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さらばカウボーイ家族

カウボーイ家族の公式アカウントからLINEが届いた。平素より…で始まる文面に嫌な予感はしていたが、今月末で閉店するらしい。

1回しか行ったことはないが、なんてったって「カウボーイ家族」だ。「カウボーイレストラン」とか「カウボーイファミリー」とかではない。「カウボーイ家族」だ。最後に会いに行こう、カウボーイ家族に。

坊や

福岡市内から地下鉄とJRを乗り継ぎ、向かったのは春日市。やっと会えた名前の分からない坊やに頬が緩む。

早速店内に入ると、そこにはいつもと変わらないカウボーイ家族があった。変わったことと言えば、至る所に設置されたアルコール消毒液。そして、テンガロンハットにジーンズというテキサススタイルの店員さんには似つかわしくない不織布マスク。閉店の理由は知る由もないが、コロナの影響が少なからずあったことは想像に難くない。

家族写真

注文したのはステーキとサラダバイキングのセット。このお店は注文を受けると店員さんが皆一斉に「サンキュー!」と鬨の声を上げてくれるが、今日のサンキューはなんだか寂しい。それもそのはず、店員さんがキッチンとホール含めて2人しかいない。いわゆるしんがりというやつか…。


食事を終えて一息ついていると、夕陽が差し込んできた。うっすらかかっているカントリーミュージックを聴きながらしばし感傷に浸る。近代化が進み、時代に取り残されていくカウボーイたちもこんな気持ちだったのだろうか。もう開拓時代は終わりだ。でも、次の時代でもフロンティアスピリットは忘れないよ。ありがとう、カウボーイ家族。

カウボーイビバップ


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