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雨と雪と笹のかおり



朝、お日さまが顔を出す前に
しんとした冷たさの中、作業場のあたりを散歩しました。

夜に降った雨のおかげで
お山からは水蒸気が立ちのぼり いつにも増して緑が濃くみえます。
どこからともなく甘い香りがして、正体をたぐると笹でした。

わずかなお日さまの光をたよりにみる景色は、いつもより地面に近い気がします。

頭に冷たい粒が落ちてくるので、帰ろうとしたら雪だったので
そのまま、先日歩いた同じ道をたどります。

けもののかおり 鳥の鳴き声 川の静けさ 枯れたススキ。

作業場に戻って、紙と筆を手にとりました。
雨と雪は大きな違いがあると思っていたのに、気づかなかったのです。

久しぶりに筆を手にとりました。

作業場の片付けの中、土も紙もさわれていませんでした。

あらわれなかったら…と思ったけれど
あらわれました。

ただただ嬉しくて描きました。

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