アドマイヤマーズ(軽く追記しました)

※わりと読んで頂いてるみたいなので7/29校正と軽く追記しました。ありがとうございます

Q.アドマイヤマーズ
質問頂きました。来週の予想記事の冒頭でも良いかと思いましたが、来週には忘れてそうなので共有しておきます

エンブロイダリー強かった。厩舎の仕上げも上手かったが、やはり触れておかなきゃいけないのは父アドマイヤマーズ。ノーザンFでも期待感が高い種牡馬で、何人かの馬主さんにお配りした空港さんの2024セレクトセール資料でも、イチオシがアドマイヤマーズ産駒。そのセレクトセールでは、他場が生産したアドマイヤマーズ産駒をノーザンFが落札する一幕もあった

根拠のひとつとして、最近は目にする事が多くなった「ミオスタチン遺伝子型」というものがある。ミオスタチンとは筋細胞の増殖分化を抑制する成長因子で、分かりやすく言えば、筋肉の過剰な増強を抑える働きがあり、ミオスタチンを介して筋量が調節されている。どのぐらいの感じに調節されるのか、検査によって、その「型」が判別されるものと考えれば良い

タイプはC/C型、C/T型、T/T型の3種類が存在し、簡単に言えばCはパワーがあり、筋骨隆々、早熟、スピードタイプ。Tは疲れにくい、華奢、晩成、ステイヤーという傾向がある。C/C型の種馬からT/T型は生まれない。同様に、T/T型の種馬からC/C型は生まれない。ディープインパクトはミオスタチン遺伝子型の検査を行っていないが、産駒に対して膨大な数の検査を行った結果、C/C型が1頭も居なかったので、T/T型である事が確定。先日ブログの方でも少し話題になったように、サトノカルナバルはC/C型。そしてアドマイヤマーズはT/T型というテストリザルトが公表されている

T/T型の種牡馬は、どうしても産駒傾向が晩成、スピード不足になるので、勝ち上がり率が低くなる事が多い。しかしアドマイヤマーズの初年度産駒は育成でも評判が良く、2歳の早い時期に(4.4.2.6)と好成績。自身の競走成績も2歳でマイルG1を制するなど、T/T型のイメージとは乖離。現時点で良い予感があるのは確かですね

ミオスタチン遺伝子型で気をつけたいのは、あくまでも「傾向」であって全部ではないという事。この後もアドマイヤマーズ産駒を、自分の目でしっかりと見ていきましょう

ちなみに、現在ドラフト中のシルク募集馬にもアドマイヤマーズ産駒が居るんですが、NGっぽかったです。その馬に関するインタビューの中でも、空港さんがアドマイヤマーズに期待してる感じは分かるので参照してみてください。あと、ロッテンマイヤーの項で「硬い✕硬い」と言及されていた点も興味深い。アドマイヤマーズがT/T型であるからして、エンブロイダリーの配合は「柔らかい✕硬い」という事か

欧州競馬には「T」を持つ種馬が多く、米国競馬には「C」を持つ種馬が多いそう。ディープインパクトがアメリカの肌馬と相性が良かったのも、このへんにヒントがあるのかもしれませんね

アドマイヤマーズも色々検証していきたいけど、1歳世代はあんまり数が居ないな……
昨年は129頭に種付けして、現時点で当歳は70頭ぐらい居るみたいですね

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