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電験持ちによる経済産業省への電気保安人材不足に関する提案

簡単な自己紹介から

強めのタイトルからスタートさせていただきましたが。

そもそも僕がどういう人間か、という話から。

僕のブログ読んでいただければわかるかと思いますが、こちらでもかるくふれます。私立大学大学院電気科を卒業後、2社の大手メーカーで開発職(電気製品)を経験。

現在は中小企業にて施設管理の仕事をしています。

2019年に第三種電気主任技術者試験に合格し、2020年現在では電気保安業務に従事しております。


経歴からわかっていただけるかと思いますが、電験のみならず電気に強く精通している日本のエンジニアのひとりでございます。


前々から騒がれていた電気保安人材不足について少し書いていきたいなと。

それでは下記ご覧ください。


電気保安人材が足りない

これ、電気保安に少しでも関わったことのある人なら誰でも知っているような常識的な問題です。

ですが一向に改善されない。


そしてそれに関してあまり、発信されている方がいらっしゃらないという…。

最近では、カフェや連盟を立ち上げて奮闘されている方もいるようですが、世間全体的にはまだまだ情報というのは出回っておりませんね。

なんというか電気主任技術者界隈の情報弱者ぶりが発揮されているというかなんというか。

情報社会には取り残されてしまっている業界というか…。


さて本題に入ります。

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(出典:業界横断的な認知度向上並びに入職促進に関する調査・検討
平成30年度電気施設等の保安規制の合理化検討に係る調査
2019年3月15日


足りないのです。

日本の法律では自家用電気工作物には規模に応じて、第一種〜第三種の電気主任技術者を配置しなければなりません。


大きな工場やビル、データセンターなど。

多くが600Vを超える高圧の電気を利用しております。

その場合はこの法律が適用されるわけです。

電気主任技術者が置けなければその設備を運用することはできないわけです。

自社でいなければ保安協会に外部委託すればいいわけですが、それすらも足りないというお話ですので。


それではなぜ足りないのかについて。

下記ご覧ください。

そもそも電気保安という仕事を知らない

上記の資料には下記の理由が挙げられています。

・電気保安、電気工事業界への入職率が低い

・電験の一般的な認知度が低い


これについては同感です。

何を隠そう、電気の大学院まで進学した僕でさえよく知りませんでしたので。

いや、電験という資格は認識してます。

でもただ

「電気のすごい資格なんだなー。電気設備の人は必要なんだなー。」

くらいの感覚です。

それだけ知っていれば知っているというべきか…。

でも問題なのは、「自家用電気工作物の保安は電験が必須である」ということですよね。

電気保安ということについてまでは深く考えてませんでしたね。

「電気の設備ってつくったら終わりでしょ??」

そんな感覚でした。


ですから一般的な認知度が低いというのは当たり前ですよね。

ただむやみに認知度を挙げるのも骨が折れます。

テレビコマーシャルでも流すのか?

はたまたYoutube広告でも流すのか?


でもそもそも電験取得の意志がない人に対してPRしても、意味がないことは明白です。

ある程度見込みのある人間にアピールしていく必要がありますね。

では見込みのある人間とは?

下記ご覧ください。


電験人材不足の焦点は電気科大卒に焦点を当てるべき

当たり前ではあるかもしれませんが、やはり電気科大卒に絞るべきでしょう。

どのランクの大学でも電気に対してある程度の興味を持った人間が集まるわけですので。

大学の取り組みとして電気保安をPRしていくべきです。


もちろん大学は自主性を重んじるべきであり、専門学校とは異なります。

ですが学科の重要な職種の一つに関して、しっかり情報を与えることが悪いこととは僕は決して思いません。

また、電気科の就職先の大部分を占めるのは施工管理やメーカーかと思います。

そのあたりは花形ですので特別指導しなくても、学生自身が就職したければ勝手に調べるでしょうから、ほっておけばいいかと思いますね。


以上のように大学生という大枠でお話ししましたが、この話には若干問題があります。

綺麗ごとを抜きにしてお話しします。


上位電気科大卒はあまり電気保安の風土には合わないかと…。

申し訳ありませんが世の中の優秀な人材はスーパーゼネコンや大企業メーカー研究開発を目指します。

正直電気保安の仕事を目指しはしません。

高い技術力=電気保安

と考える人はあまりいないでしょうからね。


そもそも電気保安って様々な方とのコミュニケーションが必要です。

明るく元気でフランクな方の方が向いているでしょう。

人間性と言いますか、キャラクターというものも大切になるということです。

(…ただあくまで、基本的にはということでご理解ください。)

それではもう少し詳細を。

下記ご覧ください。

日東駒専レベル、謎の半分の人材を利用すべき

これ。

日東駒専くらいのレベルの人が一番ちょうどいいと思うんですよね。

一番電気保安をやってくれそうな人たちかと。

あまり優秀すぎるとやってくれないです。


ただ、それでも優秀な人材はたくさんいます。

正直そういう人間も施工管理やメーカーを目指します。


そしてこれからの話は実際に僕が在籍していた時に感じていたことです。

このあたりのレベル(偏差値)の大学って、よくわからない仕事についている人が多くいるのです。

ここまで勉強しておいて、なんでそんな仕事?

というか、そこでなんの仕事するの??

そんな感じです。


実際仕事に関して質問しても「何をするのかよくわからない。」そんな返答がきます。

これ、どういうことかといいますと。

特に何も考えておらず、なにかのきっかけでなんとなく道を決め、流されて生きてきただけ。

自分の人生なのにそんなものでいいのか、とは強く思いますが汗

その根拠となるデータを下記に示します。

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(出典:日本大学理工学部就職状況

あくまで一例ですが、半分から1/3くらいは「その他」とか「サービス業」ですね。

「いや理系なのに…」と思ってしまいます。


これらの人材に特に着目して、電気保安の道に誘導すれば問題解決の方向に向かっていくのではないかと思います。


内容は以上となります。

今後の電気保安の発展に少しでもお役にたてばと思います。

それでは。

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