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OKOWA TOKYO 6 ③

第二試合
先行の上里洋志さん
第一試合から壮絶な対戦だったので、余韻からなかなか抜け出せず、ややぼーっとしていました。

しかし冒頭の
「ばあちゃん、ごめんね」
この一言で切り替えることができました。

天を見上げた上里さんは恐らく、本心からお婆さんにそう伝えたかったんだと思いますが、まさかこれが伏線になるとは思いも寄りませんでした。

桜子ねえさんはVRでしたが、上里さんは嗅覚に訴えかける怖談でした。

飛行機内で不意に現れた真っ赤な何か。
最初のイメージは全身が焼け爛れた赤黒い色でした。
着陸と同時に四散したその何かは、かつてその地で起きたであろう航空事故の犠牲者を想像しました。
これは大阪闘争の伊藤えん魔さんの怖談を引きずっての想像だと思います。

低く押し殺した語りの中でのバーン!にとても驚き、身体がビクッとして暫くどきどきが収まらなかったです。
改めて配信で聞くと、ドーンやバーンは語りの流れを邪魔しない程度の音量なのに、会場で聞いたらどうしてあんなにびっくりしたのか…不思議です。

赤い何かの正体がわかった瞬間、血独特の鉄臭さを鼻の奥で感じた気がしました。

実際にその地で起きた、残酷でこの上なく悲しい過去を語るには低く、静かだけど芯のある上里さんの声だからこそ、意味を成すのだと思います。

OKOWAがデビューの上里さんには、お婆さんに禁じられているお話があることはファンには周知の事実です。
例えば語ること自体に障りがあるとか、上里さんやご家族に悪い影響があるとか、そういった理由があるのだと思っていました。

TOKYO 6 の少し前に、小原猛先生の怪奇蒐集者を見ていました。
奇しくもあるユタのお話をされていて、ユタのとても人間的な部分を垣間見たところでした。

大阪ファイナル出場者の中でも唯一無二の存在である上里さんの怖談もあと一つか二つ。
禁じられていた他のお話がどういうものなのか、怖いけど楽しみです。

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