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Pauper Summit Cup#3参加レポート

 タイトルの通り、パウパーの大型イベントであるPauper Summit Cup#3へ参加し、望外の成績を収めることが出来たため執筆した次第である。参加レポートと言っても、どちらかというとデッキ調整の中身の方が主である。

 参加枠は100名。当日の参加者は98名で開催され、国内ではパウパー神の次に規模の大きいイベントとなった。大会開催時点、リーガルである最新セットは機械兵団の進軍。(「決戦の後に」はコモンが未収録のためパウパーには一切影響のないセット)
 既存カードの名称違いが幾つか収録されており、中でも《レンの決意》は《無謀なる衝動》の5枚目として注目された。

最大8枚積める赤単のアド源

 少し先走るが、当大会においても赤単バーンの母数は10デッキと最大で、その中で実に6つが《レンの決意》《無謀なる衝動》計8枚採用タイプであった。赤単といえばカルドーサレッドが少し前までは主力であったが、新セットによる影響は確実に出ていると見て取れる。

 しかし他の色にも2種類目のカードが登場している。2種類目の《村の儀式》こと《堕落した確信》。奇しくも先述の《レンの決意》同様、カード2枚にアクセスできるという点では類似している。

1マナ2ドローも最大8枚搭載可能

 前回の記事で紹介した黒単サクリファイスを引き続き使用していたが、一時的なパンプアップしか出来ない《血の座の吸血鬼》がどうしても気になるシチュエーションが多かった。そこで、サイズを持ち越し出来るサクリ台である《カビ人間》(+土地枠に《囁きの大霊堂》採用)とするか、2ドロースペルを6~8枚採用するかを検討した。

サイズ持ち越し+絆魂持ちのサクリ台ではあるが起動にマナが都度必要
後半不要になった《大霊堂》を食わせられる

 打点を形成し、ダメージレースを制すという観点に於いては《カビ人間》も悪くはないが、如何せん素のサイズが1/1と心もとない上に本人が2マナと少々重い上に起動にもマナがかかるためテンポロスしやすい点が目立った。またデッキの構造上、リソースを打点へつぎ込む構成となっているため単体除去にも弱く、リソースの枯渇がどうしても目立ってしまう。そこで永続的なサクリ台は《屍肉喰らい》に一任し、1マナ2ドロースペルを多数搭載する形へシフトする事とした。2ドロー系なら単体除去に合わせる事で2:3交換と僅かにアドバンテージを得られる。但しこればかり引いても手が進まないため8枚採用ではなく最終的に6枚へ落ち着いた。
 既存の2ドロースペルには《命取りの論争》も存在するが、大半が生物で構成されている上にキャスト時1マナという取り回しの良さから《村の儀式》《堕落した確信》体制とした。

 大会で使用したデッキリストは以下の通り。

 メインボードは概ね先述した通り。これまで土地19枚構築であったが、マナフラッドした時の受けが少ない一方でマナスクリュー気味でも2ドロースペルを絡めて無理やりデッキを回せるようになったためマナフラッドのリスクを減らすべく18枚構成へ。
 サイドは《ゲスの評決》《息詰まる噴煙》は以前のリストでも採用していたためそれ以外について。
・《闇の旋動》:ピッチ除去枠として元々《殺し》採用としていた枠に対赤単バーンを見越し、且つ2ドロースペル採用によってピッチしやすくなったためこちらを優先。
・《虚無の呪文爆弾》:墓地対策0だとファミリアコンボ等墓地活用相手に有効打が無いため。
・《強迫》:毒ストームのような非生物コンボ相手に妨害手段としてイン出来るカードを採用したかったため。
・《Order of the Ebon Hand》:主に対ゲート用であるが、プロテクション白を持つ黒単色の生物としては打点も高く、ほぼ唯一プレイアブル。(あともう1種類存在はするが2マナ1/2サイクリングのみ)

 前置きが長くなってしまったが、早速対戦結果の方に。

R1:赤緑ポンザ ×〇〇

 G1は3ターン目《_____Goblin》から5マナ捻出、《浄化の野火》+《溶鉄の雨》と先手の利を活かされつつ《乗り込み部隊》《復讐する狩人》で負け。純粋にこちらのメインギミックがうまく整わず、そもそも先手だったとしても十中八九負けていた展開ではあった。
G2はサクりエンジンが揃って押し切り。G3はイニシアチブを奪って攻め立て、キャントリップ連打されるも特に解決策は引かれず勝ち。

R2:黒単コントロール 〇〇

 G1はサクリエンジンが揃って押し切り。G2はキラーカードである《クォムバッジの魔女》が2ターン目に着地するも、数ターン後に除去して一旦落ち着き、統治者をもらって勝ち。G2は《墓所のネズミ》で流されつつ《魔女の小屋》で再利用されるも、ライフを詰めていたためネズミ起動後ライフ1になったため《ゲスの評決》1点が決め手に。

R3:ゴーレムトロン 〇〇

 G1、先手3ターン目トロンを揃えられるけどこちらもサクリエンジン揃っており、除去を絡めて押し切り。G2もトロンが揃い《岩枝のゴーレム》試作+完成品で時間稼ぎされつつ《復讐する狩人》《大渦の巨人》も並ぶところ、《ギルド公認のこそ泥》が通ってイニシアチブをもらい、サクリエンジンも揃ってコンバットを刺しあい勝利。

R4:黒緑サクリファイス 〇〇

 G1《若き狼》《斑の子猪》という除去耐性があるラインナップ。《Fishing Move》をかわしながら刺しきり。最後に《屑肉の刻み獣》が見えたため《闇の旋動》はサイドインしないなと判断。G2は相手の《堕落した確信》で《葬儀甲虫》が育ったりという地味な噛み合いもありつつ、こちらも順当に打点を展開して押し切り。
 対戦後、自分の前回記事を参考にしていただいた部分があるとのことで嬉しい限り。《Finishing Move》で《巣のシャンブラー》を5/1にするのも面白いアイディア。

R5 親和 〇〇

 G1、G2とも《葬儀甲虫》《屍肉喰らい》《巣のシャンブラー》と最高の立ち回り。G1は片っ端から火種をオールイン、G2は《チェイナーの布告》ケアで1体だけリスを残してほぼオールイン。《マイアの処罰者》と2マナを立てられるものの戦闘前に除去を打ち《勢団の取り引き》で7ゲインされてもリーサル。

 R1の1ゲーム目以外全部ストレートで勝利。こんなに好調に勝てている大会はかなり久しぶり。少なくともパウパーとしては初。順位表を見るとこの時点で5勝は3名のみ、ということは。

R6:ID(Intentional Demon)

先に結果を書くと、本大会優勝者のTSUBASAさんとID。
なおIDの正式名称はIntentional Drawである。

そしてその後の順位表を確認、お相手の角とうふさんもここでIDしても落ちない事を確認。

R7:ID(Intentional Demon)

なおIDの正式名称は以下略

無事5-0-2でSEへ。

SE1:緑単ステッカーストンピィ

 SEのお相手は先ほどIDした角とうふさんとのマッチアップ。
G1は《葬儀甲虫》+《堕落した確信》を連打してリソース回復+打点増強して何とか押し切り。G2は《若き狼》に《怨恨》、《リバーボア》と展開された返しに《息詰まる噴煙》で《若き狼》が2/2になり《リバーボア》は落ちる。その後、《危険なマイア》をサクって2点飛ばそうとしたところに《吠え群れの飢え》で5/5にされてしまう。このまま放置すると再び《怨恨》を担いで殴って来るため処理したい・・・手札と睨めっこしていたら墓地は黒いカード2枚、手札には2枚目の《息詰まる噴煙》、そして《闇の旋動》がある。更に2マナ余っている。やるべきことは一つ。
《噴煙》サイクリングからの黒いカード3枚追放でピッチキャスト!
これにより《危険なマイア》で既に2点与えていたため計5点。それ以上の対応は無く無事処理でき、その後クロックの追加がない空きのターンに展開して勝ち。
今まで大会で当たる事は2回程あったけれどもいずれも負けていたため、今回初めてリベンジを成し遂げた。

しかしまだ先は続く。

SE2:青赤フラクタル ×〇×

フィーチャー卓でのマッチ。
G1は喪心2枚抱えたまま土地を多めに引いてしまい、クロックが捌かれ足りなくて23/23フラクタル着地&喪心スタック《投げ飛ばし》でGG。
G2はサクリエンジン揃って勝ち。
G3は沼1キープで展開がもたついてしまい、結果的にフラクタル2体が並び片方は接死で落とすももう片方が残り、《強迫》+《ホネツツキ》を立てるも《イゼットの魔除け》を引かれて負けてしまった。(《屍肉喰らい》は立っていたがブロック出来ない)
土地1キープについては理由があり、このデッキは《葬儀甲虫》《屍肉喰らい》が揃っていれば土地1でも受け入れた方が良いと判断したため。結果的に打つタイミングが無くなってしまったが、《村の儀式》もあったためリスクを承知で受け入れた。結果的にキープ基準自体は間違っていなかったと自分の中では思っており、どちらかというと途中のプレイングの方が見直すべきポイントがあると感じた。《虚無の呪文爆弾》をプレイしたタイミングがあったが、それはもう唱える必要がなく(何ならサイドインの必要すらなかった)、ここを《強迫》キャストに回す等他の選択肢があった。或いは《村の儀式》でドローを回すために《葬儀甲虫》《屍肉喰らい》の場面で投げた《巣のシャンブラー》を全部打点に変換するのではなく、1ターン攻撃の手を休めて次のターンに《村の儀式》から土地を探して以降の動きを潤滑にする事を優先すべきだったとも考えられる。

 何はともあれ準決勝で敗退。しかし100人近い規模の大会でトップ4は十分に好成績と言えよう。もちろんそれに慢心する事なく、今回の反省点を活かしつつ今後もパウパーのイベントには参加したいと思う。
 あとサイドイベントで開催されたパウパーEDHなるものも事前に告知されており、ツイッターでも興味があると軽く呟いたら当日「根絶さんパウパーEDH組みましたか?!」と激推しされたためラウンドの合間にパーツ買いにショップに行ってた。通常EDHとの互換性も考慮して元から伝説のデーモンを統率者にしたい。

皆アンコモンの統率者しか使ってないけど俺だけ神話レア使いてぇ~~~(アンコモン)

 そしてこれは改めて感じた事だが、速度感を持ってプレイしているのもあるがデッキが早いためほとんどのラウンドで20~30分近く余して試合を終えており、ランチや適宜休憩も悠々挟んだおかげで終始プレイヤー自身のコンディションは良好だった。元々そんなに遅めのデッキを組まないが、長丁場のイベント出る時はやはりプレイ時間が早く済み、プレイヤーへの負担が少ないものである方が良いと痛感した。

 そして次なる目標は幕張で開催されるプレイヤーズコンベンション千葉。
本イベントにパウパーは残念ながら無いが、日本レガシー選手権が開催されるため一番の目標はそちら。本イベントに向けてレガシーの練習・調整も重ねているため、その過程についても追って記事にしたい。

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