映画を観た記録114 2024年7月4日     デビッド・ウォーク・グリフィス『散りゆく花』

Amazon Prime Videoでデヴィッド・ウォーク・グリフィス『散りゆく花』を観る。

本作品は、中国人街や帆船、ロンドンの霧などの美術が見ものである。

グリフィスの一般的な紹介のされかたはカットバック、クローズアップの発明ということである。事実、本作品もリリアン・ギッシュ演ずる少女の父親が少女が病気で臥せっているリチャード・バーセルメス演じる中国人の家に怒鳴りこみ、ドナルド・クリスプ演じる怒る父親の目を殊更強調した画面が、クローズ・アップであり、強調しすぎではないかとさえ感じた。

観ていて、気づいたのは、決して観客が迷わないような撮影をしているということである。常に方向が一定しているので、観客は迷わない。

そして、映画ならではの演技を俳優が開眼しているということでもある。視覚的に感情を表す演技である。現代の映画に見られる「自然主義」的演技からほど遠い。

エイゼンシュタインはグリフィスから影響されたとしか思えない。

映画黎明期の作品である。ユナイテッド・アーティスツ最初の作品である。1919年製作。

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