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教育視察ツアーin韓国 2016 Report#1

3泊4日で韓国での教育視察ツアーを実施。
今回は日本の春休み中に実施できたこともあり、学生さんはもちろんですが、現役の学校の先生、大学の先生、小学生のお子さんと一緒に親子参加の方など多様なバックグラウンドの方が参加してくださっています。
 
受験競争の激しさで有名なお隣の国・韓国。
一方で、詰め込みではなく体験型の学びを重視し、子どもが学校自治に関わる民主的な"代案学校"(日本でいうフリースクールやオルタナティブスクール)の運動も盛ん。
果たしてこの国の教育はどう成り立っているのでしょう?
また、どんな課題を抱えているのでしょうか?
今回の4日間で全容を理解する、というのは難しい話ではありますが、理解の糸口をつかむべく、メンバーみんなで学んでいきます^^
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さて、7:30(早朝!)に関西空港で眠い目をこすりつつ、集合。
飛行機で一路、仁川空港へ。空港からバスでソウル市内へ移動。
ホテルでコーディネーターのチョウ・ミスさんと合流しました。
 
まずは、韓国の教育の全体像のレクチャーを受けるべく、城北区にある『インディ学校』へ。
インディ学校は、学校外青少年(不登校と中退者を含む呼び方)の学び直しと自立へのサポートを行うために設立された代案学校。城北区内にある70の青少年向けの活動を行う市民団体のネットワークによって2013年に設立され、約20名の青少年が通っています。
 
そこで校長先生と、インディ学校の母体である『城北区児童青少年ネットワーク』の中心的な団体『たのしい教育創造』の代表の方から、韓国の教育事情について、そしてインディ学校の紹介を含めて城北区での取り組みについてお話を伺いました。

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すべての情報を書くと大変なので以下印象的だったことをいくつかピックアップして共有します。
(メモそのままなのでまとまってなくてすみません)

●大学進学率は非常に高く85%もある。
●不登校や引きこもりは多く、そのうちの半分は中産階級以上。その人たちはホームエデュケーションや代案学校があるが、もう半分の経済的困難層の子どもたちには打つ手があまりないのが現状。
●代案学校自体はそういう事情もあり増えている。
●本来地域や家庭で担うべき役割まで学校に求める傾向が強まっていて、先生たちは大変。(日本と同じですね)
●自治体ごとに独立した「教育庁」があり、地方教育行政に大きな権限がある。そのトップの教育監は直接選挙で選ばれる。そのため、トップが変われば大きく教育状況が変化する仕組みになっている。
●日本でいう"高認"に加えて、"中学校卒業程度認定"資格がある。
●今韓国では、革新学校(イノベーション学校)及び革新教育地区というのが設定されている。革新の内容は、平たくいうと、民主的な学校運営(生徒自治)と詰め込みでない教育、ということ。
●城北区も革新教育地区に今年から設定されて、インディ学校の校長先生がそのリーダーをしている。
●ソウルは、2011年の選挙で教育監が革新派になり、生徒自治を強化している。まだ進度はまちまちだが、それを率先してやっているのが革新学校である。

...などなど、これから視察するうえでの基礎的な情報を確認することができました。
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その後、明洞へ移動して、日本語がペラペラな4人の韓国人大学生と合流。サムギョプサルを食べながら交流会となりました♪
日本のアイドルの話や、韓国の文化の話に花を咲かせつつ、彼らの経験からリアルな"韓国の教育"を垣間見ることができました。

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「ハイランクの大学」に入るために中学・高校時代はとにかく勉強漬けになるということや、ソウル市内の大学に入ることがステイタスであるということ、大学1回生は受験から解放されて就活までにも間があるからみんな遊ぶ時期だということ、大学受験は、「修能」というセンター試験を受ける人が約半分、高校の成績+特技+論述で受けられる日本でいうAO入試のようなものを受ける人が約半分ということなどなど。
通訳を介さないコミュニケーションで、みなさん聞きたいことをいろいろ聞けたようです^^

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明洞の屋台で買い食いをしつつ、ホテルへ戻った頃にはさすがにクタクタ。ゆっくり休んで、明日に備えます。
ちなみに、明日は『ソンミサン学校』『青年ハブ』『平和教育NPO・MOMO』を訪ねます。またレポートします♪
 
(2016/03/27 投稿:武田緑)