ニッチ製品の開発経験3年経験者 実は技術営業職でニーズがあります
大学を出て業界大手のメーカーに入社。
あなたはある機械設備の中にある部品、それを構成している小さな部品の開発を担当しています。
そんなニッチな仕事をしていて、将来もその仕事が存在しているか不安なあなたへ。
あなたの現在の主な仕事内容は2つ。
・製品をつくるための新規冶具を子会社生産ラインで製造上問題ないかテストするため、新規冶具製作業者と子会社の日程調整。
・量産製品にひび割れ発生。製品の強度をCAE解析してベストな条件を導き出した後、アルミの成形金型業者の納期・コストや生産ラインの対応スケジュール、客先納期などの調整。
そしてあなたは現在こんな風に考えていると思います。
うーん。
イメージと違う。
なんか資料まとめと社内外調整ばかり。
そもそも世の中の誰にも存在を知られていないこの部品は5年後に存在するのか…。
こんな製品の担当をしていても他の企業で活きてくる技術的な知識なんて何もないぞ…。
今の自分には所詮大学で学んだ程度の知識しかない…。
この先どうすればいいのか…。
改めてお伝えします。
なんの問題もないです。転職出来ます。
僕もそうでした。
僕もニッチな製品開発の担当で、工学的な知識経験に関しても社会に出てから得てはいませんでした。
今後この仕事は続くのかどうか。
とても不安でした。
ですが僕は転職に成功しています。
しかもキャリアアップ転職です。
では経験者の僕からあなたに対して、転職について助言します。
あなたの武器は「社内外折衝経験」です
折衝って何?と思うかと思います。
あまり聞きなれない言葉ですよね。
交渉能力の事を言います。
仕事をする上で意見が食い違うことは多々あると思います。
それに関して代案を出して、話をうまくまとめる人のことを折衝能力が高い人と言います。
ではイメージがわかない人もいるかもしれませんので、折衝能力の高い人と周囲が感じる内容に関して1つ例を挙げます。
製品を試作するに当たって、中国工場にある部材を1つ送る必要があります。
飛行機で送るとコストがかかる、船で送ると日数がかかる。
これでは仕事が成立しません。
普通の人はどちらかを諦めて選択すると思います。
ですが、これに対し折衝能力が高いひとはこれらを全て解決する方法を考えます。
例えば、隣の部署でちょうど明日に中国に出張する人がいるので、その方に持っていってもらうという代案を出します。
もともと出張する予定でしたので、コストはかかりません。
また、飛行機で運ぶので日数もかかりません。
結果的には簡単な話ですが、この担当の人間がこの案を考え、そして持ち運ぶことを依頼するということを実行する人材でなければ解決出来ない事案でした。
こういう人は折衝能力の高い優秀な人材であるということになります。
このようなこと、案外出来ないひとが多いです。
そして、これが出来る人間ってかなり会社にとって有益だと思いませんか?有益ですよね。
コスト、納期、かなり改善出来ますので。
だから、とても企業からニーズのある能力なんです。
そして僕もこの折衝能力をかなり求められました。
実際面接で聞かれた実際の内容を2つ挙げます。
・客先に要求されて困ったこと、それに対してどうアプローチしたか。
・開発を進める上で工夫したことは。
以上から、折衝経験は転職においてとても武器になることがわかると思います。
次に、あなたが転職の視野に入れているであろう、大企業においてその武器がどのくらい重要なのかについて。
さらに説明していきます。
技術的知識より「社内外折衝」が大事
大学で頑張って実験や勉強、してきたと思います。
ですが、開発では社内外折衝の能力の方が大事です。
大学で学んだ知識を用いて仕事する人というのは、国が絡んだ研究法人、もしくは大企業の研究所のごくごく少数の人たちです。
別にそこに属していないから優秀でないと言っているわけではありませんが。
今の時代はもう、大学の高等教育を利用して新しいものを作る、そんな時代ではないです。
今の時代は「顧客のニーズにあったものを早く安く効率良く作る」これだけです。
新しいアカデミックなものなんてそうそう生まれませんから。
それで利益を生み出すなんて効率悪いです。
多くの利益を生み出す大企業なんてそれが顕著です。
僕が過去いた企業(年商数兆円の企業でした)を例に出しますね。
とにかく会社として効率向上を目指しています。
社内システム構築が凄まじく、製品に対する部品の仕様が全てサーバの中に管理されていて即座に情報を取り出すことが出来、即座に適切な製品を用意することが出来ました。
書類や書物で電圧や電流など仕様を確認するような手間のかかるようなことは一切やりませんでしたね。
時間かかって効率悪いので。
そしてこの社内システムを用いて、とにかくシンプルにスマートにうまく社内外に折衝して開発スピードを高めていました。
技術的な部分は全部研究所に任せ、効率的に出来る開発の部分だけをとにかく効率よく…。
限られたスケジュールの中で日程調整と簡単な設計変更みたいなものを集中して着手していた感じです。
研究所と開発で完全に分業しているという印象を感じました。
試しながら普段の仕事の中で、いい製品をつくる、例えば大学の研究室の様なワクワクするような経験は一切ありませんでした…。
ただただ折衝、折衝の日々でした。
で、すぐに辞めてしまいました笑
では大学でしっかり技術系の知識を得て、企業でニッチな製品の開発担当として社内外折衝の経験を積んだあなたに対して、転職市場でニーズのある仕事に関して説明していきます。
一番あなたが活躍出来る職種は技術営業です
技術営業ってご存知でしょうか?
文系営業さんでは説明が困難な技術的な内容に関して特に詳細に説明をするお仕事のことを言います。
この仕事に関して必要なスキルは2つです。
・技術系の基礎知識
・社内外折衝経験
これだけです。
ここであることに気づいたかと思います。
そこまで深い技術的経験は求められないんですよ。これかなり重要ですよ。
汎用性が高いということです。
それに対して、誰もがイメージする専門性の高い製品開発の仕事。
この方向での転職って、1番難しいのは経験がないと書類ではじかれるところなんですよ。
例えば、モータの制御設計や、FPDの蒸着膜の開発など。
これって経験してないと絶対アウトです。
だって未経験の人だと、イメージすらつきませんからね。
普通に考えてイメージすらつかない人間を採用すると思いますか?
しませんよね。
ですが技術営業は違います。
広い技術的な基礎知識があればそれでいいんです。
そこで証拠として僕の経験談をお伝えします。
素材メーカーでニッチな電気部品の開発や営業をしていましたが、精密機器メーカーの機器についての紹介などをする技術営業職(その会社ではアプリケーションエンジニアと呼ばれていました)で書類通過して面接まで行きました。
もちろん誰でも知っている大手メーカーです。
電気部品と精密機器の技術的内容は全く共通する点はありませんでしたが。
ちなみに僕は最終的には東証1部上場大企業から年商数兆円の企業に開発職として転職しました。
専門的知識はあまり要求されず、前職での折衝経験を重視しての転職でした。
転職先は開発とは言え、客先にも多く足を運ぶ必要のある技術営業にも近しい仕事であったからです。
以上、ニッチ製品開発者向けの記事でした。
もし興味ある方は目指してみてください。
それでは。
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