見出し画像

さらば西新パレス

先日西新パレスが閉館となった。
西新パレスといえば、私の大学生活とは切っても切り離せないものだった。
講義の合間に、サークルの新歓ボウリング大会に、飲み会の2次会に。たくさんの思い出の詰まった施設。
最終日は大学の友達と看取りたい。早速みんなを誘おう。

みんなは大人になっていた。選択肢を天秤にかけ、非情な決断を下せる大人だ。
それが悪いとは思わない。家庭がある人だっている。たかだかボウリング場と言われればそれまでだ。
仕方がないので十徳御膳のにほんじるさんを呼ぶ。

西新パレスでのボウリング経験はなし

バイトを終え、今までの思い出を振り返りながら受付へ急ぐ。
いろんな思い出があったが、最期ににほんじるさんとボウリングをするのも悪くない。
そんなことを考えていた矢先、私たちに気づいた店員さんがこちらに駆け寄って声を掛けてきた。

「この時間からは会員さんしか投げられないんですよ」

私は会員ではない。

時を越えて
君を愛せるか
本当に君を
守れるか


気付けば先輩、同期、後輩はみんな卒業していた。西新に残っているのは私一人。
それでも、西新パレスだけは私と一緒に西新を守ってくれると信じていた。
突然の別れに心にぽっかりと、スプリットのように穴が空いた。
わかった、1本倒したって仕様がない。ストライク狙いで思いっきり投げてみるよ。
ありがとう、西新パレス。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?