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「カスミの勝負」を考える

カスミの勝負の効果

コアなファンが多いこのカード。効果は以下の通り。

  • じゃんけんに勝ったら自分の手札を山札に戻して5枚ドロー

  • じゃんけんに負けたら相手の手札を山札に戻して5枚ドロー

つまり①自分の手札が少なく, 更に②相手の手札が多い状態で打てば勝っても負けても美味しいので期待値(カードパワー)が上がる。

意外とドロソとして悪くないことは以前述べたが, やはりクセが強いためにどんなデッキに投入しても強いカードではない。そこで今回はどんなデッキに投入したら良いか検討することを目的とする。

カスミの勝負を要素分解する

カスミの勝負はじゃんけんの結果に応じてドローソースにもハンデスカードにもなりうる。ここではデカルトのアドバイス「困難は分割せよ」に従い, カードの性質を以下の3つに分解し, それぞれを議論することにした。

  1. 【じゃんけん勝利時】自分の手札を5枚にする性質
    (ウツギはかせ的性質)

  2. 【じゃんけん勝利時】自分の今使わないカードを山札に戻す性質
    (ナツメの眼的性質)

  3. 【じゃんけん敗北時】相手の手札を5枚にする性質
    (にせオーキド的性質)

以下にそれぞれの性質をより詳しく検討していく。

【じゃんけん勝利時】

【性質①】自分の手札を5枚にする性質 (ウツギはかせ的性質)

じゃんけんに勝った場合, 現在の自分の手札を山札に戻して5枚ドローすることができる。つまり5枚しか引けない(かつトレーナー使用不能制限がない)ウツギはかせに似た挙動をする。

この効果を強く使うには手札をできるだけ少なくした状況で打つことが望ましい。例えば手札がカスミの勝負1枚の状況でじゃんけんに勝てば5枚もドローできる。この点を考慮すると手札が減りやすいデッキと相性が良いと言える(R団のサンダー・カスミウィニーなど)。

旧裏で5枚も引けるカードはかなり貴重であり, じゃんけんを考慮しても期待値で2.5枚は引ける。これが前回の記事でドロソとして意外と悪くない結果を与えた理由だろう。

【性質②】自分の今使わないカードを山札に戻す性質 (ナツメの眼的性質)

じゃんけんに勝った場合は現在の自分の手札を山札に戻して引きなおすため, オーキドからリソースを保護することができる。

この効果を強く使うには, 状況依存で使うカードが多いデッキで使うことが望ましい。つまりは2進化が多く更にサポート系のカードも多いデッキである(メガバナ・グドラ・わるクロなど)

【問題点】性質①と性質②とは矛盾する

…さてここで問題に気づく。性質①を強く使えるデッキと性質②を強く使えるデッキとは矛盾するのである。ではどちらの性質に重きを置くべきだろうか。

個人的には性質①を重視すべきと考えている。

性質②を強く使えるデッキというのは先にも述べたようにサポートカードおよび2進化が多いデッキである。こうしたデッキではカードを使用する順番が大事であるため, カスミの勝負で5枚ドローしても今のタイミングで欲しい有効札が来る確率は低い。それならば素直にマサキを投入して, 博士->マサキといった動きで手札を増やしていったほうが盤面に応じた必要なカードを手に入れやすい。

逆に性質①を強く使えるデッキでも切りたくないカード(廃品回収・ぎゃくしめいなど)はある程度入っているのが普通であるため, カスミの勝負のおかげでオーキドからこれらを保護できるという機会は結構ある(使ってみると実感できると思う)。

つまり, 性質②を強く使えるデッキでは性質①が腐ってしまうが, 性質①を強く使えるデッキでも性質②は腐りにくいため, 性質①が強いデッキで使ったほうがいいというのが私の論点である。

ではカスミの勝負を強く使えるデッキとは, どの程度性質①に寄っている必要があるのだろうか。この問いに明確な結論を出すのは困難だが,  個人的には「このデッキにマサキのメールを入れたらそれなりに嬉しいか?」という思考実験を行うようにしている。「マサキのメールがそこそこ機能する=性質①が強いデッキ」であるからだ(ただし, 逆にあまりにもマサキのメールが使いやすいデッキならば単純にマサキのメールを用いたほうがじゃんけんしなくて良いぶん強いだろう)。

【じゃんけん敗北時】

【性質③】相手の手札を5枚にする性質(にせオーキド的性質)

じゃんけんに負けた場合, 相手が手札をデッキに戻して5枚ドローする。したがって相手の手札が6枚以上であればハンデスカードとして働く。

個人的にはこの効果単体ではハンデスとしてあまり強くないと考えている。大抵のデッキでは25%以上ドロソが入っているため, 5枚も引かせたら大抵の場合ドロソにヒットするからだ。また, そもそも自分がカスミの勝負の5枚引く性質をドロソとして使おうとしている以上, 相手がそれをドロソとして使えてしまうのも至極当然である。

しかし, 自分は限りなく手札を減らした状態でカスミの勝負を打てるのに対し, 相手はこちらがカスミの勝負を打つ前に手札を減らせるとは限らない(拡張ゴーストのポルターガイストが強いことからもわかる)。そのためハンデス効果が役に立つ状況は確実に存在する。以下に具体例を考えてみたい。

相手が大量の手札を抱え込む系構築(大暴走 or 縦引き連打)

これは有名な使い方。これらのデッキは大量の手札を持つことを前提にして成り立っているため, 一度でもハンデス効果を発動させられれば大分優位に立てる。

立ち回り上の注意点としては, LOに注意しつつも積極的にデッキを圧縮していきたい。そうしないとカスミの勝負で勝ってしまった場合に再度カスミの勝負を引き込むまで時間がかかってしまい, ハンデス発動前に押し切られる危険性があるからである。

自分がマリガンした場合かつ先行

自分がマリガンして相手が2枚ドローした場合, 先行を取れればカスミの勝負を使うことでこれをチャラにできる可能性がある。

相手のデッキが2進化 + サポートカードを大量に搭載している

要は前述の性質①を強く使えないデッキである。これらのデッキでは手札を5枚持っていても役に立たない事が多い。主な標的はわるクロあたり。

自分のエネエネ後

エネエネ後は相手にサイドを取らせてしまうため, カスミの勝負が有効となりやすい。

(微妙)自分のエリカ後

エリカ後に好きなだけ展開した上でじゃんけんに負ければ, 相手のドローを帳消しにして自分だけ手札を増やすことができる。

ただしこの使い方の場合, うっかり勝ってしまうと相手に散々引かせてしまう。これを防ぐためにはエリカ前にカスミの勝負を極力打たずに温存し, デッキ内のカスミの勝負濃度を高く保つ必要がある。

ただし, 残りのデッキ枚数を仮に20枚まで圧縮したとしても, 3枚あるカスミの勝負を勝ってしまった場合の5枚ドローで引き込める確率は60%しかなく, 確実性に欠ける。

そのためエリカと併用するならばにせオーキドはかせあたりの確実に発動するハンデスカードを1枚入れておき, それが引けなかった時の保険として使うのが良いだろう。

カスミの勝負と相性が良いカード

ここではカスミの勝負と相性が良いカードを考えてみたい。

【良相性】

じゃんけん敗北時のリスクを軽減してくれるカード

カスミの勝負はじゃんけんに負けるとするとドローができないため, このリスクを軽減してくれるカードとは相性が良い。具体的にはまずはかせ2種が挙げられる。これらとカスミの勝負とを手札に抱え込んだ状態ならば, じゃんけんに負けても最悪はかせでドローすることが可能である。

じゃんけんに勝った場合は抱え込んだはかせが一旦デッキに帰るため, デッキ内のはかせ濃度を高く保ち, カスミの勝負と同時にはかせを引き込む確率を上げることができる。

また, マサキのメールもそれなりに相性が良い。はかせほど大量に引けるわけでは無いが, じゃんけん敗北時の保険として使えるカードのデッキ内濃度を上げることができる。また, カスミの勝負を強く使えるデッキ => 性質①が強いデッキ => マサキのメールも強く使えるデッキということで, デッキ全体との相性も悪くない場合が多いだろう。

じゃんけん勝利時のリスクを軽減してくれるカード

先にも述べたように, カスミの勝負のハンデス効果は微妙である。この微妙なハンデス効果を補助できるカードはカスミの勝負との相性が良い。

具体的にはロケット団のおねーさん・ミニスカート・ヨルノズクなどが挙げられる。これらを備えた状態ならば, カスミの勝負をローリスクで打つことができる。

もし勝ってしまったとしてもこれらのハンデスカードは山に帰るため, デッキ内ハンデスカードの濃度を高く保ち, カスミの勝負と同時に引き込める可能性を高く保つことができる。

手札が減らないサーチカード

カスミの勝負は5枚しかドローできないため, 5枚の中にポケモンカードと交換おじさんとが同時に来る確率はそれほど高くない。

従って礼儀作法・月の石・ボスのやり方と言った手札が減らないサーチカードとは相性が良い。

個人的には, カスミの勝負をマサキの代わりに投入するデッキでは交換おじさんを1枚減らし, 礼儀作法を1枚増やすようにしている。

【微妙相性】

ざっくり言うと「手札が多いほうが強い」カードとの相性は悪い。

マサキ

手札を増やす動きがカスミの勝負で手札を5枚にしてしまう動きと噛み合いにくい。また, 2枚ドローではじゃんけん敗北時の保険として使うにも頼りない。

ナツメの眼

カスミの勝負 => ナツメの眼と動くと4枚しか引き直せないため, 今欲しいカードが引ける確率は低い。カスミの勝負は手札枚数を5枚以上に増やす効果がないため, 相性は悪いと思われる。

ポケモン交換おじさん

手札が減らないサーチカードと相性が良いのだから, 手札が減るサーチカードであるポケモン交換おじさんとの相性はあまりよくない。

とはいえオーキドシステムではほぼ必須のカードなため, 通常のドロソ構成から枚数を減らしつつも何枚かは投入することになるだろう。

ポケモン育てやさん, カツラ, etc…

これらの「数枚の手札を必要とするカード」との相性はよろしくない。大人しくマサキを使おう。

カスミの勝負を有効に使えそうな構築

以上をまとめると, カスミの勝負のカードパワーを最大化するには

  • タネあるいは1進化軸で

  • ハンデスカードを投入可能で

  • コンボカードが少ないデッキ

がよろしいだろう。残念ながらまだ具体例は書けないが, いろいろなデッキを試しつつ随時追加していく予定。

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