見出し画像

スタン黒単調整録 ~M20の影響~

 前回の記事から1か月が経過し、この間にもスタンダードは変化を続けております。引き続き黒単ミッドレンジでの調整を続けておりましたので、今回もそれを題材として記事にしました。

1.メタゲームの変化

 白黒吸血鬼やバントスケープシフトといったデッキが流行。また後者はバントのみにとどまらず、《死者の原野》軸のデッキとして様々な派生形が生まれました。先日スタンダード神に就任された江原さんの5Cスケープシフトも記憶に新しいですね。
 アリーナ上で相対する機会も多く、一筋縄ではいかない相手です。それゆえ、これらを意識した構成が求められます。

2.黒単の構成

 それらを踏まえて調整したリストがこちら。
 軽量生物が多い吸血鬼、ゾンビトークン、肥大化した《ハイドロイド混成体》に効果的な《軍団の最期》が注目を集めており、黒単にもサイドですが採用しました。また逆に相手から打たれることも想定し、メインボードに《真夜中の死神》を2枚戻しました。同じく対策カードとして話題となっていた《夢を引き裂く者、アショク》は《風景の変容》《迂回路》へのアンチカードであり、バントスケープシフト相手には軍団の最期だけでは足りないと感じたため追加で採用。
 《戦慄衆の将軍、リリアナ》は吸血鬼相手にサイド後は軽量生物を減らして除去コンと化すため、その際のフィニッシャーです。対エスパーやグルール/ジャンド恐竜など他にも有効なマッチアップは少なくないです。

 今月のランクマッチは無事ミシックに到達。吸血鬼や死者の原野デッキは中盤以降地上生物の攻撃が通らなくなるため、《騒乱の落とし子》《破滅を囁くもの》という太い飛行クロックがより重要です。大量にゾンビを展開されても、破滅を囁くもので諜報を繰り返して軍団の最期を見つけて勝つこともしばしばあります。

3.構築の見直し

 吸血鬼側が軍団の最期をメイン4とするリストも散見されるようになりました。メインボードは同種生物が4枚積まれた状態であるため、1:2交換以上を強いられることもしばしば起こります。
 また、バントスケープシフト相手に《樹上の草食獣》がいるばかりに2ターン目に出した生物の攻撃が通らず、騒乱の落とし子を絢爛で出せない・・・といったことも起こりました。接死持ちの《オルゾフの処罰者》なら攻撃は確実に通せるものの、如何せんパワー1しかないためアタッカーとしては不十分です。

 そこで白羽の矢が立ったのが《凶兆艦隊の毒殺者》。瞬速持ちのため軍団の最期が当たりづらく、先手なら1/2の吸血鬼いずれかを攻撃に合わせて一方的に打ち取ることができます。またパワー2の接死であるため処罰者よりアタッカーとして活躍でき、一応自身の2枚目や《帆凧の掠め取り》をサポートすることも可能です。

 凶兆艦隊の毒殺者以外は基本的に変更ありませんが、思いの他活躍するマッチ・タイミングが多くその利便性を改めて見直しました。生物であるがゆえに《夏の帳》に引っかからない除去として運用することもあります。

4.ケシスコンボ登場に伴う変更

 しかしスタンダードのメタゲームはまだ変化が続きます。《隠された手、ケシス》を軸としたコンボデッキが登場しました

 実際にマッチングしてみると、単なるコンボ一直線のデッキではなく、デッキ全体でアドバンテージを獲得し続けながらコンボに向かうミッドレンジという印象でした。これもまた意識した構成が要求される相手です。

 デッキの軸はケシスですので墓地対策が有効ではありますが、《ウルザの殲滅破》《時を解す者、テフェリー》で除去できるため《墓掘りの檻》のようなカードはあまり意味を成しません。またコンボの軸となるもう1体の生物《精励する発掘者》を除去でき、且つ他にも的がある除去を検討することとしました。

 現在のリストがこちら。《万面相、ラザーヴ》《迷い子、フブルスプ》を墓地からも追放できる軍団の最期をメインに4枚とし、喪心をサイドへ。またケシス相手に積極的に墓地を追放でき、《ケイヤの誓い》以外では除去されづらいアショクの3枚目を確保。その他、リリアナを《人知を超えるもの、ウギン》へ変更。マイナス能力による除去が使いづらかったことと、白いデッキはサイド後に《敬虔な命令》をインしてくるため、それによって除去されない勝ち筋が欲しかったためです。

 日本選手権まであと2週間。また今のカードプールでのスタンダードは9月を以て終了(エルドレインの王権が10月リリース)となるため、今期スタンダードを悔いの残らないものとするためにも引き続き練習・調整を重ねてゆきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?