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「木枯らし1号!」 そう呼ばれて、もうほとんど腰を浮かせていた小林一郎少年はパイプ椅子の上に尻餅をついた。
何が楽しいんやて聞いたら、雪が降ってる間だけ、小さい世界のなかに時間が流れてるみたいに見えるんが面白いんやて。
明石っ子レコードにアクセスできる条件は二つ。 一、明石市で生まれ育ったこと。 二、十五歳以下のこどもであること。
百年前、この村は蚕で食っとった。
短いお話を書く→そのお話に出てくるモチーフを使って次のお話を書く…という要領で十の小話をつなげた連作です。2020年の七夕ごろに書きました。
朝焼けが学校を連れてくる。 (2020年6月21日、犬と街灯 夏至朗読会のための書き下ろし)
美術館で働いてるというと人間の美術館やと思われがちだけど、僕が勤務してるのは鹿の美術館。あまり知られていないけど、そういうのもある。
しーちゃんのシャベルつこたら楽勝と思ったけど、泥が重おてきつかった。俺ら3人が交代で掘ってる間、ペテロは目えキラキラさせておとなしく仰向けに寝とった。
ほしたら俺らは、唸る。おたくらに向けて唸る。腹から、腰から、足の裏から唸り声を絞り出す。
桂川の野犬たちへ。
水色、朱色、黄緑と綺麗に塗り分けられた自慢のつま先のひとつだけがなくなってしまった仔牛の話。
土曜日、2番星、アポストロフィ
私が知っている春はこれだけ。 作・朗読 谷脇クリタ(でんぷん)
子供の頃住んでいたのはなんの変哲も無い地方都市の、ささやかながら庭付きの一軒家で、その庭で犬を飼っていた。