映画を観た記録1 2024年1月1日    小津安二郎『東京暮色』

Amazon Prime Videoで小津安二郎『東京暮色』を観る。

とてもハードな映画です。

有馬稲子演ずる明子は死んじゃうのか。そこは驚く。

人格的には神経症的である。明子の姉の孝子の夫も神経症的である。そして姉妹を生んだ母は、父・周吉が京城へ赴任したとき、山田五十鈴演じる母は、中村伸郎と夫婦になってしまっている。

戦争の影がこの映画にも落ちている。

明子が神経症的になってしまうのは、田浦正巳演ずる男の子どもを身ごもってしまい、その子をどうするか、思いあぐねていたからである。

全体的にトーンが暗い。

希望がない雰囲気である。

小津安二郎映画に特徴的なこどものいたずらのような笑いもない。この映画では、笑いという要素がない。

心暖まることもない。

いわゆる「小津映画」を期待して観ると、面食らうかもしれないが、笠智衆、原節子、杉村春子、小津映画の面々は出ている。

照明で感情を表現する演出が多用されていたり、背中だけを写すなどして、感情の起伏を表現している。

挑戦作なのではないか。

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