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№490 安易な脱炭素に騙されるな!

さて今日は、
石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料が
めっちゃ値上がりしているんだよ、
というお話をしてみたいと思います。

脱炭素を目指して、
石炭の火力発電はやめましょう!!
そして、
天然ガスの火力発電もできたら
やめましょう!!!

これが世界中でよく言われる
「脱炭素社会をつくりましょう!」
という大きな掛け声です。

ではそれが果たして本当なのか?
ということです。

もし、
化石燃料を全廃するということに
世界中が合意していて、
今後は一切使わないよ!ということであれば、
化石燃料の価格は当然下がってくるはずです。

今までは生産していたけど、
もう使わないということですから、
代替エネルギーが十分にあるということであれば、
もう使いませーん!
ということになるはずです。

そうすると、
供給に余りが出てきて価格が安くなってくる。

けれども、
世界で取り決めたので、
安くなっても誰も使わない。

そして、
その産業自体がもうおしまいになってしまって
あちこちで会社が潰れたりするはずです。

しかし実際は、
そうなってないんです。

それどころか今、
逆に値上がりしているんです。

それはなぜか?
ということです。

端的にいうと、
長期的には化石燃料を
ずーっと人類が使い続けていくということです。

そして、企業サイドでも、
ずっと化石燃料を使い続けていくんだということを前提にして、
企業の行動計画を作っているということです。

今まで通りの需要があると、
石油、天然ガス、石炭の値段は下がりません。

しかし、
下がるどころか、上がっているのはなぜか?
ということですよね。

それに対する
小さな理由が2つあります。

1つ目は、
コロナ禍からの経済回復です。

コロナから回復して
少し景気が良くなってきて
エネルギーをいっぱい使おう!
ということになってきたということです。

2つ目は
コロナ禍の影響を受けた輸送の問題です。

この燃料の輸送というものが
人手不足に陥ったりして
流通が停滞していることが原因で値上がりしている、
これもあると思います。


そして、
この2つ以上に大きな理由が、
諸外国の政策方針です。

アメリカのバイデン政権は、
化石燃料産業を全部潰すのだ!
という方針を政府公式の方針として
打ち出しました。

それから
イギリスのジョンソン政権もです。

2030年までに
ガソリン車ディーゼル車を全廃する!
2050年までには
化石燃料を全廃して
CO2排出ゼロの社会をつくる!
と発言しています。

これのせいで、
石炭、石油、天然ガス産業は
ものすごい逆風を受けているわけです。

バイデン政権は誕生してすぐに
アメリカの国有地を借りて
天然ガス、石油の採掘をするのは全て禁止!
ということを決めました。

これは化石燃料の産業の
ものすごい負担増加になりますね。

それから一般にも、
脱炭素だから化石燃料を掘るような石炭、石油、天然ガスを生産するような産業には
いい条件で融資しないぞ!
というような金融的な圧力までかかっています。

要するに、高い金利を払えということです。

より商売をしにくくして、
早く潰してやろう!
ということです。

そうすると、
こういった産業のアウトプット、
生産高が落ちてくるのは当たり前ですよね。

それにもかかわらず、
需要の方はいつも通りで、
長期的には、
石炭、石油、天然ガスを使っていくんだ!
それなしでは、経済は回らないんだ!
ということが
実はみんなの本音なわけです。

つまり、
需要があり、供給が足りないので
値上がりしていくということです。

それから、
供給に関しては、
OPECとロシアが供給を絞っているので
特に石油や天然ガスの値段が上がっているんだ、
ということを言う人もいます。

これも表面的にはその通りです。

それも当たっています。

しかし、なんでこういうカルテル的な、
複数の企業で同時に生産調整が効くのか?
という疑問が出てきます。

その答えは、売り手市場だからです。

買い手市場ではないのです。

ではなぜ
自由に生産調整をできるのか?
ということですがこれは、
石油でよく聞くOPECの、
価格統制力があまり強くないということです。

結局、価格を決めるのは
マーケットの需要と供給のバランスなのです。

石油が供給が足りなくなってきたときに
需要が旺盛である、
そのときに初めて、
売り手市場になるわけですね。

この売り手側が
じゃあちょっと供給を抑えて値段を上げてやろうか!
ということができるわけです。

そのように売り手側が
強気に出てくる状況では
潜在的な需要が豊富にあるということを
売り手が認知していて、
取引で優位な立場にあるとわかっているから、
生産調整が出来るんです。

今、OPECとロシアが
石油の生産調整をしているという状況を
踏まえると、
売り手市場になっている。

つまり、
需要が旺盛であるということなんです。

そして、
今は一時的なショックで
需要があるから、これを機会に
価格を上げてやろうということです。

これを踏まえておく必要があると思います。

要するに地球温暖化で脱炭素だといっても、
産業界の多くの人たちは
実際には、石油、天然ガス、
そして石炭すらもなくならないね!
ということが常識化しているわけです。

ですから、化石燃料は全廃します!
なくなります!
っていうのは嘘だということを
市場自体が物語っているということになるわけなのです。

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