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名古屋で一番早い「終電」と、国鉄の遺産を「フル活用」した鉄道を行く


三河豊田~新豊田・豊田市~猿投

三河豊田から
普通|高蔵寺
2110

例によって、仕事が早めにハネたので落穂拾いへ。

いつぞやかに乗った2000系

ふと気づいたのだが、今いる三河豊田と数駅先の新豊田とをごっちゃにしていたが、厳密には違うんだなと今更。
乗り込むと、昼下がりの列車らしく車内は空いていた。

「拳母」も考えてみれば難読地名だ

この「挙母」というのが、豊田市という市制を敷く前この辺りの地名(字名的なもの)らしい。

新豊田着。つい最近も立ち寄ったので既視感ばかりだ(笑)

15時18分、新豊田着。
車掌が交替したようだ。

豊田市から
普通|猿投
9106

先日の乗りつぶしの続きみたいになっている。
出張で立ち寄ったから出来たのだが、それほど期間を開けずに同じ駅にやってきており、我ながら何をやっているのだと苦笑する。

名鉄らしかぬ電車がやってきた

やってきたのは、新型っぽい電車だ。
名鉄車と言えば赤一色の車両ばかり、というイメージがある中でこの電車は黒のワンポイントが入ったフロントフェイスが特徴的で、

もう最近の鉄道では「当たり前」のようにあるLED表示器

車内にはこんなLED表示機器があるし、きっと最近入った新しい電車だと思う。
15時半、発車。
梅坪から豊田線とは分かれ、単線区間へ。

すれ違った電車は名鉄「そのもの」だ

越戸で知立行きと行き違い。
単線といっても、重軌条化されておりガッシリとした架線柱に囲まれているので、ローカル線のようなヘロヘロ感はない。

終点、猿投着

39分、猿投着。
猿を投げる・・・由来が気になる終着駅だ。

猿投~知立

猿投から
普通|知立
9106

終点にしては側線も多く、車両基地のような佇まいの猿投駅。
ちょっとマニア心をくすぐられる。

そのまま乗ってきた列車で知立へ

同じ列車に乗って折り返し。45分、発車。

「時代」を感じさせるポールがいい雰囲気だ

最初の停車駅・平戸橋。
年季の入った屋根ポールがそそられる。

豊田近郊はまさに「田園都市」だ

車窓は豊田市、とは言え民家はまばらで、稲田のキレイな長閑な風景が広がる。

豊田市着。豊田線の列車を待つ

55分、豊田市着。戻ってきた。
やはりここからの乗車が、これまでで一番多い。ちょっと長めに停まって16時、発車。
咄嗟のことで撮れなかったが、上挙母の駅舎はなかなか渋い感じだった。これは機会を設けて行かねば。

7分、土橋。猿投行きと行き違い。

古いと言われる三河線だが、新陳代謝は進んでいる

真新しい橋上駅舎だが、古くからのヤードもあって古い駅なのか新しい駅なのかが、俄には判別出来ない。

14分、若林着発。

高架化の柱が林立する若林駅

ここでも猿投行きと行き違う。
高架化工事か始まっており、長閑な雰囲気も一掃されそうだ。

知立の一つ手前、三河知立着。

三河知立。旧国名を付けた分「格上」という事か・・・?

…はて、次が終点の知立なのだがどう違うのだろうか。駅が真新しい感じなだけ?これも興味が湧く。

高架化工事真っ盛りの知立に到着

25分、終点の知立着。
三河線完乗を目指すなら、碧南方面に乗り継がなければならなかったが時間的なこともあって断念。
行きたかったが、別の機会とする。

知立~神宮前~大江

知立から
特急|岐阜
2305

まさに「知立要塞」だ

知立駅は改修工事で通路が迷路のようになっていた。重層化を目指した高架化も同時に進めており、既視感があると思ったら京浜急行の京急蒲田駅によく似ている。
京急蒲田もなかなかの要塞っぷりだったが、知立も完成した暁には「知立要塞」と呼ばれるだろう。

岐阜行き特急が到着

やってきた特急はMHを誇らしげな感じで入線。47分、発車。
「一部指定席の特急、岐阜行きです」
この「一部指定席」が耳に馴染まない。関西でも有料指定の車両をつなげた私鉄車両が出始めたが、まだまだな気がする。

ガラスの曇りがやや残念・・・

最前部を陣取ったが、スモークガラスのためか展望はあまり望めず…おまけにどういう加減が、曇っていてクリアには見えなかった。
豊明をあっという間に過ぎて

鳴海をさっそうと通過

55分。鳴海を通過。もう名古屋市内だ。
呼続、堀田と過ぎ

神宮前着。ホームが客でどっと溢れる

17時1分。神宮前着。
一駅だけの乗車とは言え、名鉄の特急は追い抜きが多い(乗車区間だけでも2回)ので速達感があって好きだ。

神宮前から
急行|河和
9661

車両を撮る間も無く、幕のみで誤魔化す(笑)

少し遅れて入線。
車内は浴衣姿の客が多数だ。近くで花火大会でもあるのだろうか。
4分、発車。

豊田本町、道徳と過ぎて

大江着。慌ただしかった・・・

あっという間に大江着。時刻は7分。
慌ただしい乗車記となった(笑)

大江~東名古屋港~大江

大江から
普通|東名古屋港
9107

目的としていた築港線に乗車。
「東名古屋港方面のりば」とある看板の下に改札機がある。ここで東名古屋港までの運賃精算もするようだ。

築港線の「終電」が滑り込んできた

大江の離れ小島のようなホームで少し待つと、10分頃に入線。その時の案内放送が
「築港線の東名古屋港行き、本日のの最終となりま〜す」
…危なかった。猿投からどこかでまったりしていたら今日は乗れなかったとところだ。しかし終電、あまりにも早すぎやしないか・・・?
あまりにも不安になって、通りかかった駅員に東名古屋港からの「終電」はどうなっているのかを聞いた
「この電車がそのまま折り返す訳ですが、その便が東名古屋港からの最終という事になります」
よかった。終点についたが大江に戻れない、という事態は避けられそうだ。

ガラガラなのは人の流れと逆行しているからか・・・

それにしてもガラガラだ。2両編成で客は僕を含め2人…JRのローカル線も真っ青な状況だ。
しかもここは紛うことなき名古屋市内で、まだ日も高いってのに「最終」ってのも大いにそそる。
20分。発車。

さっき乗ってきた常滑線から離れ、

倉庫街をゆっくりと走る

殺風景な倉庫や事業所が居並ぶ中を抜けて、

2分で終点。和田岬線より短い(笑)

22分、終点の東名古屋港着。
あまりに呆気なく着いて、少々面食らう(笑)

東名古屋港から
普通|大江
9207

猿投同様、乗ってきた列車で折り返す

さて、いろいろ撮りたいのだがこの列車が「終電」なので、乗り遅れたらそれこそ目も当てられない。時計を見ながらのカット撮影だ。
戻りも同じ電車だ。
行きは2人だったが、帰りは付近の事業所勤めの客が10数人ほど乗ってきた。
駅のベンチ近くには、こんな看板が掲げられていた。

究極の省人化だが、効率は確かに良い

なるほど、大江駅の通路にあった改札機は、そういうことだったのか。
「まもなく発車致します。本日の大江行き最終です」
そんなアナウンスを聞きながら26分、発車。

同じように工場、事業所が居並ぶ中をガタピシ走って、

往復4分のショートトリップが終わる

28分、大江着。
僅か数キロの乗車なのだが、無事に戻って来れた事にちょっと安堵する。

ここを通れば築港線の運賃が確定する、という事か

この改札で築港線の東名古屋港の入場記録を入れる、という事だ。
…そうだ、こういう感じの改札システムって雰囲気はJR和田岬線の兵庫駅や阪神武庫川線の武庫川駅に近いものがある。

名鉄築港線、おそらく利用は東名古屋港駅付近の事務所に勤める客向けに特化した路線なのだろう。
朝のうちは大江からの片輸送で、夕方は東名古屋港からの片輸送なのがこの路線の実態、といったところか。
17時台に「終電」というのも何も無茶な事を同社がしている訳ではなく、この時間を境に客が居なくなるから走らせるのも無駄、という事なのだろう。

大江~金山~高蔵寺

大江から
普通|金山
6401

目的は達成した。
ので、後は宿舎へ戻るだけだ。

また車両を撮れず、車内の妻面で・・・

とりあえず、常滑線ホームにいた普通列車に飛び乗る。
西日がまだまだ強く、クーラーは入ってるがあまり涼しくない。、恐るべし名古屋の夏…
道徳、豊田本町とパラパラ乗ってきて、神宮前でまとまって下車。終点が違いせいか、結構空いてきた。

金山着。列車は引き上げ線に向かって走り去る

42分、金山着。

金山から
普通|高蔵寺
モハ315-10

金山は名鉄駅がJR2路線(東海道・中央)に挟まれた感じで存在する。
だから乗り換え改札からだと、どちらへの乗り継ぎもラクだ。

315系も見慣れてきた

やってきたのは315系。この間乗ったばっかりだ。50分、発車。
車掌の案内の中で
「本日、先行します特急が遅れている関係で、この列車も3分ほど遅れて運行しております・・・」
個人的には3分程度であれば別に気にしないのだが、それでも謝らなければならないJRの立場は、なかなかに辛そうだ。

鶴舞、千種と名古屋市内を進むも乗車よりも降車が微妙に多いようで、次第に車内が空いてくる。

勝川。変わった構造をした駅で有名

庄内川を渡って名古屋市を脱出し、18時4分勝川着。
ポツポツと空席も出来てる。
春日井を過ぎると、高蔵寺はすぐ近づいてくる感じで、

終点、高蔵寺着

15分、終点の高蔵寺着。
列車はここで4分ほど待機したら、名古屋へ戻るようだ。

高蔵寺~三河豊田

高蔵寺から
普通|岡崎
2110
さて、本日最後の乗り継ぎだ、

最後の乗車列車は、やはり愛環の電車だ

何か見たことある車番だと思ったら、昼間に見た車両だった。
僕があちこち行っている間に、岡崎と高蔵寺を何往復したのだろうか…
23分、発車。

唐突に現れた片渡り線

高蔵寺の下り線から分かれた線路と合流して、スラブ軌道へ。
左側通行の原則から照らし合わせると、この分岐器まで「逆走」していた事になるのだが、一応ここまでが「高蔵寺駅構内」という事なのだろう。
庄内川を渡って長めのトンネルへ。
最初の停車駅、中水野着。

この「素気なさ」こそが「鉄建公団仕様」の魅力

この路線の大きな特徴が、ほぼ全ての駅が鉄建公団仕様のこの駅構内。
さながら鉄道模型で、こういう「都市駅」を何の飾り気もなしの「基本セット」で売っているものをそのまま置きました、という感じでももう少しウェザリングしそうなものだ。
が、この「素っ気無さ」もまた、さきほどから走ってきているスラブ軌道回りの「質実剛健さ」と同様に、鉄建公団仕様路線の「味」と言えよう。

瀬戸市も世が世なら、多治見へのジャンクション駅になっていた、かも・・・

30分。瀬戸市。
ここも、高蔵寺方面のみ副本線が作れそうなホーム屋根の構造になってて、将来の増設を見込んだ鉄建公団「らしい」雰囲気が漂っている。
後で調べると、この駅は予定としては多治見方面に分岐する支線(というか、ホントは岡崎~多治見を結ぶ鉄道が本来の計画らしいが)を発着させるために、こういう構造にしたとか。

複線化スペースが目立つ

なお、ここから新豊田まで単線区間となる。
単線区間とはいうものの、将来の複線化を見込んだスペースを確保している。
こういうスペース確保を「準備工事」という呼ぶのだが、こういう施工がなされるあたりに同社の前身である国鉄岡多線が、色々と「期待されていた」という事の証明になっているようで興味深い。
ちなみに先ほど乗った中央線で通り過ぎた勝川駅も、いかにも線路が将来敷かれるといった「準備工事」スペースが存在するが、この岡多線絡みで設けられているという事を付け加えておく。

軌道の「見本市」のような山口駅

山口で高蔵寺行きと行き違い。
それにしても列車交換の構内有効長が長い。「岡多線」時代に貨物列車の乗り入れを想定した、という事だが、その計画が国鉄分割民営化で潰えた後も「愛・地球博」のJR車乗り入れで活かされたのだから、計画時の準備工事に「救われた」と言える。
片側がスラブ軌道で、今走ってる線路が通常道床になってるあたりを見ても交換設備を増設しなければならないくらい、「岡多線」時代よりもこの路線の需要が高まっているという事なのだろう。

41分、八草着。ここからは乗り慣れた区間なので席へ移動。
瀬戸市から単線で、複線用のスペースがずっと続いているが、瀬戸口と八草では折り返し列車用の引き上げ線を複線化スペースに造っていて、準備工事の空間を上手く活用している。

貝津。いよいよ暮れてきた・・・

貝津。
同社では数少ない、一面一線のレイアウトだ。
「岡多線」時代は「幹線」として建設されたので、交換設備をほぼ各駅に持つという三セク化された国鉄線の中では、比較的設備面でのポテンシャルの高さが目立つ。
ゆえに貝津のような小駅は、同社の路線では珍しい方と言える。

新豊田着。あとひと息・・・

59分、新豊田着。
もうとっぶり日が暮れた。多少の客の入れ替えはあったがそれほど混んでいない。

三河豊田着。出発地に戻ってきた

19時5分、三河豊田着。
さて、同社の未乗区間は僅かになってきた。いつ乗りつぶそうか・・・
【令和6年8月10日乗車】

【完乗】名古屋鉄道 築港線

愛知環状鉄道 愛知環状鉄道線 高蔵寺~三河豊田 29.4km
名古屋鉄道 三河線 猿投~知立 21.3km
      名古屋本線 知立~金山 21.3km
      常滑線 神宮前~大江 3.8km
      築港線 大江~東名古屋港 1.5km
JR東海 中央本線 金山~高蔵寺 20.7km

小計 98.0km

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