見出し画像

これまでにない付加価値で差分を生み出し続けたい。まずはお子さまの進路選択の領域で新しい文化を作る(DeltaX CEO黒岩剛史インタビュー)

日本最大級の学習塾検索サイト「塾選」を展開する株式会社DeltaXでは、現在一緒に働くメンバーを募集しています。全国10万教室以上の情報や多数のクチコミなど最適な塾を選ぶためのコンテンツのほか、その情報を最適化しユーザーに届けるUI・UXやシステムの開発など、活躍の場は多岐にわたります。ユーザーファーストを貫く「塾選」をどんな思いで立ち上げたのか、そしてどんな未来を描いているのか、創業者でありCEOの黒岩剛史に話を聞きます。

<プロフィール>
2002年、株式会社リクルート入社、ネット事業部などを経て、2006年 3月に株式会社イトクロを設立、代表取締役に就任。2012年8月 Raizzin Pte Ltd Directorに就任、2022年6月 株式会社DeltaXを設立、代表取締役社長 兼 CEOに就任。

DeltaXの事業について教えてください。

DeltaXは、全国10万教室以上の情報を掲載する日本最大級の学習塾検索サイト「塾選」を運営しています。小学生から高校生を対象として、自分に合った最適な塾を見つけることができます。各塾や教室の特徴を解説する情報や、経験者から集めたリアルなクチコミ、取材に基づく合格者インタビューなど、お子さまにあった塾を選んでいただけるように豊富な情報を取り揃えています。

DeltaXを創業したきっかけはなんですか?

自分が仕事のなかで培ってきた経験と個人的な体験とが噛み合ったのが大きな原動力になったと考えています。まず私の経歴をお話させていただくと、2002年に新卒で株式会社リクルートに入社しました。リクルートはご存知のとおり飲食店検索サイトの「hotpepper」や物件検索サイトの「SUUMO」など、さまざまな領域でメディア事業を運営している会社です。入社当時は雑誌など紙メディアでの情報提供が主力でしたが、私はデジタルメディアの部署に配属され、その仕事を通じてインターネットメディアでの集客やマーケティングのノウハウを学びました。

ネットメディア時代の黎明期からネットでの集客・SEOに携わってきた黒岩

その後、デジタルメディアの仕事で身につけた知見を活かし、情報と顧客をマッチングするメディア事業を運営する会社を立ち上げました。当時、検索エンジンで情報を探しても、欲しい情報にすぐたどり着けなかったり、信頼性が低い情報が多かったりという課題を感じていたので、信頼性を担保した情報を揃えて最適なマッチングをすることに価値があると考えたからです。そこで運営していたメディアのひとつが塾選の前身となる学習塾検索サービスでした。その事業をさらに進化させるため、2022年にDeltaXを設立。2022年7月にサービス名を「塾選」に変更し、今に至ります。

そもそも、なぜ「学習塾」の情報を扱い始めたのでしょうか?

自分自身が「学習塾選び」に不満を感じたからでした。自分の子どもの受験を見据えて塾選びを始めたんですが、いざ塾を選ぼうとすると、子どもの希望する進学先に合格するためにどこが最適な塾なのかがわからなかったんです。

私は、実際にその塾に通った経験がある人たちがどこに進学したのか、塾でどのような勉強をしたのかなどを知りたかったのですが、そうした情報が掲載されている場所がありませんでした。

これがホテル検索サイトであれば泊まった人のクチコミがありますよね。年齢や性別、宿泊した時期、利用したプランなどがわかるようになっています。家族連れかカップルか、出張目的か観光目的かなどで選ぶホテルは違うので、そうしたクチコミは必須です。経験者の情報が充実することで最適なホテルを見つけられます。

しかし学習塾となると、クチコミはあっても誰が書いているのか、その人はどんな点を重視しているのか、どういう評価をしているのか、という情報がどこにもありませんでした。

考えてみると学習塾を選ぶことは、その先の進学先を左右するかもしれない人生の大きな選択のはずです。なのに最適な塾を選ぶための情報が欠けているのはおかしいなと。他の情報サイト以上に、自分の目的や重視するポイントに合わせて塾を比較検討できるサービスが必要だと考えたんです。

SEOはテクニックではない、本質的にいいコンテンツであることが必要

事業を行う上で、大切していることはなんですか?

「塾選」に限らずメディア事業全般に言えることですが、「正しい情報を正しく伝えること」が最も重要だと考えています。これまで多くのインターネットメディアを立ち上げ、運営してきましたが、そこを忘れるとよい結果にはつながりません。

メディア事業を軌道に乗せるには、顧客に情報を届ける必要があります。どんなによい情報を出しても顧客の目に触れなければ存在しないのと同じです。そのため、情報を求めるユーザーが集まる検索エンジンで上位をとって目に留めてもらうようにすること、つまりSEOは必須です。私はこれまでの経験から、SEOに対しては日本でもトップクラスの技術と経験を持っていると自負しています。

ただSEOというと、googleなどの検索サイトのアルゴリズムに評価される要素を把握し、それを技術的に満たすことだと考えられがちですが、それは本質的ではないと考えています。

検索する人が求めている情報を正しく備えたコンテンツをいかに用意できるかがSEOの最たるものだと考えています。ですから高品質な情報コンテンツを豊富に揃え、その情報を知りたい人に適切に届けられるように工夫を重ねながら事業を運営しています。

会社の風土、価値観で大切にしていることはどんなことですか?

組織としては、「率直で円滑なコミュニケーション」と「情報の透明性」を大切にしています。

率直で円滑なコミュニケーションは事業を成長させるためには不可欠だと考えています。まだまだ小さい組織なので、一人ひとりが果たす役割や会社に与える影響は小さくありません。しかも当社は日本全国に社員がいて、基本テレワークで業務可能としています。私自身がシンガポールと日本を行き来しているので、コミュニケーションはオンラインが基本です。ですので、たとえば事業の方針や判断などを社内で共有するときは、そこに至った背景まで丁寧に伝えるように心がけています。

ベンチャーなので、朝令暮改といいますか、判断がすぐに変わることもありますが、そうしたときも私が言ったから従ってもらうのではなく、わからないことは率直に意見をぶつけてもらうようにしています。メンバーが納得したうえで仕事に取り組まなければサービスはよいものになりません。「違和感があったらそれを解消する」ことが重要だと思っています。

そして、意見をぶつけあえるようにするために会社の情報もできる限り社員に対してオープンにして透明性をもたせています。できるだけ同じ情報を社内で共有しあい、それに基づいてメンバーひとりひとりが顧客にとってビジネスにとって最適な判断は何かを考えられるようにしたいと考えています。

入社してきた社員からは「いままで関わった会社のなかで、一番ビジネスチャットの雰囲気があったかい。100%オンラインなのに、孤立感がなくて安心した」といった声が多いですね。こういう空気感は、社員全員で大切にしていきたいです。

業務はオンラインだが、年に2回社員全員が東京に集まる全社総会を実施している

また、事業面では「これは本来こうあるべきなんだろうか?」という違和感を持つことを大切にしています。違和感が生まれたら問いを立て、それをどうしたら解決できるかを考えること。たとえば塾のクチコミで辛辣なご意見を寄せる方もいらっしゃいますが、そういうクチコミを「塾に問題点がある」あるいは「このクチコミは事実に反する」と、表面的な内容だけで判断はしません。「どうしてこの人はこんな辛口なコメントをしたのだろうか?」と疑問を持てたなら、たとえば塾のカリキュラムの説明が不足していたためにミスマッチが生じたのかもしれない、それであればこういう情報を盛り込もう、というようにサービス改善につながる気づきを得られるかもしれません。ひとりひとりのこうした違和感や気付きを大事にできる環境づくりを心がけています。

意思決定や事業推進をスムーズにするには、経営陣とメンバーの視点が一致しているのが理想的です。ビジョンや方針の浸透もさることながら、こうした違和感や気付きを安心して伝えられる環境をこれからも大事にしたいですね。

採用にあたって、どんな人と仕事をしたいと思っていますか

「物事の本質はなにか?」を考えられる人といっしょに働きたいと思っています。まだまだ小さな会社で、成長中のサービスなので、みんなで同じ目線で事業やサービスを考えながら、ひとりひとりが主体的に行動していく必要があります。ちゃんと良いものを作りたい、と思っている方には気持ちよく働ける環境だと思います。

スタートアップだからこそ正しくスピーディーな判断による事業展開を重視

スタートアップではありますが、私も含めて事業会社を経た経験者が多いのと、意思決定はロジカルに行うことを大切にしています。がむしゃらに当たって砕けろ、というような働き方ではないので、納得感を持って仕事に向き合えるのではないでしょうか。かといって細かい指示があるわけでもないので、自分に求められる仕事はなにかを考えて理解し、自律的に働ける方でないと、なにをしたらいいかもわからなくなってしまうかもしれません。やることをきちんとやっていれば働き方も場所も自由です。自由な環境でも自律的にパフォーマンスを発揮できるタイプの方にはフィットすると思います。「いいプロダクトを一緒に考えて作っていきたい」「新しい価値提供にチャレンジしたい」という志向があればぜひ応募してほしいですね。

会社の目指すところ、ビジョンを教えてください

会社ホームページにも記載していますが、社名である「DeltaX」の由来は数式の「Δx(デルタエックス)」、つまり「差分」です。世の中にはたくさんのサービスがありますが、もっとよい価値を提供する余地はあると感じています。私たちはそうしたサービスにが付加価値をつけて差分を生み出し、よりよい価値提供をしていくことを目指しています。

いまは教育という領域で「塾選」という事業に注力しています。「人々の進学先選びを日本で一番サポートできる会社になる」という思いで、最適な塾選びができるサービスを目指しています。塾選も始めた当初は、学習塾側が集客方法や問い合わせ対応も手探りな状態で、顧客側にも不便を強いられている状況でした。しかし塾選をご利用いただくようになり、学習塾と顧客の最適なマッチングを実現できていると感じています。顧客はあらかじめ塾選で塾の詳細やクチコミを見てから問合せているので、入塾率が高いという結果が出ています。情報提供に協力いただいている塾ブランドの方からは、集客効率が上がり、重要な塾の経営のほうに時間をかけられるようになったと喜んでいただけています。

学習塾選びの領域にはまだまだ課題や改善点がたくさんあります。まずは「塾選」というサービスを磨き続け、よりよい未来の選択に貢献したいと考えています。

当社のミッションは「人生における後悔を減らすお手伝いをする」というもので、事業領域は教育の領域だけにとどまるものではありません。DeltaXの名が示すように、われわれが付加価値をつけることで差分を生み出せる領域はたくさんあります。社員一人ひとりの気付きから新しい価値を生み出していく、そんな会社でありたいと思っています。

一緒に塾業界のサービス向上、さらに進学先選びの未来を作りましょう!