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革漉き機の漉きカスワイパー

TAKING TK802に限らず日中の漉き機には漉きカス取りが最大2つついてますね。ビア樽にからみつくのを剥がすやつと、丸刃に張り付いて回るのを排出するのと。

ビア樽ワイパーはブラケットが60度くらいの角度でビア樽形状に沿うワイパーを取り付けるのがオリジナルのFortuna形状。

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アルミはFortunaにならってわたしが作ったやつ、黒いブラケットは板金製で、ピボットの近くにバネがはいるスリットがついてるんだけど、奥につかないと成立しないんだけどなあ…上下逆に折り曲げている製造ミスです。

Fortunaをサル真似した機械だと、自分で編み出した機構でないせいでだいたいまともについていないようだなこれ。今回購入のTK-802BKはどうかと、右にFortuna形状と並べて比べると、なんやこれ?想定外の雑さ。

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フラットに当ててるのでブラケット折りまげるのを忘れたんだろ、と最初思ったんですが、ブラケットの面積自体が一枚目の黒に比べると小さいのと、ピボットシャフトが右側にセットバックされてます。意図をもってこうしてんのか?それにしても全然ビア樽に沿っていない。

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ただビア樽に乗っかってます(上下逆)。

装着状態を下から見ると

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めっき板は丸刃の内側でいっしょに回ってくる漉きクズをすくい上げて上端の曲がりで向きを変える機能を持つ。漉きクズが向きを変えた先にビア樽ワイパーがあり、Fortuna形状ワイパーは下に飛び出してるのでひっかかってしまう。それでこのように寝かせる形のワイパーブラケットになったということだろう。

TAKING買ってついてくる説明書にはなんも書いてないです。つまり、組み立ててる人も、出荷前調整する人も理解していなさげ。

それにしてもこのビア樽ワイパーじゃ付けている意味がない。ワイパーに使っている革が長すぎるんじゃないかとトリミングしてみた。

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この当たり方が正解なんでしょう。【更新 不正解ですその後のてん末】めっき板から剥がれてきた漉きクズの流れを遮らない配置に、と考えてFortunaとは違う位置にしたのだろうと。

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ばっさり切りました。

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こんなの出荷前チェック調整するべきやろ?とも思ったのですが、もともとこういう機械は納入するミシン屋の責任でセットアップするべきもので、その流通から外れ輸入代理店からユーザーに直販、価格を抑制するのが販売戦略の主軸となった現在は、「そのへんのノウハウの蓄積注入を省き、ざっと輸入出荷するから安いんですよ。じつはなぜこの装置が付いてるのかわからなくてそのまま売ってますけど」と胸はって回答されて終わりですよ。漉き機について実績ノウハウのあるミシン屋はニッピとの長い付き合いがあるのでTAKINGのメンテ調整依頼がきてもためらうのは自然の流れ。ニッピはFortuna形状ではない個性的なワイパー構造を編み出して一部機械につけていますね触ったことないのでコメントしません。【訂正】→ニッピが編み出したのでなくずいぶん古いFortunaのそれの丸パクリでした。

そういうわけでTAKINGの場合ユーザーがなんとかするしかないので頑張ってください。TK802自体の設計には悪いところは見当たらず、旧型から大幅に進歩していますが、そこを推すと、旧型オーナーがめっちゃいじけますしね。そうしないと売れないのでしょう。

まとめ

TK-802BKの漉きカスワイパーが雑についていたので、正しいと思われる形状に修正した。