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黒単調整録(2月~3月現在)

 前回の記事では主に黒単信心についてピックアップしました。
それから1か月が経過しましたが、黒単信心を使用することを一旦諦めてしまいました。一見有利に見える赤単相手も実はそれほど有利はつかず、他の主要なアーキタイプは基本的にどれも有利が付くものはありません。
(それゆえアリーナ上で見かけることもほとんど無くなってしまいました) 
 赤単相手で有利が付かない理由として、猫かまどパッケージを揃えても《エンバレスの宝剣》で容易に突破されてしまいますし、《ロークスワインの元首、アヤーラ》が加わっても結局のところ盤面を減らすことは出来ないため面展開されても厳しいです。

 そこでふと思い立ったのが、前回記事で少し触れた《影槍》入りのアグロタイプ。《朽ちゆくレギサウルス》に《影槍》を装備すれば赤単相手にはまず勝てるだろう・・・そしてこの2種類ならば揃えるのも比較的現実的ではないか。そう考え、こちらの調整を再開しました。

①黒単アグロ調整再開

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4《石とぐろの海蛇》
3《影槍》
4《漆黒軍の騎士》
4《黒槍の模範》
4《真夜中の騎士団》
2《死より選ばれしティマレット》
4《朽ちゆくレギサウルス》
4《残忍な騎士》
4《騒乱の落とし子》
3《悪ふざけの名人、ランクル》

18《沼》
4《ロークスワイン城》
2《総動員地区》

2《見栄え損ない》
4《苦悶の悔恨》
3《害悪な掌握》
2《壮大な破滅》
2《軍団の最期》
2《魔術遠眼鏡》

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 《影槍》は《朽ちゆくレギサウルス》だけでなく《漆黒軍の騎士》《騒乱の落とし子》とも相性が良いです。前者は装備+能力起動とすることで5/6接死+絆魂と化し、1体だけのブロッカーならば確実に4点をプレイヤーへ与えることができます。後者はアップキープ時の誘発も絆魂が付くため、誘発前より1点ライフが増えます。(その状態でカウンターを乗せるならライフ9以下とする必要があります)

 最初は《どぶ骨》を採用しておりましたが、基本的にどのマッチアップでも優先度が低かったため《石とぐろの海蛇》へ変更。《エルズペス、死に打ち勝つ》《敬虔な命令》が効かず、《時を解す者、テフェリー》の-3で対象に取られないため青白コン相手では比較的信頼度の高い生物です。但し《ガラスの棺》《払拭の光》は当たりますし、それらをテフェリーで使い回されることもあるため間接的にテフェリーには弱いです。(一時追放された海蛇を戻した際は0/0となる)

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 特にサイド後は相手も盤面を捌くことに注力するため、より長期戦となりやすいです。そのため互いに土地を並べ合い、《石とぐろの海蛇》がX=7前後で着地して数回の攻撃で詰め切るという展開も決して珍しくはありません。

 《死より選ばれしティマレット》を採用している理由としては主に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》用です。《茨の騎兵》《大釜の使い魔》にも睨みを利かせることができ、最低限2マナ域ということで《騒乱の落とし子》への繋ぎにもなります。信心でのタフネス増強はほぼおまけです。

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概ね《萎縮した卑劣漢》

 《総動員地区》は最初1枚に抑えておりましたが、《悪ふざけの名人、ランクル》も含めて自らディスカードする手段が多く、ミシュラランドの価値は一層高いため2枚採用としました。稀にに2枚とも引いてダブルシンボルがうまく捻出出来ないこともありますが、ゲーム中1枚は引いておきたいため2枚目を採用しました。伝説生物が2種類あるため、3マナで起動する場面も度々あります。《ロークスワイン城》と併せ、長期戦への耐性を持つ理由にもなります。パイオニアの黒単アグロに近しいですね。

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土地が強い!

 しばらくの間はこのリストをベースに回しておりましたが、《悪ふざけの名人、ランクル》が思いの他様々な相手に通り辛いことが分かってきました。唯一の速攻生物ではありますが、3/3というサイズが如何せん心許ないのです。

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ランクルの障壁となる面々

 そこで、前環境から度々採用していた《破滅を囁くもの》を再び採用することに。《朽ちゆくレギサウルス》を3ターン目に着地させると、ディスカードにより5マナのカードをマナカーブ通りにキャストするのは難しいですが、そうでなければ5マナもある程度許容できる範囲です。

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やっぱり必要なのはデーモンなんだよな

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最新のリストはこちら。
〇変更点
-1《真夜中の騎士団》
-1《悪ふざけの名人、ランクル》
+2《破滅を囁くもの》

 ランクルは上で触れたように通りが悪い相手が一定数おり、《真夜中の騎士団》は対赤単等でブロッカーに回せないため1枚減。その2枚枠を差し替えました。《影槍》を装備しなくとも十分な突破力を備えている点も魅力的です。

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 サイドのハンデス枠について触れておきます。他のハンデスより《苦悶の悔恨》を優先させておりますが、生物も狙えるものなら《ドリルビット》もあるのでは?と思うかもしれません。
 実際にテーロス還魂記前まで同じようなデッキを使用していた際は《ドリルビット》を採用しておりましたが、サイド後は生物を減らす傾向にあったり、そもそもメインの1マナ域が少ない上に最速でも2ターン目にしか打てません。《強迫》は裏目が多くあまり採用したくないと考えており、《苦悶の悔恨》のみ4枚とするのが自分の中で落ち着きました。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を手札からだけでなく、いざとなれば墓地からでも追放出来るのも利点の一つですね。

②デッキの動き

 端的に述べると、生物を並べて殴る!です。戦闘ダメージ以外でライフを削る手段はほとんど無いため、そこに注力することになります。黒単信心のようにカード間のシナジーは《影槍》くらいなもので基本的にコンバットで勝つデッキです。
 サイドボードをご覧いただくとお分かりいただけるかと思いますが、サイド後の立ち回りは少し異なります。言うならば、「メインはアグロ、サイド後はミッドレンジ」が思想です。大抵の場合、メインボードの軽量生物+太いクロックから前者を除去やハンデスへ差し替え、妨害を挟みながら後者へ繋ぐこととなります。

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 キープ基準ですが、メインでは2ターン目までに生物が着地出来るようなら基本的にキープします。例えば画像のような初手はキープです。土地が詰まるリスクもありますが、1ターン目からクロックを展開でき、仮に1ターン土地が詰まったとしてももう1枚2マナのクロックはありますしね。
 逆に、マリガン基準となるハンドは
・土地が1枚以下/5枚以上
・2マナ以下のクロック無し※但し影槍+レギサウルスがあるならキープ

メインでは比較的緩めにキープします。構成上、軽量クロックはそれなりに枚数が入っておりますのである程度土地とクロックがあればキープ出来ます。
 サイド後はそうもいかないことが多々あるため、一見ゲーム出来るハンドでも必要に応じてマリガンを選択します。サイドカードを入れたけれどメインとほぼ同じ動きが出来るようなハンドならばキープします。最も、リソースを回復する手段があまり無いため極力ダブルマリガンまでで収めたいところ。
 具体的にどの相手にどんなサイドボーディングを行うかについては次項でご説明します。

③各アーキタイプとのマッチアップについて

・赤単

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 調整再開した段階である程度意識しているだけあって、ドブンされなければ有利に立ち回れるゲーム展開が多いです。サイズの大きい生物、とりわけ《朽ちゆくレギサウルス》+《影槍》を目指すことになりますが前者だけでも押し切ってしまえる展開もあります。
 負けパターンとしては《義賊》でこちらの勝ち筋となるカードを盗られたり、順当に《鍛冶で鍛えられしアナックス》+《エンバレスの宝剣》が揃ったり、《朱地洞の族長、トーブラン》を処理できないまま面展開に押し切られるといった展開です。

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OUT

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 サイドから除去を追加し、頭数を減らすことに注力します。
ブロックに回れない《真夜中の騎士団》は優先度が落ち、《悪ふざけの名人、ランクル》もサイズの不安定さからブロックに回ることはほぼ無く、攻撃に回っても生贄モードは弱い場面が多いためこちらも同様。《死より選ばれしティマレット》は一見するとゲインが付いていたり信心でタフネスが上昇したりするのですが、《鍛冶で鍛えられしアナックス》や成長した《遁走する蒸気族》を打ち取ることが出来ないため優先度が下がります。但し相手が《不気味な修練者》《灰のフェニックス》を採用している場合は代わりに《黒槍の模範》を1枚減らします。

・サクリファイス系(ラクドス、ジャンド)

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 猫かまどが揃ってしまうと回避能力を持たない生物の攻撃が通らなくなってしまう上に《波乱の悪魔》によって飛行クロックも潰されてしまいます。
 どちらでも楽ではありませんが、ラクドスだとメインエンジンに加えて《初子さらい》《忘れられた神々の僧侶》といったカードもあるためより厳しいマッチアップです。いずれにしても各種回避能力持ちや《影槍》が重要となります。

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・ジャンド

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・ラクドス

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OUT(ジャンド・ラクドス共通)

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 《波乱の悪魔》《魔女のかまど》を阻止するため《壮大な破滅》《魔術遠眼鏡》は共通でインします。
 ジャンドであれば《フェイに呪われた王、コルヴォルド》も処理する必要があるため《害悪な掌握》を追加し、《虐殺少女》等の重めのカードもサイドインされるため《苦悶の悔恨》を1枚だけ追加します。ラクドスであれば《忘れられた神々の僧侶》《悲哀の徘徊者》用に軽量除去を追加します。
 タフネス1である《黒槍の模範》は最も優先度が落ち、《朽ちゆくレギサウルス》は《影槍》を引かなかった際にお荷物となるためこれらを全てサイドアウトします。

・ティムールアドベンチャー

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 現環境の王者の一つ。相性はかなり悪いです。《幸運のクローバー》で《砕骨の巨人》《厚かましい借り手》でこちらのどんなサイズの生物も容易に処理されてしまいます。盤面を返されてしまうと《エッジウォールの亭主》《僻境への脱出》による無尽蔵のアドバンテージで押しつぶされてしまいます。相手側が多角的な対応手段を持っており、出来事生物がブロッカーにもフィニッシャーにもなるため非常にやりにくいマッチアップです。

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 《恋煩いの野獣》のトークンで止まる《黒槍の模範》、本体で止まる《石とぐろの海蛇》《死より選ばれしティマレット》を減量します。《願いのフェイ》《厚かましい借り手》に止められる《悪ふざけの名人、ランクル》もサイドアウト。妨害手段を多めにサイドインし、サイズの大きい生物で勝つことを狙います。
 《騒乱の落とし子》は《幸運のクローバー》から《砕骨の巨人》なり《願いのフェイ》経由で《嵐の怒り》で落とされてしまうため《影槍》を優先的に装備するよう心がけます。

・青白コントロール

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 直近では母数を減らしてきているようですが、少し前はそれなりに見かけたので触れておきます。《石とぐろの海蛇》のくだりでも触れておりましたが、豊富な妨害手段でこちらのクロックを潰しにかかってきます。サイドからは《ガラスの棺》《敬虔な命令》が追加されるため、生物を定着させることは更に難しくなります。
 しかし決して不利な相手ではありません。《厚かましい借り手》が入っていない形であれば相手の除去札は基本的に全てソーサリータイミング。《悪ふざけの名人、ランクル》《総動員地区》は比較的安全に攻撃を通せますし、《朽ちゆくレギサウルス》がディスカードだけして退場することはあまり無いです。盤面への展開は2体程度にとどめ、極力リソースを枯らさないようにしながら対応を迫ってゆき、カウンターが打てないタイミングを見計らって《石とぐろの海蛇》を唱えられる最大サイズで着地させます。

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 《残忍な騎士》を抜かない理由はサイド後追加される《太陽の恵みの執政官》を処理するためです。《黒槍の模範》は《メレティス誕生》や《アーデンベイル城》のトークンに止められてしまうため減らします。
 《影槍》+《残忍な騎士》があれば《夢さらい》を処理できるのでは?と思うかもしれませんが、《夢さらい》の起動に対して1マナずつ要求されるので相手の手札の枚数によりますが膨大なマナを要求されます。仮にそれが成功したとしても《影槍》本来の強みがほとんど活かせないためサイドアウトすべきです。《石とぐろの海蛇》で《夢さらい》を止めることも出来、X=5以上なら攻撃すら躊躇わせられます。

・バントミッドレンジ

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 環境初期の方で一定数いたシミックランプに白を加えたような構成。こちらも現環境ではそこそこ見かけるアーキタイプです。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《ハイドロイド混成体》といったゲイン・ドロー付き生物の分だけ青白コントロールよりやり辛いマッチアップです。端的に言うと不利。

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 各種PWや生物を落とせるため《害悪な掌握》は万能除去となります。《黒槍の模範》をサイドアウトするのは相手のサイドに《恋煩いの野獣》がよく採られているためです。

・ティムール再生

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 《運命のきずな》亡き後は一定数存在しているアーキタイプ。こちらが先手で3t《騒乱の落とし子》をしても後手から《成長のらせん》→《嵐の怒り》で一掃されてしまうようになり、《タッサの介入》によって更に対応力が高まっております。不利寄りではありますが、《朽ちゆくレギサウルス》《破滅を囁くもの》が処理され辛いため、《タッサの介入》を他のカードへのカウンターとして切らせ、これらの高タフネス生物を定着させることを狙います。

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 サイド後に《夜群れの伏兵》が追加されるため、ここでも《残忍な騎士》は残します。《死より選ばれしティマレット》は《自然の怒りのタイタン、ウーロ》用に残したいですし、《石とぐろの海蛇》はX=5以上での着地が見込めるため、軽量生物の中では《黒槍の模範》の優先度を下げます。
 《影槍》を残す理由はティムールアドベンチャー戦同様、《騒乱の落とし子》のタフネス底上げです。《朽ちゆくレギサウルス》へあらかじめ装備しておくことで《砕骨の巨人》+《溶岩コイル》《嵐の怒り》を耐えることも出来ます。


 以上が各アーキタイプへの立ち回りやサイドインアウトになります。
もしこの相手に対しての情報が欲しい!というご意見がありましたらコメント等お待ちしております。

 ちなみにこのデッキを使ってからはそれなりの勝率を維持しており、ミシック到達後はマッチ勝率10-1!等と息巻いておりましたがその後収束して勝率は63%程度に落ち着きました。一応上位1200人以内にマークすることは出来たので、ぼちぼち勝てるデッキではあるのかなと感じております。

 今月は現時点ダイヤ4なので、ミシックに到達できるよう今後も調整・練習してゆきたいと思います。

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