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ニンジャラクシー・ウォーズ

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邪悪なる星間帝国ガバナスの宇宙ニンジャによって家族を皆殺しにされた青年ゲン・ハヤトは、とても速い宇宙船リアベ号に乗って宿敵ニンジャアーミーの陰謀に立ち向かう! 70'sスペースオ…
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2023年1月の記事一覧

《分割版#3》ニンジャラクシー・ウォーズ【フォー・ア・フュー・スクリューズ・モア】

【#2】←◆#3◆ 小さな教会に案内されたハヤト達は、薄暗い礼拝堂の長卓を挟み、今や名ばかりのコロニー町長と会見していた。「コップ一杯の水と一切れのパンで、住民は奴隷のように働かされております。井戸は全てガバナスに管理され、水一滴とて自由にはなりませぬ」俯く町長の頭は心労で真っ白だ。 「近くに大きな川があった筈ですが」ハヤトは訝しんだ。「ガバナスの手で銅山の鉱毒が流されております」「クソッ! どこまで罰当たりな奴らだ」バルーが牙を剥き出す。「なのにどうして、メロス=サンはガ

《分割版#2》ニンジャラクシー・ウォーズ【フォー・ア・フュー・スクリューズ・モア】

【#1】←◆#2◆ そして、時間は再び現在へ。  丸太で組まれたゲートを潜り、リュウ、ハヤト、バルーの三人は銅山コロニーのメインストリートに足を踏み入れた。通りの両脇に立ち並ぶ木造建築は、旧世紀ウエスタン様式の忠実なレプリカだ。かつてこの地に降り立った移民団が、古き良き地球のフロンティアスピリットを町作りに反映させたのだという。  宇宙クォーターホースに曳かれた幌馬車が砂煙をあげて行き交う。サルーンのテラスには、所在なげにたむろする鉱夫とガンマン。中年女性の一団が道端に固

《分割版#1》ニンジャラクシー・ウォーズ【フォー・ア・フュー・スクリューズ・モア】

 雲のない空の下に、乾いた荒野が広がっていた。地平線の向こうに低く折り重なった山々を、空気遠近法が黄土色から青へのグラデーションに染め上げる。ここは第15太陽系、第1惑星シータの西部開拓ゾーン。かつて宇宙レアメタルの宝庫として束の間の活況を呈し、夢破れた者達に見捨てられた一帯だ。  風は凪ぎ、宇宙タンブルウィードすら転がらぬ中、三つの人影が黙々と歩き続ける。ジュー・ウェア風ジャケットの逞しい男、カーキ色のポンチョを纏うスマートな青年、そして身長7フィート超の宇宙猿人・デーラ