エデュコレインタビュー:出展団体⑬【ここのね自由な学校】
こんにちは!
今回のエデュコレは、関東,東海,関西,九州の4地域で開催し、インターン生も多様な地域から集まってます。このnoteでは、インターン生が出展団体さんに赴き、インタビューをしてきた記事をUPしていきます!
記事を見て、出展団体さんのことをイベント前に知ることで当日がより充実した時間になるかと思います。また、今回参加できなくても、興味・関心のある団体や学校はきっとあるはず。このインタビュー記事が、その団体の活動をより詳しく知る機会にもなればと思います。
是非チェックしてみてください!
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ここのね自由な学校の秋篠奈菜絵さん、山下浩二さん、山本百華さんにお話を伺いました。
ー「ここのね」という名前の由来を教えてください。
この学校は、ベースとしているのはサドベリースクールですが、それはあくまでベース。全く同じにするのではなく、良いと思ったところを取り入れながら、自分たちの良さを生かし、唯一無二の学校をつくっていきたいと思っています。
立ち上げたスタッフの3人(秋篠、山下、山本)で「自分を大事にしよう」というキーワードが一番はじめに出たんですね。「自分の心の根っこの部分、自分がやりたいとか、やりたくないとか、好き嫌いという気持ちをまずはちゃんと聞こう」というところを大事にしたいと思います。その上で、自分と他者との違いを知り、そこでより良い人間関係のつくり方も学ぶことができます。「ここのね」という名前には、「心の根っこ」・「個々の音色」・「今ここ」という意味が含まれているんです。
ーここのね自由な学校は、どのような学校ですか?
「わたしの『こたえ』を創っていく。」を理念とし、それを実現するために、「あなたでいい、あなたがいい」「子どもがつくる、子どもとつくる」「社会で学ぶ、社会を創る」という3つの柱を大事にしている学校です。
スタッフは、子どもの感情が自然に動くところを大事にしているので、何かを強制することはありません。そのため、一見すると好きなことばっかりやっている学校に見えるかもしれません。しかし、私たちは子どもが「今夢中になっていること」の中にこそ、大切な学びが詰まっていると考えています。「想像力」「集中力」「判断力」「決断力」「好奇心」「創造力」……その他たくさんの目には見えない学びが詰まっています。そしてそれは、どれも子どもたちがこれからの人生を生きていく上で大事なものばかりです。また、活動を重ねる中で「もっと知りたい」「もっと学びたい」という子どもたちの気持ちが溢れたときに、「読み書き計算」などの必要性が出てきます。そのときの子どもたちの行動や表情、心境をスタッフが把握して、子どもたちから「学びたい」という声があがったときに、学びのクラスを作ります。
スタッフは、子どもが「学びたい」と言ったときにベストな環境、ベストな方法で学べるように準備をしておきたいです。そのため、元小学校教諭の秋篠は日頃から教材を準備し、子どもたちが「楽しく学ぶ」ための工夫を考えていきます。また、子どもたちが「本物」と直接繋がれるように「外部講師制度」も充実させていきたいと考えています。これから、多様な職業、趣味、価値観をもつ大人たちとスタッフが繋がり、「外部講師」に登録して頂き、子どもたちが自分たちで「この人にこんなことを教えてほしい」とアクセスできるような環境を整えていきたいです。また、日頃から異学年で学ぶ環境だから、わたしたちスタッフだけではなく、お姉ちゃん、お兄ちゃんに教えてもらう子も自然に出てくるところも良いと思います。
3人とも、子どもたちに何かを押し付けることはしない、子どもたちの心が動いた時に全力でサポートしたいと思っていることは共通しています。目の前にいる子どもたちとわたしたちの気持ちよさが心地いいと思えるところにしたいですね。
ーどういったところがここのね自由な学校の特徴でしょうか。
スタッフの3人ともが周りの人を巻き込む力があるから、いろいろなものに関わるパイプがある学校になるのではないかなと思います。まちづくりもベースにしているので、関わる範囲が広いかもしれないです。学校で完結しない、周りを巻き込むというのを最初にしています。
ここのねでは、どんな場面でも「対話」することを大切にしています。 私たちスタッフは、「物事の結果や表面上の言葉と行動だけを見ること」よりも「過程や子どもたちの深層心理の部分まで観察すること」を心がけています。 その上で、「あなたは本当にこれがやりたいの?」「なんでそれを選んだの?」の様な対話を重ねることを大切にしています。 自分に自信が持てたとか、自分が好きになったとか、自分はこんなことも好きだったんだ、というように自分の根っこの部分を自然と感じることができるといいですね。
「自分を認めることができた、すきになることができた、苦手な自分も良しとできた」という経験が大事だし、子どもの一番の味方は自分だと思うので、そんな風になったらいいかな。子どもだけでなく、地域の人、保護者も含め自分を認めてあげられるような場所になればいいなと強く思います。
自分のことをとことん知る、好き嫌い、得意不得意、できるできないを知ったうえで、個々の音色だと考えています。自分の好きと好き、相手の好きと自分の好きがぶつかることもあるだろうし、そうなったときに、自分の好きと相手の好きをちょうどよいところにするには…という対人関係を自然と学ぶこともできるでしょう。自分の好きを極めることは、将来のためもあるけれど、今この瞬間に熱中できる、好きなことをやりきるという力が身につくと考えています。
ー子どもと関わる上で、ここのね自由な学校を作る上で、大切にしていることはなんでしょうか。
大事にしていることは2つです。
ひとつは3人が自分の気持ちに正直でいること、本音で向き合うこと。
ふたつめは、子どもたちの可能性を100%信じること。何かを強制したり、過剰に評価したり、与え過ぎたりするのではなく、子どもたちを「信じて待つ」ことを徹底しています。
ー現在は開校に向けてどのような動きをされているのでしょうか。
学校を建てる場所を探し続けてもなかなか見つからず、8月末に青空教室でプレ開校をしました。ありがたいことに子どもたちが来てくれるようになったのですが、ますます場所を決めなければという気持ちになり、SNSで「場所を探しています!何か情報を頂きたいです」と広報をしたところ、たくさんの方から情報が集まりました。その中で、今の大家さんが自分の家の裏の蔵を貸すよと言ってくれ、その場所に一目惚れ。そこは、なんと言ってもわくわくする、異国のような、秘密基地のような場所で、どんなふうにも変えられそうな場所なんです。しかも、大家さんがとても素敵な方で、私達の活動を全面的に応援したいと言って下さり、場所も好きに改造していいとのこと。
まずは、大家さんのご好意で畑ができ、みんなでタネを蒔き野菜を育てています。次に建物内の内装を完成させます。壁は漆喰、床は板張り、トイレの設置工事など子どもたちを巻き込みながら活動していきたいですね。
開校については、来年の4月を目指していたのですが、学校の環境整備や自己資金を貯めるために、2、3年後に延ばす予定です。なるべく早く開校できるよう、別の事業で資金を作ることを考えています。
ー最後に、エデュコレ in 九州に参加される方へメッセージをお願いします。
“好きと出会い、学びが始まる”
ここのね自由な学校は、子どもも大人も自分の好きと嫌いに出会って自分の学びが始まるところです。
エデュコレは多様な教育の博覧会なので、わたしたちを含め、色んな方と話をして、教育に関する自分の好みを知ってもらう機会にしてほしいです。
ーありがとうございました!