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松原タニシ(OKOWA 2020 FINAL)

事故物件住みます芸人は最早、タニシさんを直接示す代名詞ですが、松原タニシという枠に捕らわれない、試合毎に違う自由な発想の怖談を楽しみにしていました。
今回はどんな話しなんだろうとワクワクするのが、タニシさんの怖談です。

怖いってなに?

FINAL対戦相手の中山功太さん、上里洋志さん、語り部•匠平さんの3怖談士だけでなく、2018年からの全怖談士、観客視聴者までをも巻き込んでOKOWA全体に問うた語りは、説法や教誡のようにも聞こえ、タニシさん以外では成立し得ない唯一無二の怖談でした。

あの語りは、例えば舞台人の伊藤えん魔さん、情景描写の女王石野桜子さん、二代目王者の中山功太さんが語ったとしても、説得力が薄くなると思います。
タニシさんだからこそ、タニシさん以外では成立し得ない唯一無二の怖談だと思います。

誰の近くにも、壁一枚隔てた所にあるかもしれない狂気に対する、タニシさんの探究心と好奇心。

どう転ぶのかわからないのに考えることを許されず、息つく暇も与えない練りに練られた語りを間近で見ると、TOKYO6に続き「やられたー!」という思いでした。 

タニシさんが提示した、怖談を突き抜けた怖さとは、その後の功太さんがきっちり返答して、私は怖さにではなく悲しくて涙しました。

全く意図していないはずなのに、舞台上での怖談のキャッチボールを目の当たりにすると胸が熱くなります。
「怪談は恐ければいい、感動なんているの?」という声もあるでしょうが、全て人間が作り上げていることに、心が動くのは必然だと思います。

タニシさんは発起人として、プレイヤーとして、OKOWAを盛り立てる立場の方ですが、MC席より舞台中央、マイクの前がやはり相応しいです。
2022シーズン以降もその探究心をもって語られる怖談で、まだまだ楽しませて頂きたいです。
ありがとうございましたと椅子から降り、舞台袖に向かうタニシさんは、いつになく楽しそうでした。

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