マガジンのカバー画像

ニンジャラクシー・ウォーズ

75
邪悪なる星間帝国ガバナスの宇宙ニンジャによって家族を皆殺しにされた青年ゲン・ハヤトは、とても速い宇宙船リアベ号に乗って宿敵ニンジャアーミーの陰謀に立ち向かう! 70'sスペースオ…
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

《分割版#6》ニンジャラクシー・ウォーズ【ストレンジ・アイデンティティ・オブ・ザ・ストレンジャーズ・エンペラー】

【#5】←◆#6◆  BEEAM! BEEEAM! 破壊ビームの閃光がエテルの闇を切り裂き、宇宙カプセルを緑色に照らし出す。散開したシュート・ガバナス編隊は、力尽きた獲物を順番に食いちぎろうとする宇宙シャークの群れめいてカプセルの周囲を飛び回り、無慈悲なる軌道上公開処刑シーケンスに入っていた。BEEEEAM! 「いよいよ年貢の納め時か」カプセル内のナガレボシが溜息混じりにひとりごちた。死を目前にしてもなお精神のヘイキンテキを保つべし。無限の大空間で取り乱した者は、万に一つの

《分割版#5》ニンジャラクシー・ウォーズ【ストレンジ・アイデンティティ・オブ・ザ・ストレンジャーズ・エンペラー】

【#4】←◆#5◆『コレカラ、ドウスル』「GRRR……俺に聞くなよ」  バルーは火掻き棒で焚火をつついた。ハヤトがいずこかへ走り去ってから、何度も繰り返されたやりとりだ。口の端に咥えた宇宙葉巻から紫煙が立ち昇り、星空へ消えてゆく。  どれほど時間が経過しただろう……やがて、紫煙とすれ違うように一筋の白いガス体が上空より降り来たり、バルーの背後の暗闇にわだかまった。彼らの死角を縫って地を這い、パイロットトルーパーのアンダーメンポ呼吸口に音もなく滑り込む。トルーパーの身体がび

《分割版#4》ニンジャラクシー・ウォーズ【ストレンジ・アイデンティティ・オブ・ザ・ストレンジャーズ・エンペラー】

【#3】←◆#4◆ 意識の断絶は一瞬だった。  モノクロの同心円パターンが果てしなく広がる地面。その中心に立つ自分の姿を、ナガレボシは知覚した。頭上には何も……天井やドームの類はおろか、太陽も星も銀河もない。自然とも人工ともつかぬ薄明りが、無限の虚無をのっぺりと照らしているだけだ。 『ムッハハハハハハ……』木霊する哄笑とともに、地平線の向こうに巨大な影が屹立した。ゆらゆらと輪郭の定まらぬシルエットの天辺近く、二つの光が横並びに灯っていた。両眼めいて。『ドーモ。ガバナス帝国

《分割版#3》ニンジャラクシー・ウォーズ【ストレンジ・アイデンティティ・オブ・ザ・ストレンジャーズ・エンペラー】

【#2】← ◆#3◆ 「エット……タダイマ」  リアベ号の停泊地点に戻って来たハヤトは、鹵獲されたシュート・ガバナスをおそるおそる見上げた。足を縮めた宇宙スパイダーめいた機体が、地上ギリギリに浮遊している。「おう、遅かったな」その陰から歩み出たのはパイロットトルーパー!「アイエッ!?」  反射的にカラテを構えるハヤトに、パイロットはヒラヒラと手を振った。「よせやい。俺だよ」リュウの声だ。背後からバルーが現れ、肩に担いだトルーパーをどさりと放り投げた。ラグドールめいて転が

《分割版#2》ニンジャラクシー・ウォーズ【ストレンジ・アイデンティティ・オブ・ザ・ストレンジャーズ・エンペラー】

【#1】←◆#2◆「ガバナス懲らしめるべし! イヤーッ!」  デーラ人の少年が棒切れを振りかざし、地球型人類の少女に飛びかかった。「チョコザイナ! イヤーッ!」紙製のニンジャトルーパー・オメーンを被った少女がDIY木刀で迎え撃つ。「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」チョーチョー・ハッシ! 「待てーッ!」「アイエエエ!」より幼い猿人少年とオメーン少女のコンビが、その周囲を駆け回る。少女は身を翻し、想像上の宇宙マシンガンを構えた。「DADADADA!」口真