映画を観た記録173 2024年9月11日   エドマンド・グールディング『結婚協奏曲』

Amazon Prime Videoでエドマンド・グールディング『結婚協奏曲』を観る。

判事に就任する前の日付で結婚した6組の夫婦が無効だったことを知ってからのソフィスケイティッド・コメディである。

就任前のおっちょこちょい判事をヴィクター・アレンが演じる。

ジンジャー・ロジャース、マリリンモンローらが出演している。夫婦6組のそれぞれを独立させて描く形である。

僕が微笑ましいと感じたエピソードは、最後の軍人のエピソードである。ある軍人が出征する前に、就任する前の判事の下で結婚してしまい、無効という手紙が知事から届いた。ミッツィ・ゲイナー演ずる奥さんは妊娠している。結婚が無効になると、子どもが婚外子となってしまうので、子どものことを考え、夫でもある軍人は、無断で外出してでも結婚しようと企むエピソードである。結局、無断外出した夫は、結婚しようとした判事事務所で偶然にも、憲兵に見つかり逮捕されてしまうが、その後は、粋なはからいというか、ハッピーエンドで終わる。

ハリウッド映画で落ち着いて観られるのは、この種のソフィスティケイティッド・コメディである。殺人もないし、世俗の雑事が喜劇化され、しかも、上品、知的という癖のないジャンルである。

リラックス効果がある映画である。

本作は1952年公開。その7年後にカサヴェテスの『アメリカの夜』が発表される。7年のあいだにハリウッドは変容していったのである。

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