【落語】両生類、爬虫類、と云う言葉は、いつ出来たのか?

まくら。
 鳥、は鳥類である。
 魚、大凡、魚類である。
 亀、大凡、カメである。
 両生類、爬虫類と云う概念が出来たのは、いつなのか?
 多分、明治時代だと思うんだけど、出典がネット上で見つからない。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1323829403

大昔の日本、漢字圏では、動物は6分類だったと云う。
人、獣、鳥、魚、介、虫、である。

今でも魚介、には、貝の他、エビ、蟹、ウニなどが含まれる
獣、は哺乳類である。人と獣を分けている以外は、現代の分類学と一致する。
鳥、は鳥類である。これも現代の分類学と一致するし、不一致になりようがない。
日本には、ややこしいのがいないから。
ややこしいの、とは、カモノハシとペンギン、である。
魚は、大方、魚類である。これは、ややこしいのが日本にいたから。
多分、ヤツメウナギは、魚類とされていたと思う。現在は、円口類。魚類とホヤの中間種。
タツノオトシゴは、江戸時代の人には、魚類だと見抜けなかった。甲殻類に分類されていたらしい。
逆に、トカゲにはウロコがあることから、魚類と合わせて鱗蟲とされていたと云う。ヘビもか?
カメは、甲羅があることから、甲殻類、貝類と混ぜられた。介蟲である。
また、カメは、亀とスッポンで分けられたと云う。
英語では、陸ガメとウミガメで分ける。トータスとタートルだ。
https://www.aquahermit.com/turtletortoise

忍者。
https://www.netflix.com/jp/title/81068803

あいつら、ヒレじやなくて手足があるので、タートルは亀の総称でOKである。
トータスは、リクガメ。
テラピンは両生カメだが、特に強調する以外には、英語圏でも使わないようだ。

トカゲ類、イモリ類は、日本では種類が少ないので、分類はされなかった様だ。
島嶼種はいるが、本州などではトカゲ2種、イモリ1種、である。他、ヤモリ。
トカゲの名は、分類学が進んでから、割り振りが変わったらしい。多分、明治期だろう。
イモリ。井守。学術的には、中国語経由の物も使われた。蠑螈。
ヤモリ。家守。
トカゲ。戸陰。本来はヤモリのこと。
カナヘビ。金蛇。本来は、メタリックなトカゲのことだと思われる。
上記がシフトして、カナヘビが茶色い奴。
トカゲがメタリックなやつ。に、なったらしい。
まあ、種類が少ないし、害にも益にもならないし、小さいので、余り気にされなかったらしい。
カエルは、どこからどう見ても、カエルである。古語は、カワズ。
爬虫類、両生類の概念のなかった頃、例外的な動物群で、総称はなかったみたいである。
https://kotobank.jp/word/亀鼈-475564

昔、カメとスッポンは分けられていたらしい。
総称は、亀鼈だったと云う。形が似ているし。
硬いのと、柔らかくて食べられるやつ。
エビは食べ物だったが、カニは食べ物ではなかった。
現在でも、食べられる蟹の種類は、少ない。
アレは北海道なので、実質、歩行ガニの食用種はズワイガニ類の1種である。
ただ、深海性なので江戸時代の漁法では捕れず、たまに混獲したものを地場消費したくらいだったらしい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ガザミ

ワタリガニは、江戸時代でも食用にしていたらしい。
上記記事では、大震災以降、漁獲が10tから500tになった、と書いてある。
何、食って増えたんだよ。
https://tabetainjya.com/archives/onomichi1/post_2771/

珍味の玉子ガニ(小ガニを揚げたやつ)は、イシガニである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/イシガニ

ワタリガニの近種。
イワガニとか、イソガニとか、そこらのカニを揚げたもの、ではない。
スベスベマンジュウガニが混ざっていたら、怖いがな。
いにしえの分類では、カニ、エビ、カメ、貝、タツノオトシゴ、は甲殻類である。
スッポンは、魚類だった説、もある様だ。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14240385119

日本のサンショウウオは、特殊である。
全種が、オオサンショウウオ以外の全てが古来サンショウウオ類で、世界中で日本に特異的に多種が分布する。
他種もアジア域に限定的に分布する。
https://en.wikipedia.org/wiki/Asiatic_salamander

英語では、アジアティックサラマンダーと呼ぶようだ。
カエルと同様、体外受精すると云う、世界でも特異な有尾類であるそうだ。
古語では、
 カエル。かわず。
 オオサンショウウオ。はんざき。
 サンショウウオ。はじかみうお。
 イモリ。井守。
で、あった様だ。
 オオサンショウウオは、仙石先生に拠れば、昭和18年(1943年)以降で、それまでは普通にハンザキと呼ばれていたと云う。
 その年の図鑑に、その名での記載があると云う。ジャイアントサラマンダーの逆輸入の直訳の、可能性があるらしい。
 ハコネサンショウウオも、別格である。確かに、見た目も異なる。
 別属とされた上に、各地のハコネサンショウウオが別種であることが判り、シコクハコネサンショウウオとかツクバハコネサンショウウオとか、ワケの分らない種名となっている。
https://www.fnn.jp/articles/-/695659

サンショウウオは、何故かわいいのか?
多分、トカゲと違って素早くなく、お手手やアンヨがかわいいから、であろう。
「指」は、ワンちゃん、ネコちゃんでは、かなり退化している。インコちゃんだと、人間に比べて異形すぎる。
https://askanydifference.com/ja/difference-between-salamander-and-lizard/#google_vignette

欧米の有尾類は体内受精でトカゲっぽく、しばしばトカゲとも混用される様だ。
イモリはヨーロッパに多く、現代サンショウウオはアメリカに多い。
https://curious-rabble.net/frozen2-new-charactor-salamander-bruni/

こいつは、サンショウウオじゃなくて、トカゲなのか?

オオサンショウウオと古来サンショウウオに分かれる。
 オオサンショウウオ。2属3種の内の1属2種。
  大陸大山椒魚。チュウゴクオオサンショウウオ。
  日本オオサンショウウオ。
 ヘルベンダー。2属3種の内の1属1種。
  アメリカオオサンショウウオ。
 アンドリアス。
  ヨーロッパオオサンショウウオなど絶滅種。この化石発掘をネタにした
  のが、SF小説の山椒魚戦争。
https://en.wikipedia.org/wiki/Andrias

ショウサンショウウオ。古来サンショウウオ。8属60種?。ハイノビ。日本で絶賛新種発見中。
 アジアに分布。特に日本に、地球上の全種の内の半数以上の種が生息する。
 多分、外国では未分類なだけ。DNA解析で、日本国内の別々の生息域で、別種と判明している。
 カエルと同じく、体外受精。有尾類なのに無尾類の様な繁殖をする。
 カエルと同じく、肺がある種が多い。肺のないハコネサンショウウオは属が異なる。
 逆に日本には、この種の山椒魚しか、いない。15cmクラス。胴径1cmクラス、と矮小種が多い。

ハイノビは、長崎出島商館から欧州に渡った、江戸時代の命名らしく、語源が判らないらしい。ギリシアの或る種の語で「鋤」を表すとか、「日の本」の意とか諸説あるらしい。「鋤」説だと、どうも鋤骨に着目したらしい。
能登の方では、ゆるキャラになっているし、Youtubeチャンネルも持っている。

https://en.wikipedia.org/wiki/Salamandridae

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8B%A4%E9%AA%A8

ホンイモリ。20属104種。真なるサラマンダー。
 旧大陸に分布。アメリカは2種くらい。
 基本的に、肺を持つが、水が好き。
 真なるサラマンダーと真なるイモリ。外国から見て、真じゃないサラマンダーとは、日本の山椒魚のこと。古来種。
 体外受精だが、放精ではない。種によるかも。精包。
 瞼がある種が多い。
 皮膚はザラザラっぽく、毒をもつものが多い。
https://en.wikipedia.org/wiki/Ambystomatidae


イモリサンショウウオ。1属32種。ドンクチサンショウウオ(鈍口山椒魚)。
                アンビストマ。
 北米に分布。
 成体は肺を持つ。
 以前の代表種は、トラフサンショウウオ。
 現在の代表種は、メキシコサンショウウオ。ウーパールーパー。
「鈍口」だが、本来はラテン語で「広口」としたかったらしい。頭部も平べったい。ウーパールーパーは口角も上がり、何、笑ろとるねん顔している。

https://en.wikipedia.org/wiki/Pacific_giant_salamander

チュウサンショウウオ。1属4種。ディカンプトドン。双剣曲歯山椒魚。
 北米に分布。
 オオサンショウウオとは遠縁、アンビストマと近種であるが、英語だとオオサンショウウオと同じくジャイアントサラマンダーになってしまう。が、せいぜい30cm程度。
 アイダホオオサンショウウオ。
 コープズオオサンショウウオ。
 カリフォルニアオオサンショウウオ。
 コースタルオオサンショウウオ(沿岸大山椒魚)。
 の4種。総称は、パシフィックオオサンショウウオ。太平洋大山椒魚。
 真の大山椒魚とは、ジャパニーズオオサンショウウオ、チャイニーズオオサンショウウオと、地名の接頭辞で分ける。
https://en.wikipedia.org/wiki/Torrent_salamander

ゴリンサンショウウオ。1属4種。リャコトリトン。渓流小型山椒魚。
 北米に分布する矮小種。
 肺はかなり退化し、水辺にしか住めない。
 英名はトレントサラマンダー。
 代表種はオリンピックサンショウウオ。地名由来。オリンピック半島に棲息。
 体外受精だが、イモリと同じく放精に拠らず、精包に拠る。
 カスケード トレント サンショウウオ( R. cascadae )
 コロンビア トレント サンショウウオ( R. kezeri )
 オリンピック トレント サンショウウオ( R. olympicus )
 ミナミトレントサンショウウオ( R. variegatus )
 の4種のみ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/オリンピック半島

当初、日本旧世代山椒魚の、オリンピック半島の隔離孤立種群じゃね?、と思われたが、新大陸新世代山椒魚が収斂進化して日本旧世代山椒魚に近い形態になったサンショウウオと判明したらしい。
リャコトリトンは、渓流トリトンの意味らしい。トリトンは、ギリシア神話のポセイドンの子供。リャコ(Rhyaco)は渓流昆虫の学名にも使われている様だ。

ムハイイモリ。450種以上。プレソドン。
 有尾類の主力だが、日本には分布しない。韓国にはいる。
 北米に多い。
 南米にも分布し、南米に産する唯一の有尾類。
 肺がないが、陸上生活に適応している。
 祖先は急流に棲み、肺で浮かんで流されない様に、肺を退化させ退行進化したものが、後に陸棲化し、皮膚呼吸と口腔呼吸で十分な代謝が行えるように更に進化したらしい。
 陸に産卵され、幼体が生まれ、幼生からの変態を経ない種が多い。
 南欧にも僅かな種が分布する。人類とは逆で、北米からベーリング地峡を渡り、韓国に残存種を残し、南欧に至ったらしい。韓国以外の経路途中の種は、絶滅したらしい。
 和名は、アメリカサンショウウオ、キノボリサンシヨウウオ、など。
 メキシコサンショウウオはウーパールーパーなので、メキシコのプレソドンはメキシココビトサンショウウオ。
名称は、肺がない、方ではなく、歯が多い、方に着目している。
https://zh.wikipedia.org/wiki/无肺螈科

ホライモリ。2属6種。気違い子犬。プロテイド。
 単に、鍾乳洞に棲む目が退化した種、ではなく、別の属。
 2属は、アメリカ産とバルカン産。
 ユーゴスラビアの鍾乳洞など。
ホラアナイモリ。オルム。
 代表種はヨーロッパ産のホライモリ。スロベニアの国両生類。って、ゆ~か、唯一種。各地、各洞窟で、亜種には分かれているかも知れない。
ホラフキイモリ。水神山椒魚。泥犬山椒魚。
 アメリカ産のネクトゥルスは洞穴に棲んでいる訳けではなく、ウォータードック、マッドパピー等と呼ばれてペット飼育される。
 ウーパールーパーは条件により成体になるが、ホライモリ類は生涯が水棲でエラを持つ。アホロートルは、ナワトル語で、水の犬、の意。
 プロテイドは、ギリシア神話の水神様、プロテウスから来ているらしい。
https://zh.wikipedia.org/wiki/洞螈科

https://en.wikipedia.org/wiki/Necturus

ネクトゥルスは、ギリシア神話の飲料、ネクトルから来ているらしい。ネクターの語源も同じ。

北米産の沼棲種は、アホロートルに対して、マヌケロートル、キチガイロートル、と呼ばれる。トカゲなのに水棲なのは気違いじみているため。(ウソです)。下記のように、お目目がある。欧州産オルムが余りにも著名なので、ホライモリが代表種となっている。

地下水種。
https://kotobank.jp/word/メクラサンショウウオ-167161

メクラサンショウウオ。
 テキサスに棲む。
 プレソドンの洞窟種。
 プレソドンだが、外鰓を持つ。テキサスの現地の井戸水に幼生が混じるので、周年繁殖し、絶滅危惧でもなさそう、と言われているらしい。
オルムと全く異なる別種。
https://en.wikipedia.org/wiki/Texas_blind_salamander

アナゴイモリ。1属3種。ヨツアシウナギサンショウウオ。アナゴヘビ。アンフューマ。
 北米の南東のみに分布。
 上記、テキサスメクラサンショウウオより上は、形状はトカゲ型だか、本種はハイギョに似る。
 地球上の生物で最大のDNA量を持つ。
 瞼はない。
 肺を持つ。水棲。だって、手足が短くて、歩けないんだもん。ウナギ程度にウネウネと陸を這いまわることは可能らしい。
 土中で夏眠する。って、ハイギョかよ。
 メスがトグロを巻いて卵を守る。
 ミツユビアンフューマ。
 フタユビアンフューマ。
 ヒトユビアンフューマ。
 の3種。
 語源は、両生類(Amphibian)とUMA、の複合語。
https://en.wikipedia.org/wiki/Amphibian

ではなくて、Salamanderとの複合語らしい。Amphiumander、の短縮形?
まあ、名前を付けるのが面倒なので、学名をそのまま使っている。ラテン語。
アナゴヘビ、は現地の口語の和訳。コンガースネークと呼ばれているらしい。
https://zh.wikipedia.org/wiki/两栖鲵属

https://en.wikipedia.org/wiki/Sirenidae

ウナギイモリ。2属6種。マエアシウナギサンショウウオ。サイレン。
 北米の東南からメキシコに分布。
 肺と外鰓の両方を持つ。
 右心室と左心室を持つ。両生類としては例外的。
 側線を持つ。
 瞼はない。
 植物性のものを食べることが出来る。
 干魃時、繭を作って仮眠する。ってハイギョかよ。
 体外受精で、オスの指定場所に産卵する。
 孵化後、オスが子育てをしている可能性があるが、未研究。
 アンフューマと同じく、トカゲ形ではなくハイギョ形。
 形態は似るが、アンヒューマとは相当な遠縁。どのくらい遠縁かと云えば、有尾目を離れてサイレン目を作っても良いくらい。
 サイレン、の語源は、ギリシア神話の精霊セイレーンの形態より。上半身が、人。警笛のサイレンの語源は、ギリシア神話の精霊セイレーンの鳴き声。
 肺があるので、サイレン語で喋る。
 ドワーフサイレン。
  サザンドワーフサイレン。
  ノーザンドワーフサイレン。
 ホンサイレン。
  レッサーサイレン。
  グレーターサイレン。
  アミメサイレン。(ヒョウウナギ)
  シーページサイレン。
  の6種。
https://zh.wikipedia.org/wiki/鰻螈科

本編。
 動物、は近世以前は、動き物、と呼ばれたらしい。生類、とも呼ばれた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/生類憐れみの令

 アニマル、の語源は、呼吸するもの。
 転じて、動物。動画はアニメーション。
 まあ、代表2種、鳥と獣。鳥獣、で陸棲動物を呼んでいた説、もある様だ。

オチ。
 鳥獣戯画。
 始まりは、ウサちゃんと、カエルくん。
 終わりのオチは、ヘビ。
 ウサちゃん以外、鳥獣じゃねぇ。
 両生類と爬虫類だ。
 両生類と爬虫類の概念は、当時はなかったが。

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