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語り部・匠平(OKOWA 2020 FINAL)

午前中からそぼ降る雨は午後にはとっくに止んでいて、会場は異様な熱を帯びていました。

令和3年9月12日、緊急事態宣言下の大阪、ABCホール。

OKOWA 2020 FINALの決戦を見届けるべく、私は会場に足を運びました。


匠平さんの入場時の雄叫びは出陣の法螺貝のようで、ああ、OKOWAの戦いが始まるんだ!という気持ちにしてくれます。
やっぱり匠平さんはOKOWAになくてはならない方だとつくづく思います。

匠平さんの開幕戦であるJAPAN ROUNDも会場で観戦していました。
2月末も緊急事態宣言下で、OKOWAを精一杯楽しみたいという気持ちとは裏腹に、楽しんでる場合じゃないのかもという罪悪感も持っていました。
だけど舞台に立つ匠平さんはいつもと何ら変わらなくて、なんだ、楽しんでもいいんだと肩の力が抜けると同時に、重苦しい思いもどこかへ霧散していきました。
匠平さんはいつも目の前のお客さんを楽しませたいと仰っています。

勝つことより観客、視聴者の楽しみを優先してくれます。

それは2019開幕戦の41秒オーバーからも続いていて、FINALの準決勝はそれを彷彿とさせて、OKOWAは全部が繋がっているんだと実感して涙が溢れてきました。

たった1時間前に完成した怖談での、あのパフォーマンスは恐れ入りました。
叩き上げのプロ怪談師の実力を余す所なく見せつけられて、感服すると同時に、底が知れない人だなと驚くばかりでした。

開口一番匠平さんは、スリラーのみんなごめん!と頭を下げられました。
いつだって匠平さんは、ご自身以外の誰かの為に怖談を語られています。
本当に素晴らしいエンターテイナーだと思いますし、スリラーナイトが誇る怪談師語り部・匠平たる証だと思います。
ですが、匠平さんがプロの怪談師の顔を外して、怖談士の語り部・匠平としてただ自分の為、勝つことに拘った時に語る怖談はどれほどの力があるのか。
舞台上でにこやかで楽しげな匠平さんの表情がどうなるのか。


非常に興味深く、見てみたい衝動に駆られます。

OKOWAの舞台で、功太さんと再戦して勝つという夢を叶わなかったけど、これは必ず匠平さんの糧になると信じていますし、更なる進化をこの目で見届けたいと思います。


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