とびひ』の部分を触った手で、他の部分(特に傷がついた皮膚)を触るとかなり感染ります。
お子さんで多いのが、
『とびひ』を触った → 『あせも』を掻いた → 『あせも』も『とびひ』になる → 『あせも+とびひ』を掻く → さらに広がる
という感じです。
また、物を介しても感染ります。
口の周りの『とびひ』をタオルでふく → 他の兄弟もタオルを使う → 兄弟のタオルを使った部分に『とびひ』が感染る
という感じです。
『とびひ』を感染さないためには?
『とびひ』の菌は接触感染しますので、触らないこと、触れないようにすることが必要です。つまり、『とびひ』の部分を触れないようにガーゼなどで覆いましょう!
覆うと乾かないから治らないと思っておられる方もいます。が!、覆わなくても毒素で皮膚が溶けているので、乾きません!
覆うのは乾かすかどうかのためではなく、他の場所に移さない’’感染予防’’のためだと思っていただくと良いですよ。
さらに、皮膚の状態から
皮膚のバリアが壊れていると、かなり感染しやすいです。
そのため、バリアを壊さないこと!でしょう。
バリアが壊れている状態とは、『引っかき傷』『あせも』『アトピーの湿疹』『虫刺され』『擦り傷』『テープかぶれ』などで感染っているのをよくみます。
もともと、アトピーのある方は皮膚症状をよくしておきましょう!
虫に刺されても掻き壊さないように、掻いてしまうなら、絆創膏やパッチなどを貼っておくのも一つです。
『とびひ』の治療は?
『とびひ』はバイキンが原因で湿疹にできやすい病気です。
そのため、
・バイキンをやっつける治療 → 抗生物質の治療(飲み薬や塗り薬)
・湿疹や傷を治す治療 → 塗り薬の治療
が必要になります。
皮膚の症状が少なく、完全に覆えるような状態なら、塗り薬だけでも治りますが、広がり始めているときは塗るだけでは治らず、抗生物質の飲み薬が必要になります。
『とびひ』の時は、休まないとダメ??
水疱瘡やはしか、インフルエンザのように休まなくてはいけないわけではありません。
ただ、感染る病気のため、感染防御ができないと休まなくてはいけなくなります。つまり、『とびひ』の部分を’’覆えるか’’ ’’覆えないか’’です。
’’覆う’’ことができれば良いです。
’’覆えない’’時は、他のお子さんに感染させる可能性があるためにお休みが必要です。
水遊び、スイミングは、『とびひ』の部分を完全に覆うことができないため、感染の可能性があるために、見学となります。
『とびひ』でやらない方が良いことはある?
最近では、傷の治りを早くするためにキズパワーパッドを使用されている方がおられます。キズパワーパッドは、浸潤環境(しっとりとした環境)を与えることで傷を早く治す治療になります。実際に綺麗な(バイキンがついていない)傷は早く、綺麗に治るので、とっても良い治療だと思います。医療機関でも同じようなものを使用して治療しています。
ただ、欠点があります。傷を密封してしまうことです。密封してしまうと、傷の表面に好ましくない菌がいる時には、この菌が傷の表面で増えてしまい、外に出られないため皮膚の中でどんどん増殖することがあります。
そのため、『とびひ』が疑われるときはキズパワーパッドの使用はやめておく方が無難ですよ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?