見出し画像

〜エデュコレインタビュー:出展団体⑨【NPO法人JAE】〜

こんにちは!
今回のエデュコレは、関東,東海,関西,九州の4地域で開催し、インターン生も多様な地域から集まってます。このnoteでは、インターン生が出展団体さんに赴き、インタビューをしてきた記事をUPしていきます!

記事を見て、出展団体さんのことをイベント前に知ることで当日がより充実した時間になるかと思います。また、今回参加できなくても、興味・関心のある団体や学校はきっとあるはず。このインタビュー記事が、その団体の活動をより詳しく知る機会にもなればと思います。

是非チェックしてみてください!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回は、NPO法人JAEでキャリア教育コーディネーターをされている、塩見優子さんにお話を伺いました。

ーJAEはどのような活動をされていますか?

JAEは教育機関と企業・地域を繋ぎながら、学生が挑戦をする場づくりを行なっています。
プログラムとしては大きく分けて2つです。
1つは、小中高生を対象としたドリカムスクールです。ドリカムスクールは
企業や地域が抱えるリアルな課題や答えのない課題に対し、子どもたちと大人が一緒になって悩み挑戦していくキャリア教育プログラムです。
もう1つは、大学生を対象としたアントレターンです。アントレターンは、意欲のある学生が「期間限定の正社員」としてプロジェクトに関わる長期実践型のインターンシップです。架空のプロジェクトではなく、企業が実際に抱えている課題を大学生が解決していきます。
JAEは企業と学生の間に入り、双方のサポートをします。
 どちらのプロジェクトも子ども・学生を軸においていますが、プログラムを実践するプロセスが企業の課題解決や成長につながるものになっています。双方に成長する機会があるからこそ、お互いが頑張る状態ができると思います。

ードリカムスクールはどのようなスパンとステップで行なっていますか? 

ドリカムスクールのプログラムのほとんどは2〜3ヶ月のスパンをかけて実践されています。プログラムのステップとしては、大きく分けて3つです。
 初めに、企業が子どもたちに今回解決してほしいミッションを発表します。社員さんとしてしっかり一緒に作ってほしい思いや、理由・目的を伝えて頂きます。
 次に、子どもたちが企業に中間発表を行い、最終プレゼンに向けてのフィードバックを社員さんから頂きます。中間発表の日には具体的なフィードバックをもらうため、事前に子どもたちと先生が準備をし「これでいける!」という状態まで仕上げます。雰囲気も、中間発表用の部屋を準備したり、緊張感を持たせた状態にします。緊張感の中、子どもたちは精一杯発表をしますが、待ち受けているのは褒め言葉ばかりではなく、企業からのリアルな厳しい指摘も頂きます。プロの視点でしっかり考え抜いたのか、他の既存の商品と何が違うのかなど、具体的な指摘をされます。
 なぜこういうステップを入れているかというと、子どもたちに責任感とハードルを乗り越える経験を積んでもらうためです。「大丈夫だ!」と自信を持って出したものに対して困難が出た時に、どう進むのか?という体験を経験として持ってもらうきっかけにしたいと思っています。また、最終日に子どもたちが「やりきった」と言えるような体験にするためにもこの中間発表は「しんどいな」と思ったり、「でももう一歩頑張ろう」と他の子と話し合うようなテコ入れの日として活用しています。
こういったハードルを何度も繰り返すことで、子どもたちもたくましくなっていきます。「次にここを言おう」「いや、ここを言ったら、あの人はここを突っ込むで」みたいな会話が子ども同士でどんどん生まれていきます。
最後のステップは、いよいよ最終プレゼンテーションです。これにより評価が決まります。
そしてその結果とともに、社員さんがどういう思いで、普段の仕事をしているのかもお話していただいています。この課題解決の体験は実は社員さんにとっては毎日されている仕事の一部であることや、社員さん自身の仕事や生き方への経験を語っていただくことで、「はたらく」「仕事」「生き方」を考え自分に繋ぐきっかけになるよう工夫しています。
中間発表や最終発表は、企業側も子どもが一生懸命作ってきているのがわかるので、指摘することにためらいや苦悩も当然あります。相手を思って、より良くするためにもダメなことも伝え、全て見た上で、最優秀賞等を決めるのに悩まれます。子どもたちに対して、ただのダメだしではなく、モチベーションが上がるような指摘をしないと次に繋がらないので、社員さんにとっても伝え方を意識する機会になります。

その中でも難しい点は子どもは言葉をそのまま受け取るので、それも考慮した伝え方をしなければならないということです。どうやって伝えるかを大人も試行錯誤するので、全員にとっても挑戦できる場になっています。
そして、ドリカムスクールは先生の挑戦の場にもなっています。先生は極力意見を言わずに、
子どもの背中を押し、気づきを与える役割担っています。つい介入してしまいそうな場面も、見守ることに留めることは先生にとっても踏ん張る場面になっています。

ー塩見さんがJAEさんに働き始めたきっかけは何ですか?

働くきっかけとしては、はじめに半年間限定で派遣された中学校区の子どもたちと先生方との出会いです。
私が派遣された中学校は、家庭や経済的にも悩んでいる子が多い地域でした。以前、国際協力関係で活動していた頃は日本の教育水準は高いと言われていたため、日本でもしんどい思いをしている子がこんなに居て、その子たちのために命を削る思いで頑張っている先生がこんなにいることを知ったのが大きなきっかけです。

それに対して2つの感情が芽生えました。
 1つは「どうしてこんなにしんどい状況で生きている人がこんなにいるのか」ということに対する怒りです。人が進路を決めるときは、選択肢があるから選べると思うんですけど、そもそもの選択肢に繋がるロールモデルとの出会いがとても少なかったり、生きている環境がこんなにも辛い状況にいる子がいる事に衝撃を受けました。
 もう1つは「何かできることがあるのでは」という思いです。プロジェクトに半年携わった後もこの思いは変わりませんでした。何かできそうな気がするのに半年で終わらせるのは私にはできませんでした。「教育」で地域がより良くなるために、どこまでできるのかを挑戦したいと思い、今に至ります。

ー最後に今回エデュコレに出展するにあたり、どのような人にきてほしいですか?

子どもに対して、出会いや機会を広げたいと思っている人、今の学校の課題を先生方と共に学校現場をサポートしたいと思っている人、学校と地域を繋げたいと思っている人です。そのような人に対して私たちも情報提供ができるので、いろんな人と繋がれたらと思います。

また、JAEがやっているプロジェクトもボランティアスタッフという枠もあるので、その中で興味を持った人は一緒に現場に入ってもらえたらありがたいと思っています。そのような素敵な出会いの場になったら嬉しいです。

ー貴重なお話ありがとうございました。