映画を観た記録113 2024年6月30日    ジャン・ヴィゴ『新学期・操行ゼロ』

Amazon Prime Videoでジャン・ヴィゴ『新学期・操行ゼロ』を観る。

抑圧的な寄宿舎での子どもたちの反乱を描く。

枕投げ合戦のときに枕が破れ飛び散る羽根の中、子どもたちが動き、はしゃぎまわるシーンは素晴らしい。

校長先生が小人である。

新舎監ユゲはステッキを持ち、チャップリンの物まね歩きをする。本作品は1933年公開の映画である。当時のチャップリンの人気、影響が感じられる。

撮影監督はボリス・カウフマン。ボリス・カウフマンの兄は映画監督のジガ・ヴェルトフ。ボリス・カウフマンはロシア生まれのソルボンヌ大学卒業。フランス軍に従軍しナチスに戦う。フランスは破れ、カナダへ移住し、ジョン・グリアソンとともに仕事もしている。その後、アメリカに渡り、『波止場』『十二人の怒れる男』の撮影監督も務める。

本作品のアナーキーまでの子どもたちの衝動の昇華は素晴らしい。深刻に作ってなく、祝祭のような画面空間にしている。

大傑作である。

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