サンショウウオの分類と単語の違和感(1) 山椒魚は、誰なのか?

サンショウウオの単語の違和感は、単語が長い。近代の名称じゃね?
と、言うところだ。
5音節か、6音節。5音節は、サンショウオ。
普通、4音節くらいに収束するはずだ。
ガンダム、とか、ダイモス、とか。
アーマードトルーパー、とか、オービタルフレームとか、長すぎる。
って、複合語だから、しょうがない。

まず、サンショウウオは、誰なのか?
(1)オオサンショウウオ説。
 魯山人が、そう書いたから。
 調理中の、内臓臭、らしい。山椒風味は。
 肉は、スッポンに近いらしい。まあ、爬虫類、両生類、鳥類は、味が
 近い。
 文学作品の「山椒魚」は洋モノの山椒魚戦争も含めてオオサンショウウオ
 のことである。
 皮膚からの粘液説、もあるが、現代の監察員に拠れば、山椒とは明らかに
 違う、と云う。
 皮膚のイボイボが、山椒の樹皮に似る。
 中国語由来説。日本山椒と中国山椒は、異なる。中国山椒は、
 オオサンショウウオ粘液臭に近いかも知れないらしい。
(2)ハコネサンショウウオ説。
 箱根山椒魚料理は、なんか山椒風味がしそう。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/files/54969_48523.html

あんなに大きさが違うものに、同じ名前を付けるだろうか?
ジャイアントパンダと、レッサーパンダ以上に、大きさが違いすぎる。

今でも、混用している。

昔は、微妙。
だが、「ハンザキ」と言えば、間違うことなくオオサンショウウオのことである。
北大路魯山人や井伏鱒二の頃でも、オオサンショウウオのことを山椒魚、と呼称している。
仙石先生に拠れば、オオサンショウウオの初出は、昭和18年(1943年)の図鑑だそうだ。
英語のジャイアントサラマンダー、又は中国語の大鲵からの訳語かも知れない。
それ以前の図鑑は、「ハンザキ」だったと云う。
http://xto.be/life/name.htm

上の記事も、ジャイアントサラマンダーの語の逆輸入の和訳説を採る。

矮小種のサンショウウオは、中国語だと小鲵、である。総称が、山椒魚。

標準語がなくても、方言がある言葉、は存在する。
トンボの幼虫は、ヤゴ。これは日本中で、ヤゴ。語源はヤンマの子。
セミの幼虫を表す標準語は、ない。
標準語はないが、方言は存在する。しかも物凄い数。ジゼミとか、セミウマ、とか。

サンショウウオを示す方言の内、東日本方言は、矮小種サンショウウオを示す言葉だろう。オオサンショウウオは中部以西にしかいないから。

まず、ハコネサンショウウオを食べる会津の、会津弁。
どうも方言が、ないらしい。
ハコネサンショウウオを捕まえる罠を、サンショウヅウ、と呼ぶと云う記事があった。山椒通、山椒筒、山椒洞、だろう。
サンショウウオは、山椒、と呼ばれていた様だ。植物の山椒と分けるときは、山椒魚。

東京方言。
トウキョウサンショウウオは、地元ではヤマカジ、と呼ばれていたと云う。山鰍。
確かに、カジカ、ハゼに顔が似ている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/トウキョウサンショウウオ

岩手方言。
トウホクサンショウウオは、サンショカジカ、と呼ばれていた。山椒鰍。
https://ja.wikipedia.org/wiki/トウホクサンショウウオ

田上方言。
クロサンショウウオは、センガムシ、と呼ばれていた。川河虫?
https://www.weblio.jp/content/せんがむし

http://home.n00.itscom.net/hasegawa/sa-so.htm

秋田方言。
クロサンショウウオは、ウンナンソウ、と呼ばれていた。鰻ん様う?
鰻説の他、畝(峰)説もある。畝ん精? 或いは、畝ん椒?

奈良方言。
カスミサンショウウオは、はたけどじょう。畑泥鰌。それ、イモリちゃうか?
まあ、イモリより、サンショウウオの成体の方が陸上生活をするし、確かにサンショウウオかも知れない。

滋賀方言。
カスミサンショウウオは、やぶどじょう。藪泥鰌。

壱岐方言。
イキサンショウウオ(ツシマサンショウウオ?)は、トコトコ、と呼ばれていた。

青森方言。
トウホクサンショウウオは、サンソカジカと呼ばれていた。山草鰍? 
山椒鰍?

山形方言。
たくさんある。あそこは、庄内平野、新庄盆地、村山盆地、置賜盆地、で分かれるから。
 さんしょうかじか。山椒鰍。
 いわいもり。岩イモリ。
 さわいもり。沢イモリ。
 おかいもり。陸イモリ。
 せんがんにょ。川岩魚?
 せがんにょ。瀬岸魚?
 せんがんむし。川岩虫?
 へがよ。辺が妖?

アイヌ語。
 エゾサンショウウオは、ホマルラと呼ばれていた。意味は卵塊輸送者。
 美幌アイヌ。
 又はチポンルラム。 
 部族により、異なる。
 フマルラプ。穂別アイヌ。意味は卵塊輸送者。
 オチウチェッポ。千歳アイヌ、幌別アイヌ。意味は交尾する魚っぽ。
 エゾサンショウウオは、体外受精のハズなんだが。   
https://ainugo.nam.go.jp/siror/dictionary/detail_sp.php?book_id=A0430

ここは、壱岐方言と奈良滋賀方言を採用して、トコトコドジョウ、で良いのではないか?

次、オオサンショウウオ。
https://tetsudokyogikai.net/private/konan

大鰐、はオオサンショウウオ説があると云う。
いや、青森にオオサンショウウオ、いないやろ。

他、アンコウ、とも呼ばれていた。
矮小種サンショウウオが、カジカ。オオサンショウウオが、アンコウ。
はじかみ、は山椒のことなので、はじかみ、は矮小種のことには限らない様だ。

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