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上里洋志(OKOWA 2020FINAL)

前日の組み合わせ抽選会、FINALの入場時の上里さんは、じりじりと毛を逆立てる狼のように見えました。

TOKYO6 の本戦前の休憩中、物販をされていたのでCDを購入しながら少しお話させて頂きました。
頑張って下さい!はーい😊みたいなノリだったのに、本番の気迫、ビリビリ感は群を抜いてました。
今にして思えばTOKYO6 の組み合わせ抽選会でも俯き加減で言葉数も少なく、いつもにこやかな印象の上里さんとは違う、少し怖い感じが漂っていました。

4月から優勝を狙う為に牙を研いでひたすら待っていたからこその、じりじりそわそわだったんですね。

決勝の対決はかつて呪った側と呪われた側。
上里さん特有の怪異は苛烈でしたが、おばあちゃんとのやり取りでは、小泉八雲の「飴屋の女」が思い浮かびました。
根底に上里さんへのおばあちゃんの愛情が漂っているから、心をぎゅっと鷲掴みにされるような温かさと切なさを感じて、当然の如く涙が止まらなかったんだと思います。

また、オカルトファンとしては考察が捗りまくります。

いやだって、何がイーバーなの!?
沖縄の方言で「いい気味、ざまあみろ」という意味のようです。
あの存在の気味の悪さは未だ苦い余韻として残っていますが、異彩を放ちまくりの、上里さんならではの素晴らしい怖談だと思います。
感服しました。

上里さんの言葉にはものすごい力があって、それは恐らく言霊だと思うのですが、低い唸り声のような語りはビリビリと空気を伝わって、心臓が跳ね上がる衝撃を受けます。
会場ではどきん!!とする箇所も配信だとそうでもなくて、何であんなに驚いたんだろうと不思議で仕方ないです。

話術という点ではやはりプロ怪談師の匠平さん、芸人の功太さんやタニシが巧者だと思います。
だけど、上里さんの表現者としてのプライド、OKOWAへの思い、そしておばあちゃんへの感謝の念がそれを凌駕したのだと感じました。
4強ともなれば、勝ち負けは紙一重ですが、そんな上里さんの勝ちへの執念と優勝への渇望が王座を引き寄せたのだと思います。

2018、2019シーズンで上里さんが心底悔しがる姿を見てきました。

2020シーズンにかける覚悟と堅忍不抜の精神、そしてOKOWAへの思いを知りました。

OKOWA生え抜きの3代目王者。
本当におめでとうございました!
願わくばもう少しの間だけ、君臨して欲しいと思います。

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