知りたくないか?彼らの歴史を!「40周年記念 トランスフォーマー博2024」内覧会レポート&関係者インタビュー!!
●取材:RED染谷(電撃ホビーウェブ編集部)
タカラトミーが作り出した変形ロボットキャラクター「トランスフォーマー」シリーズが、今年で誕生から40周年を迎えた。これを記念して、10年ぶりとなる大規模展覧会「40周年記念 トランスフォーマー博 2024」が寺田倉庫 G1ビルにて開催中。開催期間は、2024年9月13日(金)~9月29日(日)まで。
会場には「トランスフォーマー」の歴史と世界観を体感できる貴重な開発資料や歴代のトランスフォーマートイの展示、会場限定グッズの販売や写真が撮れるフォトスポットもある。「トランスフォーマー」40年の歴史と世界観を体感できる貴重な機会(極秘資料を新たに公開!)だけに、ファンにとっては見逃せないイベントといえるだろう。
世界一有名な変形ロボットトイと言っても過言ではない「トランスフォーマー」は、1984年に米国HASBRO社との提携で誕生、米国向けに販売している玩具を1985年に日本へ逆輸入(凱旋帰国)されてデビューした。「自動車が変形するロボット」というコンセプトの商品だが、ただのロボットではない。意思や感情を持った“超ロボット生命体”で、地球では偽装するために車などのビークルに化けているという設定を持っているのだ。
「トランスフォーマー」の原型は、タカラトミー(当時はタカラ)のダイアクロンやミクロマンといった同社のオリジナルSFトイシリーズをベースに開発したもので、最初からグローバル化を目指した国際商品だった。特殊な力を持った戦士たちの細かいキャラクター設定や彼らが活躍する舞台背景を設定することで、玩具そのものだけでなく、世界観を提供することによって「トランスフォーマー」は爆発的なブームになった。米国はもちろん、ヨーロッパ、アジア各国で大ヒット! アニメ化もされ、2007年にはハリウッドで実写映画化。その後もシリーズ化されている。
現在、130カ国以上で商品展開が行われ、世界中のファンに愛されている「トランスフォーマー」の変形フィギュアたち。G1(ジェネレーション1)と呼ばれる初期アイテムの発売から40年。大人から子供までがその名を知っていて、玩具店や家電量販店のおもちゃコーナーに行けば、何かしらトランスフォーマーシリーズの完全変形フィギュアを購入できる。このような息の長いトイブランドは、玩具業界でもほんの一握りの存在だ。今では親子3世代で愛されるロングセラー商品となった「トランスフォーマー」が、どのように拡大し続けてきたのか。この「40周年記念 トランスフォーマー博 2024」を観覧することでそれを知ることができる。
2024年5月に大阪、6月に福岡で行われた「トランスフォーマー展」に続き、よりスケールアップした「40周年記念 トランスフォーマー博 2024」。筆者は、開催日前日に行われた内覧会に参加してきた。ここからは、本展覧会のみどころについてお知らせしていくので、未見の方はぜひ参考にしていただきたい。
伝説の始まりからテレビ放送中のアニメや映画の最新昨まで!「トランスフォーマー」40年の歴史がここに!!
なんと、いきなりエントランスでオートボットのバンブルビーと遭遇!
ハリウッド映画第1作『トランスフォーマー』に登場した秘密組織「セクター7」の研究施設をコンセプトにした空間が広がっているエントランス。本展のために制作された氷漬けのメガトロンやオプティマスプライムの等身大胸像が出迎えてくれる。ここから一気に「トランスフォーマー」の世界へ没入することができる。
フォトスポットでは、エネルギー物質「エネルゴン」の射出器の中にサイズを問わず自分が持参したトランスフォーマートイを置いて好きなポーズで撮影することができる。
歴代シリーズエリアの展示は、大きく「G1」「ビーストウォーズ」「ムービー」のコーナーに分類されている。会場内に足を踏み入れると、改めてその膨大な商品群に驚かされる。
ファン必見の貴重な玩具開発資料をはじめ、「トランスフォーマー」の歴史年表、立像、史上最大のトランスフォーマー「ユニクロン」、「原寸大マトリクス」、「オールスパーク」、トランスフォーマーフィギュアを使用したジオラマなど、盛りだくさんな展示を通じて玩具・アニメ・映画の40年の歴史を振り返ることができる。
トランスフォーマー第二の黄金期である『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』のコーナーでは、出演キャストの音声で「声優無法地帯」を再現したエリアが登場! ビーストウォーズのキャラクターパネルが並び、関連玩具の展示も充実している。
40周年記念エリアでは、公開中の新次元リアルCGムービー『トランスフォーマー/ONE』の立像4体が堂々登場!
コラボコーナでは「BINGO SPORTS」「ゴジラ」「モンスターハンター」「BUMP OF CHICKEN」などの最新コラボを紹介!
「BINGO SPORTS オプテフィマスプライム」は、美しいファイヤーパターンが印象的なビークルモード(コルベット C7 GT3 R)からロボットモードにトランスフォームする完全変形フィギュア。価格:6,600円(税込)で2024年12月下旬発売予定。
「寺田倉庫 G1ビル」屋外には、トランスフォーマー40周年を記念して「BINGO SPORTS」とコラボした“オプティマスプライムデザイン”のレーシングカーを9月16日(月・祝)まで期間限定で展示されていた。
人気ロックバンドBUMP OF CHICKENのベーシストでトランスフォーマーの大ファン!“チャマ”こと直井由文(なおい・よしふみ)氏の企画協力によって制作されるプロダクト、「BUMP OF CHICKEN」×「TRIGGER」×「トランスフォーマー」コラボ商品も制作進行中。アニメーションスタジオTRIGGERが制作する、BUMP OF CHICKENの楽曲「メーデー」を使用した「トランスフォーマー40周年記念特別映像」も公開!
バンドメンバーを連想させるカラーがキーとなっている「BUMP OF CHICKEN CONVOY」(価格・発売時期未定)。40周年特別映像の中でも重要な存在感を放つ新しいコンボイとして登場する。
サッカー漫画『キャプテン翼』の「南葛SC」とのコラボも決定! 作者 高橋陽一先生が本展のために描き下ろしたオプティマスプライム&大空 翼のイラストも展示されている。
40周年記念コーナーでは、タカラトミーの新しいホビーブランド「T-SPARK」から発信される完成品合金モデル「鋼鉄機神‐アダマスマキナ-」や40年前に発売された商品の外観はそのままに、最新の技術によって可動範囲を拡大! 完全新規設計によって誕生した「ミッシングリンク」の最新情報も!!
1986年当時、試作モデルは作られたが商品化されるまでには至らなかったアーシーの変形フィギュアを「ミッシングリンク」で復元商品化する企画も検討中。
タカラトミー100周年&トランスフォーマー40周年記念商品! コンボイがボタンひとつでビークルモードからロボットモードに自動変形する「カラクリ・スタチュー KS-01 コンボイ」は、2025年3月下旬発売予定。
デアゴスティーニ「トランスフォーマー オプテフィマスプライムをつくる」のサンプルも展示。塗装済みの金属&ABSパーツを使用。発光ギミックを搭載、劇中の武装も再現。全高60cm(可動モデルとして歴代最高)。申込締切日:2024年12月16日(月)、毎月1回 第一1火曜日前後にお届け(全24回)、第1回お試し価格:1,990円(税込)/第2回以降 通常価格:7,999円(税込)
精密鋳造メーカー「キャステム」が本物の鋼で製作した初代メガトロン! 塗装では表現できない圧倒的な重厚感(重量:約14kg)と、光沢が放つ存在感が見る者を圧倒する。「メガトロン(鋼Ver.)」は価格:165,000円(税込)
物販エリアでは、限定カラーのオプティマスプライムなど、展覧会記念グッズを多彩に揃えている。この一冊でトランスフォーマーの歴史を知ることができるオールカラーの「公式ガイドブック」も販売中だ。グッズの詳細については「40周年記念 トランスフォーマー博 2024」展覧会特設サイトてチェックしよう!
豪華声優2名が担当する音声ガイドも楽しみのひとつだ。元「セクター7」の捜査官であるシーモア・シモンズ役のチョーさんと、『トランスフォーマー /ONE』で登場する若かりし日のメガトロン役である木村昴さんが会場をナビゲートしてくれる(音声ガイドは有料:1,000円/税込)。
最後に、本展覧会のスタッフの一人でトランスフォーマートイのマーケティングを担当されているタカラトミーの宮内貴之(みやうち・たかゆき)さんへのインタビューをご覧いただこう。
トランスフォーマーの持つ多様性と可能性をさらに広げることが我々の仕事!
――まずは「40周年記念トランスフォーマー博 2024」開催おめでとうございます!
宮内氏:ありがとうございます。
――全国2会場でで開催された「トランスフォーマー展」でのお客様の反応はいかがでしたか?
宮内氏:大阪と福岡、今回の大規模展示のプロジェクトの根幹となるイベントであり、どちらの会場も開場前から並ばれていた方もいて、我々としても大成功だったと思います。お子様や女性のファンの姿も多く見られ、改めてトランスフォーマーのファンの幅広さを実感しました。現在、40周年のプロジェクトの一環として、トランスフォーマーのアニメの過去作品を弊社のホビーチャンネル等で配信しているのですが、その影響もあってのことでしょうか、会場内で小さな男の子が初代アニメ『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー』のオープニングテーマを口ずさみながら歩いている姿も見かけました。
――10年ぶりの大規模展会、苦労された点も多かったのでは?
宮内氏:40年間続いているキャラクターなので、企画を立ち上げた時点でどの世代にどう喜んでもらえるのか……といった点ではかなり悩みました。昔の資料から探っていって、それをまとめていくという作業が考古学みたいに大変で、社内に残っていない資料や商品もあったのですが、有り難いことに外部の方々にもご協力いただけたことで何とか無事に開催日を迎えることができました。
――現在のトランスフォーマートイのユーザー層についてお聞かせください。
宮内氏:人気の比重としては、大きく「G1」「ビースト」「ムービー」に分かれています。これはもう昔からですが、おもちゃを購入してくださっているのは男性が圧倒的に多いです。女性のファンはどちらかというと、おもちゃよりもキャラクターグッズをコレクションしている方が多いように思われます。大阪と福岡との会場には海外のファンの方々にもご来場いただけました。おもちゃ、ゲーム、グッズ、アニメ、ムービー、トランスフォーマーにはいろいろな楽しみ方があります。誕生から40年、今では“親子三世代”に渡って愛されるようになり、アニメ最新作『トランスフォーマーアーススパーク』の登場によって、おもちゃの購入者の割合も児童層のファンが急増しています。
――トランスフォーマートイの現状についてお聞かせください。
宮内氏:現在継続中のシリーズに加え、また新たにキャラクターの再現度の高さをテーマにした完全変形フィギュアのオリジナル企画も進んでいます。昨年公開された映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の時には、日本国内オリジナルの企画として作った「覚醒オプティマルプライマル」という商品が大ヒットしました。「BPC-01 パパパっとチェンジ オプティマスプライマル」という、ビーストモードのゴリラから「トン!トン!トン!」と3ステップでロボットモードに変形する商品も日本国内でよく売れたんです。3ステップで簡単に変形するので、年齢や性別を問わず“変形遊び”が楽しめる本商品は、世界中で愛され(売れる)商品になりました。今年公開の映画『トランスフォーマー/ONE』でも「ブレイブコマンダーオプティマスプライム」という変形フィギュアを日本国内のオリジナル商品としてリリースします。
――これからも全世界で売れる商品を目指していくということですね!
宮内氏:はい。我々もその期待に応えていかないといけないと思っています。
――トランスフォーマーの魅力についてお聞かせください。
宮内氏:トランスフォーマーは金属生命体で、さまざまな物体をスキャンすることによって適合する変形能力を持つことができます。独特な設定から生まれた個性あふれるキャラクターが揃っていて、ユーザーは正義と悪、敵と味方、どのキャラクターを好きになってもいいんです。「君が選ぶ、君のヒーロー!」というキャッチコピーで登場し、多くの子供たちに親しまれてきたわけですが、そこが他のキャラクター作品にはない“唯一無二”の存在だと思います。トランスフォーマーのテーマである「Robots in Disguis(身を装ったロボットたちを意味する)」という言葉が示す通り、街の中を走る車がある日突然トランスフォームしてロボットに変わるかもしれない。何かに擬態した姿で身近な場所に潜んでいるかもしれない。そういったワクワク感も他のロボットコンテンツにはないものだと思います。
――10年前まで一般のファンは「コンボイ」という名前で覚えていた総司令官の名前が、2007年の実写映画公開のタイミングから海外での呼び名「オプティマスプライム」と混在するようになりました。
宮内氏:トランスフォーマーを代表する“顔”と言えば、コンボイ司令官。トレーラーもロボットも子供は大好きですし、各シリーズの中でも一番高い人気を誇るキャラクターです。往年のファンの方々のイメージとしては、やはり「コンボイ」なんでしょうね。実写映画と出会ってトランスフォーマーが好きになった人は、もう最初から「オプティマスプライム」という名前で浸透しているので、後追いの知識で「オプティマスプライム」は日本では「コンボイ」という名称で親しまれていたことを知るわけです。弊社としましては、G1世代のファンに向けての商品はあえて「コンボイ」という名前で商品化するように心がけています。「コンボイ」として商品化する場合はサイバトロンの設定を持たせ、ムービー世代に向けた商品には「オプティマスプライム」の名前でオートボットの設定を盛り込むといった形ですね。今後も「コンボイ」と「オプティマスプライム」、どちらの名前も浸透するようなプロモーション展開を心がけていきます。
――日本と海外での「ロボット観の違い」といったようなものは?
宮内氏:日本のトランスフォーマーファンは、オートボットやディセプティコンに対して「友達」とか「相棒」といった感覚。米国をはじめ海外のファンは、着ぐるみや手持ちの武器類を自作してトランスフォーマーになりきる人も多く、トランスフォーマーをスーパーヒーローのように捉えているという印象を受けます。海外では大きいサイズのトランスフォーマーフィギュアが人気ですが、日本ではサイズ感よりもキャラクターの再現度の高さや変形ギミックのおもしろさが注目を集めるように思えます。
――トランスフォーマートイの開発を担うトランスフォーマーチームのトイデザイナーの年齢層は?
宮内氏:20歳~50歳までの幅広い層が在籍しています。初期の頃から開発に関わっていたデザイナー、その初代アニメのトランスフォーマーを観て育った世代、ビーストウォーズに影響されて入社した人、実写映画ファンの開発者もいるので、トランスフォーマーの節目となった大きなムーブメントを経験した人たちがひとつの部署に揃っているという、10年前とはまた大きく異なった環境(理想的)となっています。チーム一丸となって、トランスフォーマーというおもちゃを通じて「楽しさ」や「遊び心」を育んでほしいという気持ちで日々商品開発に励んでいます。
――初の大規模展示イベント「トランスフォーマー博 2014」から10年、市場の活性化だけでなく、開発の現場も大きく変わってきているんですね!
宮内氏:トイデザイナーそれぞれの世代による考察もできますし、よりユーザーの方々に近い目線で新商品の提案をすることもできるようになりました。技術的なことだけでなく、ベテラン陣の玩具開発への想いもしっかりと受け継がれているように思えます。
――これまでにも数多くの話題を生み出し、さまざまなフィールドへその活躍の場を広げているトランスフォーマー。今後の展開(将来像)についてお聞かせください。
宮内氏:今回の40周年をきっかけにまた新たな企画が進行しています。トランスフォーマートイの最高峰ブランドである「マスターピース」が「MPG」に受け継がれ、さらに技術が向上。一昨年、昨年と続いた「ライデンプロジェクト」「スーパージンライ」「ゴッドボンバー」に続く企画も待機しています。詳細についての発表はまだ先の話にはなりますが、コアなファンに向けた商品はもちろん、お子様向けの商品企画もさらに充実させていきたいと考えています。トランスフォーマーの持つ多様性と可能性をさらに広げることが我々の仕事。10年後にもまた大規模な「トランスフォーマー博」が開催できるように盛り上げていきますので、どうぞご期待ください。
――ありがとうございました!
【PROFILE】
宮内貴之(みやうち・たかゆき)
タカラトミー(コレクター事業部マーケティング課 主任)でトランスフォーマーのマーケティングを担当して3年目。持ち前のフットワークの軽さを活かして送り手とユーザーの架け橋となるべく奔走中。
現在、正義と悪のトランスフォーマーのキャラクターは500体を超える。常に新しい世代を刺激し、エキサイティングな変形ロボットトイの象徴として輝き続けてきたトランスフォーマーは、次の10年を目指してまた新たな高みへ挑む!!
DATA
「40周年記念 トランスフォーマー博2024」開催概要
会期:2024年9月13日(金)~9月29日(日)
場所:寺田倉庫 G1ビル(東京都品川区東品川2-6-4)
開催時間:10:00~20:00 ※入場は閉場の30分前まで。※期間中、営業時間は変更になる場合があります。
入場券 イープラスで販売中。詳細は下記チケットサイトをご参照ください。
主催:トランスフォーマー博2024実行委員会
監修:タカラトミー
協賛:寺田倉庫
関連情報
(C)トランスフォーマー博2024実行委員会
(C)TOMY
(C)1998 Transformer Production Company Inc./TOMY/葦プロダクション/日本アドシステムズ(C)1999 Transformer Production Company Inc./TOMY/葦プロダクション/日本アドシステムズ
(C)2024 TOMY.(C) 2016 Paramount Pictures Corporation.All Rights Reserved.
TM & (R) denote Japan Trademarks. Manufactured under license from TOMY Company, Ltd. For distribute in Japan only.
「トランスフォーマー」、「TRANSFORMERS」は株式会社タカラトミーの登録商標です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?