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[奇談綴り]寺社巡りにも危険があるかもしれない話

少し前、長年行こうかどうか悩んでいたお寺にバス旅行を使って行ってきた。
なんで寺に行くのを悩むかというと、私の側にちょっとした事情があった。
それは古い友人由来で、非情に恐ろしい暗喩に満ちた夢の話と関連している。その夢に私が登場していたということで、もしかするとその寺社由来の良くないものにロックオンされているのではないかと考えたのだ。
我ながらわかりにくい説明だけど、細かいことが明らかにできない話なのでしょうがない。
古い友人に何かが起きたわけではないが、周辺に気持ちの悪い話があったために「危うきには近寄らずの方がいいな」と考えて旅行先から意図的に外していたのである。

さて、お寺にはごく普通に参拝できた。
少し普通ではなかったのは、秘仏の公開期間中であり、なおかつ全国から同じ宗派のなかの選りすぐりのお坊様が集まる日であった、ということだ。
イベントのせいで人が多すぎて秘仏は観られなかったが、同行した友人は「むしろレアでラッキー!」と喜んでいたし、100人以上のお坊様が一斉に唱える般若心経はとても荘厳だった。

ごく普通に参拝できたので、今度はもっとゆっくり行くのも良いなと思ったのだが、実は私の知らない所で異変が起きていた。
同行した友人が帰宅後に体調を崩していたのである。

後日別件で集まったときに「そういえば」と教えてもらったのだが、実は途中からなんとなくお腹の調子がよくなかったのだそうだ。
参拝中はそれでも何とかなったのだが、帰宅すると同時に悪化してトイレに駆け込んでしばらく動けなかったらしい。
翌日には良くなったそうなのだが、何が原因だったんだろうね、と不思議がっていた。

当日はお腹が下るような食べ物は食べていないし、そもそも私も同じものを食べている。私は全く平気だった。
「疲れたか、まさかお経が濃すぎたのかな?」と原因を探ってみたのだが、全くわからない。
原因がわからない以上、行く度に体調不良になっては困るので、そのお寺に行くときは友人は誘わないことに決まった。

その後、ホラーコミックで「守りの弱い人に影響が出ていた」という話を読んで、ふと思いついた。
もしや、私が弾いたものが影響していたのでは?

だいぶ時間がたったとはいえ、ガッチリロックオンされていたことに変わりはない。私自身は問題が起きたらしい当時から全く負ける気はしていないが、同行の友人は違う。

疑い始めるとどんどん色々つながってしまう。
なぜ「たまたま」「全国からお坊さんが集まる日」のツアーになったのか。なぜ秘仏が観られなかったのか。
実は最初から細かいトラブルがあったことも思い出す。滅多にない特別な日なのに、なんとツアーの会社が把握しておらず、渋滞がひどくて到着時間が大幅に遅れた。
境内に入るなりスズメバチが周囲を飛び回り、襲われはしなかったが、それなりの時間まとわりついて離れなかったので、ちょっとした騒ぎになった。
そしていつもなら待てば普通に買えるはずの特別なお守りも、一旦断られた。これはあとで奇跡的に買えたのだけれど。

まあ、関係ない事を繋げていかにも「何かあった」ように考えてしまうのは陰謀論に染まった人間の思考だそうなので、そういう意味でちょっとヤバいとは思う。
だけど、この場合は出発点ががっつりオカルトである。
友人は私と別れて帰宅してから急激に具合が悪化したのだ。私がなにか良くないものを弾き飛ばしており、一緒にいる間はそれでも守りが効いていたのが、離れることによって影響が大きくなった、とも考えられてしまう。

問題なく参拝できたと考えていたが、諸々考えるとあまり近寄らないほうが良いような気がした。
多分行っても特に何も起きないとは思うのだが、自身の体調が崩れるならまだしも、友人に影響が出るのはいただけない。
オカルト絡みなので真相は闇の中なのだが、もし今後行くことがあったら、一人で行って確認したほうがよさそうだ。

寺社巡りも意外と怖い部分があるんだな、と思った次第である。

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