ウマ娘ファンはヴィルシーナと大魔神佐々木主浩をご存じない?-ウマ娘化されていない名馬列伝-ヴィクトリアマイル特集[投げ銭式]
お疲れ様です。De:Lです。
今週は毎年のように大穴馬券が炸裂することでお馴染みのヴィクトリアマイル。可憐な乙女たちの仁義なき戦いです!!
注目としてはなんといっても
二階級王者として君臨する最速女王”グランアレグリア”
でしょう。前走の大阪杯では距離不安を叫ばれながらの上に、重馬場と、なかなか難しい戦いだったにも関わらず、三冠馬コントレイルに次ぐ4着と好走。やはり力があることは間違いないですね。
そこに食い込むメンバーとしては
マイル・短距離路線で大成めざす”レシステンシア”
秋華賞で三冠牝馬に食い下がった”マジックキャッスル”
出遅れの()実力馬”デゼル"
などなど、昨年のクラシックを賑わせたメンバーが大勢エントリーしています。
-ウマ娘化されていない名馬列伝-
本シリーズ記事は、ピックアップされたG1レースやハイレベルG2に過去の出走した馬たちのなかから、話題性に富んでいたり、多くのファンに知ってほしい名馬についてちょっとだけ踏み込んでお話しする記事です。なお、ここでお話しする名馬たちを選ぶ条件の一つに”ウマ娘化されていない”があります。ウマ娘で競馬を初めて知った人にもぜひ競馬について知識を増やしてほしい思いで書いています。また本記事は投げ銭式になっております。全文無料で読むことができます。もし気に入っていただけたならぜひ購入して投げ銭をお願い致します。
では、今回はヴィルシーナと佐々木主浩オーナーについて。
1.永遠の二番手
ヴィルシーナ、という名馬をご存じですか?
コアな競馬ファンならまだしも、ウマ娘ファン乃至はライト層の競馬ファンは知らないという方も多いのではないでしょうか?
水色と紺に白を合わた勝負服に、バンテージ(馬が履いている靴下みたいなもの。肢巻きともいう)も白地に青が映える爽やかな美馬です。
彼女は”名牝”(名馬級の活躍をしたり、よく走る仔馬を産む牝馬を指す。)と呼ぶに足る底力を持っていましたが、その人気と比例はしていませんでした。
なぜ、彼女がそれほどの実力を持ちながら、歴史の影に埋もれた存在になっているかというと、
彼女が”万年二番手だったから。”です。
では、一番手は?
ご存じ、ジェンティルドンナです。
2012年世代ですね。そうゴルシと同世代の牝馬です。
(画像選択に特に意図はございません)
この2012世代は歴代最強とも呼び声高い世代です。そんな世代で牝馬三冠を達成したうえに、ジャパンカップを連覇した正真正銘の名牝でした。
そんなジェンティルドンナという天才にヴィルシーナは挑み続けます。
こちらがヴィルシーナのデビューから秋華賞(クラシック終了まで)のレース結果です。
天才肌で、デビューから圧勝続きのジェンティルドンナに比べて、ヴィルシーナは食い下がって食い下がっての勝利を掴み続け、クラシックを舞台に戦います。
ただ、三冠対象レースの結果と一番右の勝ち馬の欄に注目してみてください。すべて2着。勝ったのはジェンティルドンナです。
デビュー4戦で3勝。普通に考えたら名馬級です。ですが、クラシックは1勝もすることなく終えてしまうのです。
当時彼女は”シルバーコレクター”や”ミス銀メダル”などと呼ばれ、永遠の2番手なんだと揶揄されることとなります。
逆にそのおかげで人気が出たみたいなところあるんですがwどっかの誰かさんみたいにw
2.ヴィルシーナと佐々木オーナー
ウマ娘にはない概念なんですが、競走馬には必ず馬主という馬の持ち主がいます。
ヴィルシーナの馬主があの大魔神佐々木さんです。
”あの”と言っても最近の若者とかは知らないかもですねww
この佐々木オーナー元プロ野球選手です。
横浜ベイスターズを中心に活躍され、メジャーのマリナーズでもプレーされた偉大なプレーヤーでした。
ポジションは投手で、”抑えのエース”としてチーム貢献していました。その圧倒的な握力から繰り出されるフォークボールで何度も抑えられたことからある記者が「悪魔の守護神」と呼んだことから、その呼び名が定着し、この写真の通り大柄な体格でもって「大魔神」と呼ばれるようになりました。(当時放映されていたテレビキャラクターから取ったとの話もあります。)
そんな佐々木元選手は引退後、2006年から馬主活動を開始します。
これまでに24頭を所有し、当初は馬の名前に”マジン”という冠名を付けていましたが、現在はそれを廃止。特に決まった冠名は持ちません。(冠名とは”スズカ”とか”セイウン”とか”メジロ”とかetc...)
一方で特徴的な命名法を採用されていて、活躍しそうな馬の名前には”ヴ”という字を入れています。
これにはいくつかの噂があって
・自身が投手であったことから、打てない→打てん→”う”に「゛(てん)」→ヴとなった
・奥さんである加奈子夫人が「勝つ馬にはヴが入っている」と言った
など様々な憶測がなされていますw
そんな馬主の佐々木オーナーですが、ある牝馬と出会い、その馬主人生が一変します。
それがヴィルシーナのお母さんであるハルーワスウィートです。
なんでこんな写真を採用したかといいますと、お尻を見てほしいんですよね。
そう尻尾がないのです。
競走馬はカーブするときに尻尾でバランスを取ると言われていますが、先天的にこの馬には尻尾がありませんでした。
しかしこの馬は現役時に5勝。
つまり「尻尾がなくても勝てるほどに能力が高いだろう」と佐々木オーナーは考え、この馬の仔馬を全部で5頭購入します。
なんとこのハルーワスウィートの産駒5頭のうち、3頭がG1馬。その上2頭はG1を複数勝ってしまうスーパーお母さんなんですw
そのうちの一頭が今回の話題ヴィルシーナになります。
3.二番手が魅せた意地
天才の影に隠れた秀才。悲しい話ですが、彼女は心の奥でふつふつと燃えます。
その燃え上がった信念が東京の舞台で彼女を進化させます。
4歳の春に迎えた府中1600ヴィクトリアマイル。
決してずば抜けた末脚はないけれど、
決して豊富なスタミナがあったわけではないけれど、
決して力強い脚力があったわけではないけれど、
三冠牝馬に挑み続けたプライドと燃え上がった意地と根性がその脚に宿った。
そんな一戦でした。
2着に入った前年のヴィクトリアマイル覇者のホエールキャプチャとはなんとハナ差。
まさに根性でつかみ取った一戦と言えました。
クラシックで何度も好走しましたが、G1勝利はこれが初めて。佐々木オーナーにとっても初めて。なんとも胸に高まるものがあります。
次年のヴィクトリアマイルも連覇し、G1を二勝しました。
このヴィルシーナという馬は佐々木オーナーとしても特別な馬と言っていい馬でして、
これは佐々木オーナーの年度別成績なのですが、
2012年から習得賞金が一気に上がっていることがわかりますか?
ヴィルシーナと出会い、G1を勝ち、馬主として一皮も二皮も捲れたことがわかるかと思います。
今でこそ、馬主としての名声も得た彼ですが、当時は野球界からやってきた外庭の人間扱いでしたが、
ここから進撃が始まり、12年で約20億円もの賞金を獲得することとなります。
そんな一頭の馬と大魔神が出会い、また一つの競馬史を作りました。
4.終わりに
佐々木オーナーは2021年は未だ0勝。
しかし有力な馬を所有しておりまして、
それがヴィルシーナの仔馬であるディヴィーナです。
もちろん所有は佐々木オーナー。
まだ出走登録はされていませんが、最近勢いのあるモーリスとの産駒になります。期待して待っておきましょう!
またハルーワスウィートの2020年産駒ももうすぐセリに出されるのではと思われます。
父はあのキタサンブラック。
北島オーナーと佐々木オーナーに所縁ある一頭になるでしょう。楽しみです!!
では今週のヴィクトリアマイルも楽しみましょう!
ご一読ありがとうございました!
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