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大山阿夫利神社に行ってきました

ゴールデン・ウィークに大山阿夫利神社に行ってきました。
下社にあるカフェを「天空のカフェ」といってテレビで紹介していたので、ぜひ行きたかったのです。
調べたところでは伊勢原市駅前からかなり頻繁にバスが出ている様子。
と、いうことで、友人と一緒にロマンスカーに乗って行ってきました。

行きのロマンスカーはだいぶん空きがありましたが、伊勢原市駅前に降りて大山阿夫利神社行きのバスを探すと、すでに行列ができていました。案内の人も複数張り付いています。
ゴールデン・ウィークはダイヤに関係なく輸送してくれるらしく、ほどなくバスが来ました。
バスでは落語家さんのナレーションが流れて、「大山参り」という噺まで演っていただけました。いままでに聞いたことのないサービスで、驚きながらも楽しく過ごしました。

さて、私も友人も登山は超絶初心者で体力もありません。なので終点で降りた後は大人しくケーブルカーに向かいます。
バスに乗っていた人がほとんどケーブルカーに向かうので、かなりの人数での移動になりました。ケーブルカーもこの日は臨時便が出るそうで、それほど待つことなく出発しました。

と、いうわけで、下社にはあまり疲れる事なく到着しました。参拝して御朱印を購入したらお目当ての天空のカフェ、「茶寮 石尊」に向かいます。
絶景のテラス席には座れませんでしたが、奥のほうの席に座ることができて、伊勢原特産をつかったティラミスとジュースで休憩しました。
ここでの休憩と栄養補給に感謝することになるとは、この時は予想もしていませんでした。


天空のカフェ入り口
季節のティラミスと青みかんジュース

参拝客の半分ほどが海外の方で、ガチの登山装備の方が多くいました。
実は友人も登山装備で来ていて、私は下社でカフェを楽しんだら帰ろうと思っていたのですが、本社まで行こうと誘われました。
初心者向きで90分だから大丈夫じゃないかな、というのが友人の話で、看板で確認したところでは見晴台コースなら行けそうかな、ということで、本社まで行くことを決定しました。

これが大誤算で、この後地獄を見ることになるとは私も友人も全く気づいていなかったのです…。

コース説明がまったくなかったので途中から分岐するのかな、と勘違いした私達は、勾配のキツいコースを選んでしまいました。
まず最初の階段がヤバいです。急な上にものすごく数があります。
この時点ではそれなりに人数も固まっていたので自分のペースで進むこともできず、足と息に限界を感じながらなんとか階段が終わるあたりまで登りきりました。
その上はいわゆるガレ場というような岩がゴロゴロしたコースが延々と続きます。このあたりから進み方に差が出るので、ちょいちょい避けて休憩しながら登るのですが、キツいにもほどがありました。
鎖場は無いものの、傾斜が急すぎてよじ登るといったほうがふさわしいような道が延々と続きます。
登山道には「三丁目」のように道標が立っているのですが、それがどこまであるのかも把握できていません。周囲の雑談から「二十丁目ぐらい」という情報を得て、それを目標に無心で進みました。

写真ACさんにあった登山道の素材。ずっとこんな感じだし画像でみるより急。

登山初心者がうっかり軽装で登っているので全く余裕がありません。ちょっと気が緩んだら転げ落ちて怪我をしそうなルートが続きます。三峯神社奥宮ぐらいかなと思ってたんですがとんでもない。

キ・ツ・い

「子どもも登ってるから!」
「いや、子どもは意外と筋力あるし、重力の影響が少ないからむしろ平気なんだよ!!なにこれ!もう無理!!!」

下社だけのつもりだったので飲み水も心もとない上に、ガンガンエネルギーが減っていきます。カフェでティラミスを食べていなければ、低血糖で動けなくなっていたかもしれません。
かろうじて持っていた飴玉をかじりながら必死で登ります。

富士見台からの眺め

途中の富士見台からは雄大な富士山がみられたのでコースとしてはとてもいいコースなのですが体力も装備もない素人(一応山を歩けるスニーカーで歩きやすい格好はしてた)なので、とにかく休憩が必要です。
知ってたら麓で棒を買ったのに…完全に油断しました。

しかもですね。結局三十六丁目までありました。
二十丁目あたりでまだ半分ぐらいと知った時の絶望感…いや、調査不足&装備不足な自分たちが悪いんですけどね。
今更戻ることも難しくて、半泣きで頂上を目指しました。

大山阿夫利神社 本社前

登り始めて約2時間、脚が役に立たなくなる直前ぐらいでやっと頂上に着きました。
なんと! 茶店があってお蕎麦まで食べられる!
装備不足で水も切れてるし食料もお菓子程度しかなかったし、何より脚が限界だったのでお蕎麦と稲荷寿司を掻き込みました。生き返る!!
蕎麦もだけどお稲荷さんおいしい!!!!
こんな場所でお蕎麦550円とか大丈夫なの…?! いやペットボトルが400円でなるほどの値段だったけど、食べ物安くない?
祭りの屋台の方が高いよ!!

茶店は平日はやっていないそうです。
人の多い週末と祝日だけ営業していて、この日は焼きそば・たこ焼き・フランクフルトもありました。
休憩スペースが広く取られていて、自分で持ってきた装備でお湯を沸かしたりなにか焼いている方々もいました。
そうだよね…完全に登山だよね…。
しかも初級じゃないよねコレ…中級レベルじゃん……。

いつまでも休憩したかったのですが、この時点で13時。バスの最終が17時ということはあまり余裕がありません。
何より登山は下山の方が危ないのです。おみくじで出た大吉と「かえる」を握りしめ、気力を振り絞って下山に移りました。

無理。マジ無理。

息切れは減りましたが脚の踏ん張りが効きません。限界です。ほぼ全体的にガレ場と言っていい道路なので、上りよりもさらに足元に気をつけないと転げ落ちるのは確実です。
バスの時間は気になりましたがここで大怪我をしたら目も当てられません。友人と互いに声を掛け合いつつ、ゆっくりゆっくり降ります。

1/3ほど降りたところで、救急隊の方と首にギプスをしてあちこちに包帯を巻いた方に出会いました。首にギプスということは自力下山は難しそうです。
どうするんだろうね、と話しながら降りていたらヘリが飛んできてホバリングを始めました。さらに十数人、登っていく救急隊の方ともすれ違いました。
その後下山で追い越されたので、けが人の方はヘリで搬送になったのだと思います。下から見上げたヘリはまだだいぶ高い位置にいたので、救助される方も怖かったでしょうね…。

救助隊の方に追い越されたのはかなり下社が近くなってからでした。
まだ午後3時頃なのにすーっと暗くなってきており、なるほど山って怖いなと思いました。
そのタイミングでたどり着いた九丁目でお年寄りから「ここってまだだいぶ下ですよね?何丁目までありますか」と聞かれたので「1/4ぐらいですね。三十六丁目まであります!」と答えると、夫らしい方は「言ったとおりだろ?」とげんなりした感じで奥様を説得にかかりました。奥様はまだ納得できなさそうでしたが…。
全く余裕がなかったので結果を聞かずにそのまま下山したのですが、あの時間から登った降りられなくなると思うので、そのまま帰ったと信じたいです。
九丁目ならまだ楽に降りられますからね…。

下社前からの眺め

というわけで、疲れで呆然としながらなんとか15時すぎに下山し、ロマンスカーはもう満席だったので電車を乗り継いで東京に帰りました。
友人は疲れすぎて食事も無理だということで、それぞれ弁当を買って帰りました。
その後数日、とんでもない筋肉痛に苦しめられたわけですが、何事もなく下山できただけで御の字ですね…。

準備不足&調査不足でとんでもない苦労をしたわけですが、事故が起きてもおかしくない暴挙だったと反省しています。
まあ軽装とはいうものの一応山歩きが出来るレベルだったし似たような服装の人も多く、体力さえあればなんとかなるコースではあるのかな、という印象でした。
頂上にはトイレもありましたしね。

私達はうっかり本社まで行ったわけですが、下社まででも十分楽しめるし、絶景でした。
下社周辺で名物の豆腐料理など食べながらのんびりするのもいいと思います。特に天空のカフェのテラス席は絶景だったので、機会があったらまた行きたいと思いました。

眺めはよかったんですよ。眺めはね。

今度は絶対にストックは持っていこうと思います。
いやもう本社はいいかな…下の売店わきから登れるらしい見晴台コースを途中リタイア込みで試すなら登ってもいいかもしれない。

反省の多い大山阿夫利神社参拝となりました。

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