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NP-1ベルト交換のためのプーリー軸の抜き方

なんで説明書に記載がないのか不思議なここ。タイトル画像がそれですが、左側にあるプーリーセットにかかっているベルトは軸を抜かないと交換できない構造になっています。【更新】砥石停止機構がないNP-2ならば本に解説があります。「レザークラフター…」から始まるタイトルの本を探してください。書店で探すときはタイトル字の「レザークラフター」が枕詞的扱いなのか小さい字ですので雑に探すと見つかりません笑 NP-1だと本を見ても無理。

タイトル画像左端のネジ山がナイフシャフトカップリングにネジ込まれ、さらに沈みネジで側面から回り止めしている構造です。下画像のカップリングの穴にネジが二重に、先端にはネジ山を壊さないための真ちゅう円板があります。この3つ全部取ります。ネジを緩めただけで残したままプーリーシャフトを外してしまうと内側の穴から真ちゅう板が脱落して、紛失しやすいので注意

鏡像みたいに2つありますが緩めて取るのは画像の右カップリングのネジだけです
奥から真ちゅう円板、奥のネジ、外側のネジ

カップングの棒にドライバをかまして回り止めしてプーリーの一番左を回して緩めます。どちらかというとプーリーを保持しつつ、かましたドライバーかけた側を回転させカツンとショックを与えるほうが緩みやすい。
緩んだらグルグル回しナイフシャフト側からプーリーシャフトを自由にします。

このドライバーのかけ方だと締まる方向です

外した状態のほうがわかりやすいのでこの写真を使いますが、プーリーセットを留めている沈めネジを緩めて取ります。

左から(画像だと下から)2番目のプーリー溝の奥にあります

沈めネジは平面加工した切り欠きに当たるように装着されています。ネジは取り外さなくても緩めただけでバラせますが、組付けるときにネジ穴からシャフトの切り欠きを覗いて位置をあわせる必要があります。

右端のプーリーごとシャフトをこじって外します。道具は木片とドライバー。シャフト左側のカップリングを全部緩める前にカップリング間にドライバーを入れ、シャフトが右に動くようにこじるのもひとつの手段。

こちらのプーリーはナットでシャフトに留まっていますが分解する必要なくそのまま。ベアリングはプーリー側からはまってるのでそれの交換時にはプーリーも脱着

簡単ですね、ところがNP-1では砥石オンオフ機構などを最初に外しておかないと内側のプーリーセットがそれに邪魔されて外れずベルト交換もできません。

こういうカム機構がついています。テーパーピンでノブがシャフトに留まってるので下側から3ミリ弱のピンポンチで叩いて抜きます。うちの機械は平行ピンに加工しています。ビア樽コンロッドのピンと同寸法のφ4-20。

プーリーを立てれるよう、無関係のパーツを下に敷いています。こんな撮り方はよくない

砥石オンオフ機構のシャフトを押しこんで抜こうとすると、奥側にある砥石ベルトテンション/向き変換プーリーASSYが邪魔なので丸ごと外します。本体の棒にひっかかってるバネを外し引っこ抜くだけです

あとは新品ベルトを入れて組み戻します。ベルトはアマゾンの中国製は長さが合わないので品薄の三ツ星レッドK-19、砥石ベルトは安くて入手が楽なタイミングベルトを流用後述。内側プーリーセットの留めネジ穴をシャフトの面取り位置に合わせる作業を最後に取っておいて、ライトでネジ穴の底を照らして平面についてるネジが当たった傷を見つけたらその位置でOK、位置関係が動かないよう保持したまま沈みネジを留めます。左右の固定位置幅もそれなりにあるのですが、砥石ベルトクラッチの作動具合で決めます。組んだあとで切替ノブが渋かったり、駆動が抜けたりするときはネジを緩めて内側プーリーセットをスライドさせてネジを締め作動具合を確認ってのを繰り返しす。ここは写真も撮っていないし文章だけでは伝わらないかも。

最後に主軸ベルトをかけておしまい。
普通じゃないところにモーターベルトが掛かって送り軸から丸刃軸を駆動していますがテストだけなので。

アマゾンK-20だとプーリー間ベルトのテンションはダルダルなんだな…いやこれは普通に滑ります

アマゾン中国製K-19をつけようとするとパツンパツン以前の問題、軸が組めません。寸法が違うからそれでアウトですが質も悪く長持ちしそうにない。

中国製K-19だとシャフトの向こう端はベアリングに通るが手前側が入らない

ベルナイフ側はなんもいじらなくてそのままベルト交換可能でなんも難しくないです。あえて一点難しいとこを挙げるとNP-1だけにある砥石ノブのピン抜き。
砥石駆動しているウレタン丸ベルトは滑ってるしボディに干渉するしでフラットベルトのほうがいいですが、60S2M、つまり幅6ミリピッチ2ミリ厚さ1.3ミリのタイミングベルトを流用します。長さは984か976ミリ、千円しない。ベアリング交換は6個だけ、他は音が出ていなかったので手を付けず。

タイミングベルトだからギザ付きですがなんも不具合はありません

まとめ

単に説明書に記載されていないだけで作業自体はかんたんだと思うんだけどなあ。オレンジ色のベルトに替えるほうが「自分で問題解決できた感」が沸いて、スマートでカッコいいのかも。つかうたびに蛍光色のベルトが目立ち、画像にしてSNS記事にしても映えるという側面があるのね。
…ちょうどよい長さのVベルトの入手が困難という問題が浮上してきました。上の写真のベルトは中国製K-20でダルダル、条件によっては滑る、日本ブランドインドネシア製のK-20はなんでか長さが違いもっとダルダル。そもそもVベルトってのは軸間距離を可変にしたりテンションプーリーを介在させたりして張りを調整してつかうものなのでそういう寸法違いはありなのかも。このあと日本ブランドのK-19を入手したらちょうど良い長さでした。それが手に入らなければオレンジ色のベルトを使うのは合理的、むしろ軸間距離固定の機械にVベルトを使うのがどうなの?ってことですね。模倣元のFortunaが悪いのですがもっと以前の機種ではVプーリーですらなく、革の○ベルトを金具で繋いでいたのかも→答えは昔のパーツリストにありました。エンドレスベルトではないからバラさなくても交換可能。

新品出荷時からこれなのか、補修用として用意してたのかまでは不明