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教育視察ツアーin韓国 2016 Report#3

今日は行程の最後に、「ここまでの振り返りセッション」という時間を持ちました。
教育視察ツアーでは、この振り返りをとても大切だと考えています。
1人ではなくて、みんなで視察することのよい点は、同じ現場を見ても、それぞれに違うことを感じること、違う視点で考えることです。それを共有する機会をつくることで学びを何倍にも深めることができます。
今日のセッションでは、昨日と今日で感じたことをそれぞれアウトプットして聞き合い、ぐちゃぐちゃにインプットされていっぱいいっぱいになっているものを少し落ち着けることができ、かつ自分の中に生じている問いをピックアップできればと考えました。
 
現場の空気を肌で体感すると、「これいいなあ!」という共感も生まれますが、一方で「これってどうなんだろう?」という違和感やモヤモヤ、問いも生まれてきます。ツアーでは、この違和感やモヤモヤにあえてフォーカスして自分の見つめ直しをする、ということをよくします。
 
訪問先ごとにポストイットの色を変えて、共感した点と、違和感を抱いた点をブレストし、模造紙分けて貼り出します。

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そして、それを俯瞰して眺めながら、熱のあるポイントから感じたことや考えていることを語り合います。

「自分たちや地域の未来を自分たちが担っているのだという感覚を持っていることがすごい。」
「価値観を共有するコミュニティで活動できるのは素敵だけど、そこには閉鎖性や排他性も潜んでいるのでは。」
「成績等はつかないとのことだったけれど、学びに対して評価というのは必要ないのか?」
「MOMOでは輪になってメモをとらずに話をし合ったけれど、書かないということは学んだという感じがしなくて不安に思った」
「先進的な取り組み、洗練された空間に驚いたけれど、果たしてここに来ない(来られない)層の人はどうしているのだろう。ここはいいかもしれないけれど、全体から見るとどうなんだろう?」

などなど、様々な視点から感じていることを出し合いました。


そして、みんなでサークルになって、2日目を終えた現時点での自分の状態、考えていることをシェア。

「人がつながる結節点として”空間"ってすごく大きいんだなと感じた。」
「社会と教育がこんなにつながっているって今まで知らなかった。感動して疲れた。」
「いいと感じたことを、どの部分をどうすれば日本で生かせるか、考えています。」
「自分が凝り固まっているなぁと感じた。あと2日、もうちょっと自分を崩したい。」

モヤモヤを抱えて過ごすのは、正直とても疲れるけれど、非日常の出会いの渦の中で、日常の自分や、自分のいる社会のことを振り返り、そこから教育を考えることにはとても意味があると思っています。

明日は、ソウルから少し離れ、郊外の南漢山学校を見に行きます。公立学校を内側から、子どもたちが主体的に学べる民主的な学校に変えていこうという「小さい学校運動」の皮切りになった学校です。
またレポートします♪
 
(2016/03/28 投稿:武田緑)