問題１

問題: 乾癬の発症に関与する遺伝子マーカーはどれですか？

A. HLA-Cw6 B. ABO血液型 C. Rh因子 D. KIR遺伝子

正解: A. HLA-Cw6

• HLA-Cw6は、乾癬の発症に関与することが示されている遺伝子マーカーです。HLA (ヒト白血球抗原)は、免疫系が自己と非自己を識別するために重要な役割を果たす分子群の一部で、特定のHLA型が特定の疾患と関連していることが知られています。HLA-Cw6は、乾癬患者において一般人口に比べて有意に高頻度で見られ、乾癬の遺伝的素因としての関連が強いとされています。

選択肢の解説:

• ABO血液型: ABO血液型システムは、赤血球の表面に存在する糖タンパク質に基づいて血液を分類します。しかし、乾癬の発症とABO血液型の間には科学的に証明された直接的な関連はありません。

• Rh因子: Rh因子は、赤血球の表面に存在するもう一つの抗原で、人々をRh陽性またはRh陰性に分けます。Rh因子は主に妊娠時の母子間の血液の互換性に影響を及ぼすことが知られていますが、乾癬の発症とは関連がありません。

• KIR遺伝子: KIR遺伝子群は、ナチュラルキラー(NK)細胞の活動を調節し、主に感染防御や腫瘍監視に関与します。KIR遺伝子と乾癬の直接的な関連は確立されていませんが、免疫応答の調節に関わることから、遺伝的背景の一部として関与する可能性はあります。ただし、HLA-Cw6ほどの強い関連性は報告されていません。

乾癬の遺伝的要因として、HLA-Cw6の存在が最も強く関連していると認識されています。これは乾癬患者の中で特に高頻度で見られ、疾患の遺伝的素因としての重要な指標となっています。他の選択肢は乾癬の発症とは直接関連していないか、関連性が低いとされています。