\why deleteC? 2022/僕ががんサバイバーになってわかったこと【大和リース株式会社 代表取締役会長 森田俊作様編】
池田:
deleteCを知ったきっかけは何だったのでしょうか。
森田会長:
2019年4月、日経新聞の一面に中島ナオさんの記事が載っていて「すごいな」と感心して会いに行こうと思ったんです。新聞やテレビで気になった人がいたら、大体、僕は会いに行くんです。けど、4月にナオさんが亡くなったと聞いて会いに行けなくなってしまったことがとても残念で…。新聞にはもう一人「deleteC代表理事・小国士朗」という名前もあったけど、どんな人か知らなかったし。。
ところがある時「注文をまちがえる料理店」というイベントの存在を知って、そこで「小国士朗」の名前を見つけました。「どこかで見たことがあるぞ?」ということでdeleteCを思い出して、それで小国さんに会いに行ったんです。
小国:
森田会長が「会いに行った」というよりは、僕が「呼び出された」が正しいですが(笑)
池田:
それで、どうしてdeleteCに協力しようと思われたのですか?
森田会長:
まずは、僕のがん体験からお話します。
僕は今66歳ですが、そもそも僕らの世代はがんという病気を隠す傾向にあるんですね。僕自身、2016年9月に肺がんのステージ4になったんですが、自分の97歳の母にはショックを与えてはいけないからと、今も伝えていないんです。がんを宣告された時に医師から余命は1年と言われて「それでは娘の結婚式には出られないなぁ」と思いました。
その後「もし僕が死んだらちゃんと喪主するんだぞ」と奥さんに頼んだら、「喪主って何するの」と質問されました。「喪主っていうのはな...」と説明しているうちに奥さんが泣き出して「そうなったら私、タバコをやめさせればよかった、と言ってしまうわ」と。死ぬ僕よりも、後に残される奥さんが後悔するのは嫌だと思って、その日からタバコをやめました。
それから5年半経って、今年の5月に寛解だと言われました。僕は5%の生存確率に入ることができました。
でも、死ぬ確率はみんな100%。人間はいずれ死を迎えるもので、それに対して「自分はちゃんと自分の人生を生き切れている」と思えたので、僕は動揺しませんでした。そしてがんに罹ったこと、がんサバイバーであることを公言できるようになりました。
判明した直後には「僕、がんになったから」と会社の役員たちにも話しました。「がんになったから僕は弱気になるかもしれない。だから、みんなはどんどん強気でいてくれ。」と言いました。だから、うちのグループ会社の役員たちはみんな僕ががんに罹ったことを知っています。いまだに嘘じゃないかと疑っている人もいるみたいだけど(笑)。
池田:
そういうご経験があったから、deleteCに興味を持っていただいたんですね。
森田会長:
中島ナオさんが亡くなって、それでdeleteCの活動がしぼんではいけない、落ち込んでしまわぬように、この後が大事だと思いました。
僕の会社がそれを支援することによって、病気になっても明るく活動して生活できる社会が当たり前になったらいいですよね。
ナオさんの素晴らしいところは「頑張ればがんは治せるようになる」と、がんの当事者でありながら深刻な顔をせずに言えるところだと思います。がんについて自然に言い合える社会はいいです。deleteCを通じて、いろんな人が罹患中であることやサバイバーであることをオープンに話してくれる。すると同じ立場にある人も勇気がわいてくる。それってすごいことだと思います。
池田:
deleteCの活動自体が、がんサバイバーやがんの治療をされている方々の力にもなる、と思ってくださっているんですね。
森田会長:
小国君がやっていた「注文をまちがえる料理店」でもそうだったけど、「頑張っている人たちをちゃんと応援できる社会」がいい社会だと思います。
日本にはもともと「あげる・いただく・お裾分けする」という文化がある。
でも今は、「自分さえよければいい」という風潮があるような気もしています。そんな中、deleteCは、誰かのためやがんを治せる病気にするという未来のために、SNSを投稿したり、商品を買ったりするなど、誰もが参加できる機会を創造して、日本の文化である「お裾分け」ができる仕組みを作っているところがいいですね。
池田:
改めて、森田会長が、大和リースとしてdeleteCを応援してくださっているのはどうしてでしょうか。
森田会長:
大和リースでは、創業者の言葉である「儲かるかではなく、世の中が何を必要としているか、 という 公の精神 に基づいて事業をする」を掲げています。また、新しい風をいち早く取り入れるのは、大和ハウスグループの中で当社の役割だと自負しています。親会社の大和ハウス工業やグループ会社は、大和リースの社会的な活動に興味を持って連絡をくれます。
池田:
就活を控えている学生としては、大和リースさんのようなCSRを積極的に行って社会貢献をしている企業に魅力を感じます。
森田会長:
企業は「儲かればいい」というわけじゃないんですよ。
お金はただの紙切れで、心を豊かにするものではありません。
人間が生きていくためには自分の心の豊かさがとても大事です。
大和ハウスグループではCSRという言葉が広がる前から取り組んできました。つまり「儲けて、儲けた分の税金を納めて、社会貢献ができるための資金を分配すべき」というのが事業の礎なんです。なので、がんが治せる病気になるかどうかはわからないけど、deleteCの活動そのものは良いことだから応援しています。良いことだと思ったことを、息を吸うように、自然にできる社会はいいですよね。
僕は、会長として従業員に命令をするのではなく、各部署に小さな火をつけて、あちこちで小さなボヤを起こして、企業全体でdeleteCを自然に根付かせようかなと。これが僕の作戦です。
<お知らせ>
■大和リースも「deleteC大作戦 2022」に参加
大和リースが管理運営する公園や複合商業施設に設置の「deleteCモデル自動販売機」とその自販機で購入した商品を一緒に撮影し、その画像に「#deleteC大作戦」と「#大和リース」をつけてSNSで投稿、もしくは大和リース公式Twitterアカウント、大和リース・下記施設の公式Instagramアカウントの該当投稿に対してリアクション(いいね)すると、SNSでの1投稿が500円、1リアクション10円ががん治療研究への寄付・啓発費用として、大和リースからdeleteCを通じて届けられます。
■deleteCモデル自動販売機について
deleteCは誰もが参加できて、みんなでがんの治療研究を応援していける仕組みづくりに取り組んでいます。サントリー食品インターナショナル株式会社がその趣旨に賛同し2021年9月に売上の一部が、がん治療研究への寄付になる「deleteCモデル自動販売機」の運用を開始しています。大和リースは病院建設や医療機器リースなどの事業を通してdeleteCの活動に賛同し、2022年2月にがん治療研究を応援するクラウドファンディングへの支援を実施。2022年3月よりdeleteCモデル自動販売機を自社で管理運営する公園や複合商業施設、自社オフィス、自社が整備に関わる建設現場に設置しています。
(2022年9月15日現在で全国17台設置)
■deleteCモデル自動販売機の設置施設(公園、複合商業施設)
・ブランチ調布(東京都調布市)
・フレスポひばりが丘 (東京都西東京市)
・ブランチ横浜南部市場(神奈川県横浜市)
・ブランチ茅ヶ崎2(神奈川県茅ヶ崎市)
・フレスポ小田原シティーモール(神奈川県小田原市)
・フレスポ八潮(埼玉県八潮市)
・鳥居崎海浜公園(千葉県木更津市)
・フレスポ稲毛(千葉県千葉市)
・ブランチ守谷(茨城県守谷市)
・BiViつくば(茨城県つくば市)
・フレスポ佐久インター(長野県佐久市)
・フレスポ仙台東照宮(宮城県仙台市)
■「#deleteC大作戦」2022 実施概要
・概要: 参加者のSNS投稿や拡散が、がん治療研究の寄付に
・期間: 2022年9月3日(土)~9月30日(金)
2022年9月17日(土)17:00 deleteC大作戦 後半戦開始・一斉投稿
・投稿対象: deleteCモデル自動販売機
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