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Fortuna 漉き機を作っている会社

【大事な人名ミスを一年放置してましたHerth→Hirth】Fortunaの漉き機は元祖なんですが、Fortuna社はミシンや革道具は手掛けたことはなく、専用の丸パイプ脚の台にミシン用ではないモーターで吸引機も同時駆動する構成。革漉き機をクラッチモーター+工業ミシン台に据えるのは日本のミシン屋が始めたようです。
ググってみると円筒研削盤にもFortunaがあります。日本ではそれを作る技術がまだなかったころの。
Fortuna spezialmaschinen gmbhのwebサイトではかけらもないし、歴史を見ても出てこないんですが、ロゴが漉き機と同じなんで同社製なのは間違いない。

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そこでFortuna社webサイトの歴史に戻り1903年にStuttgartにArbert Hirth創設したFortuna社から請われ最初の丸刃漉き機を設計とある。この人、ドイツ南西地方の「レオナルドダヴィンチ」とか「エジソン」とか呼ばれてる人。浮上はしなかったがヘリコプター試作したそうで、もし2つの大戦がなかったら完成させただろうと。ヘリに欠かせない可変ピッチプロペラも氏の特許。同郷のRobert Boschに「彼がいなかったらこの地の精密加工機、加工業はなかった」といわせたほどの発明家。つまりBoschのほかPorscheもメルセデスベンツもどうだかと言ってるわけで。そのくらいでないと丸刃の漉き機を思いつくわけないですね。今はみんななにげに研いでる丸刃の砥石ですが、砥粒を固めて形状を付与できる砥石は当時最先端技術でして、円筒研削盤ともつながります。

ふたりの息子も有名らしくて調べてみたら、1924年に水冷エンジンのバイクでレース勝ちまくってすぐ撤退したそうな。エンジニア兼ライダーで足切断する事故したとか。ピストン二つ、コンロッド2本の燃焼室一つという単気筒? Magnetoを発明したBoschの点火プラグのテストも引き受けていた。

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今は2ストエンジンをモーターグライダー向けに作ってる。ここから分かれたピストン部門がMahleになったそうですよ。
インターネットは昔のことを調べるのには向いてなくて発掘はたいへん。具体的にはドイツ語のwebサイトを英語翻訳することでだんだんと情報がつながってきました。

【追記】Fortuna社の工作機械部門がどこにいったかわかりました。

Fortuna社は1975年から1995年までトランスミッションのGetrag社に合流、円筒研削盤系のスピンドル部門はスイスFischerへと分離合流し、しばらくしてFischer & Fortunaだった社名からFotunaが落ちてしまうという日本のメガバンク合併みたいな話。Fortuna社の丸刃は今もその円筒研削盤を用い自社製造しているそうです。他の丸刃とはレベチな理由ですね。
そして革漉き割り機やバンドナイフ、食品ラベル部門が元のFotuna社名を残しGetragから独立という流れなんだそうです。

まとめ

Fortunaの漉き機を作っている会社を興した発明したArbert Hirthは著名な発明家だった。
Hirthが発明した軸回転系応用の機械を生産してきたFortuna社はGetrag、Fischerなど分野でトップレベルの企業と絡んでいた。